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タイトルからposhな世界のミステリーだと思って手が伸びなかった。他の方の感想を読んでそうでなさそうだとわかり手に取った。とても静かな大人の男女の御伽噺のような恋物語。ホッとするとても優しい物語だった。ローランとロールが静かな感じなので娘のクロエのエッジの効いた言動が効果的。国や年代を無視してメグ・ライアンとヒュー・グラントかトム・ハンクスのイメージで読んでいたけど、メグ・ライアンはちょっと違うかも。日本に翻案するならローランは堺雅人か西島秀俊とロールは菅野美穂か中谷美紀でお願いしたい。それにしても猫の名前がプーチンとベルフェゴールって。
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古き良き時代の
ロマンティックコメディー映画のようなお話でした。
ハンドバッグを拾った中年男性が、
バッグの中身を手掛かりに
その持ち主を探し出し、
ついには見知らぬ間柄だった男女が
恋に落ちるという物語です。
ひと昔前ならいざ知らず、
彼のとった行動は犯罪に近しいというより犯罪ですね。
主人公もそのことは意識しています。
なにしろ舞台は2014年、冬のパリなのですから。
本書には実在するノーベル賞受賞作家の
パトリック・モディアノが登場します。
彼の自身の小説で繰り返し取り上げられるテーマは、
〝不在〟〝喪失〟だそうです。
そのことを知って読むと、
このお話も深みが増しますね。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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しばらく前に書店で平積みされていたのでチェックしていたのだけれど、余りの想定内の話の展開にちょっと閉口する。まあ、最近重い話の本ばかり読んでいたので気分転換には丁度良かったかも知れないけれども。「ノッティングヒルの恋人」とか「プリティ・ウーマン」とか「ユー・ガット・メール」を見ているような感覚でどんどん頁を繰る。流石に、ジュリア・ロバーツやメグ・ライアンの顔を主人公が恋する相手には当て嵌めて想像したりはしないけれど、少し影のある女優の顔を何となく想像する。それはソフィー・マルソー(なんて古いね、まったく)だったか、あるいはオドレイ・トトゥか、間違ってもブリジット・バルドーではないね、などと考えていると、ふとダイアン・キートンの顔を思い浮かべているのだと自覚する。ああ、これはパリ版の「マンハッタン」のようなお話なのかも、と独り勝手に合点する。
そう思ってしまうと、登場人物の構成などもそう考えてみると案外似たところがある。離婚歴のある主人公、元妻はいわゆるバリキャリ。そして年齢差の二人の女性がメインの登場人物であることも(恋する相手は逆だけれど)。主演の男優がウディ・アレンであることは絶対に在り得ないけれど、金箔貼りの女性はダイアン・キートン。高校生の女の子の役はマリエル・ヘミングウェイじゃなくて、「ペーパー・ムーン」のテイタム・オニールか、「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニングにやって欲しいなあ、などと妄想する。どこまでいってもハリウッド映画的な脳内活動から離れない。
マンハッタンの恋物語が、ウディ・アレン的な少し鬱屈した物語であるのに対して、パリの恋物語はやっぱりもっとストレート。う~ん、そうなるよね、やっぱり。
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大人の恋愛小説と書いてあったけど確かにこれは大人な恋愛小説。
ハンドバッグをひったくられその時抵抗して出来た怪我からしばらく意識不明になってしまった女性と、
そのハンドバッグをたまたま拾い、酔った勢いで中身を見てしまった事からその女性の事が気になりすぎて探しあててしまうという男性の物語。
しかもお互い女性は未亡人、男性はバツイチ子持ちと言う所がいい。
さらに言えばその子供がとても達観していて最高のキューピット役になるのもまたなんか良い。
ハンドバッグの持ち主の女性を探し当てるあたりはこれちょっとストーカーじゃない??
とか思ったけど、女性サイドに話が移り変わるとなんだかそういう感じも不思議となくなり、
こう言う恋愛があっても良いのでは?
と思えて来るのがなんとも不思議。
あと単純にパリめっちゃ本屋あるなと思った。
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211125*読了
どうしてこうもパリという街はラブストーリーが似合うのだろう。
道端に置き捨てられたバッグを、バツイチの書店主ローランが拾ったことから、この恋愛は始まります。
バッグに入っていた赤いモレスキンと、自分も好きな作家のサイン本。
持ち物から立ち上る人となり。
その落とし主を見つけるために奔走するローラン。
徐々に二人の距離が物理的に近づいていく様子にドキドキしました。
舞台が日本だったら、大阪だったら、こんなにロマンチックにはいかないだろうな(笑)
パリだからこそ生まれる恋愛なのです。
赤いモレスキンに書かれていた「私は〇〇が好き。」「私は〇〇が怖い。」のリスト。
わたしが書くとまるで美しくない気がする(笑)
それでも誰かが読んで恋に落ちてくれるかな?(笑)
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紫色のハンドバッグを拾ったことからその持ち主を想像する、つまりは探すローランの物語。謎解きのような推理、印象的な会話、あったかもしれない未来の喪失を哀しむ態度など、洗練された物語を堪能した。
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パリ好き、本好き、本屋さん好き、モレスキン好き、アート好き、にはたまらない、こんなことある⁈の連続のロマンティックなお話。
で出しは衝撃的というか、ヒロインは壮絶な目に遭うけれど…
世界のどこかでこんなことが起こっていたらいいな。
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フランスっぽい〜!という物語の進み方。優美でありながら、じれったいけれども納得できる熟成した大人のもつ葛藤が描かれていて、大人のおとぎ話納得!という話。
ページ数もそんなに多くないのであっさり読めるけれど、ゆっくり丁寧に読みたい本だった。
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すごく面白かった。そして素敵な物語。パリの街並みを背景にした映像が目に浮かぶようだ。
強盗に奪われ、捨てられていたロールのハンドバックを、ローランが拾うところから物語は始まる。
自力で持ち主を探して返すことを試みるローランが、あわや暴走してしまうようで、読みながら少しひいてしまって、「あれ?これってミステリーだっけ?」と思わず錯覚してしまうほど背筋がゾッとした一瞬もあった。
それでも、読みながら、ローランと一緒にちゃんと夢中になれる。
これほど常識的ではない行動をとっているのにもかかわらず、まともな人間として描かれているのがすごく気に入っている。時折叫び出したりすることもないし、汚い言葉で罵ることもない。気味の悪いこともしない。きちんと「ジェントルマン」である。読んでいるうちにパリが大好きになるようなそんな作品だった。
これを読む前に「ミッテランの帽子」を読んだのだけれど、この「赤いモレスキン女」を読んで、さらに作者のアントワーヌローランが好きになった。
さり気ない洒落がところかしこに散りばめられていて、(当然私は解説を読んでからでないと気が付けないのだけれど)とても素晴らしい。フランスは文学に関してもレベルの高い国なのだなぁと感心してしまった。
吉田洋之さんの訳とあとがきも良かった。
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大人のためのおとぎ話
このキャッチフレーズは、まさに言い得て妙だ。
ふらふらと、ブースターショットの後の、うつらうつらする頭で読むのにうってつけの本であった。自分のセレクション眼を誉めたいところ。
フェルマーの最終定理で頭を使いまくった後だったこともあり、なんだかご褒美をもらった気分になった。
強盗に遭うショッキングなシーンから始まり、どうなることやらとヒヤヒヤしたが、冒頭がそうなだけで、あとは穏やかに過ぎていく。
まぁ、カバンを拾ったローランの心は穏やかではなかったわけたけれど。
実際自分がロールの立場だったらどうなのよ、などと、現実に当てはめる無粋はなしで、ただ楽しめばいい。
娘のクロエの活躍が素敵。無敵であるティーンネイジャー。
あったかもしれないことへのノスタルジーは存在するのか。
(原文としては『起こらなかったことについて、ノスタルジーを感じることができるのだろうか?』)
言葉にすると、おや?と違和感があるけれど、ゆっくり考えると、それ、いつも思ってるよね〜ということだったりする。大人になればなるほど、現実を変えにくくなっていればなっているほど、ノスタルジーは色濃くなっていくかもしれない。
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落とし物のバッグを拾った男性が、持ち主の女性を探し出し…
と、一歩間違えればサイコなストーカーの話しになりそうだけど、一線を越えずお互いに静かに惹かれ合い、周りも否定せず背中を押してくれてるところが良かった。
でも結局は、お互い見た目も魅力的な男女だから?
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男性主人公は脱サラした書店主、女性主人公は後のノーベル賞作家にサインをもらった本を持っている。
彼女の本棚には村上春樹、谷口ジローの本がある。谷口ジローはフランスでとても人気がある。
村上春樹が訳したジョン・グリシャム『グレート・ギャツビーを追え』の主人公も書店主だったので、もう一回あの本読みたいな、と思ったように、本好きな登場人物が出てくる本には惹かれる。
ミステリー的要素があり、細かい伏線と謎解きも張り巡らされ、よく出来た話。とてもおもしろい。
しかし、ちょっとよく出来過ぎというか、ロマンティック過ぎないかなと思ってしまった。
気持ち悪い、で終わらないかな。
でも一歩間違ったら、ということころを踏み外してない感じはする。
(僕ならきっと踏み外すだろう)
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ブクログでレビューをよく見かけて気になっていた。英国王室のカミラ夫人のおすすめ本の中の唯一のフランス小説ということでも特に注目を集めた本らしい。表紙は可愛い。
本屋で実物を見てみたくて場所を尋ねたらなかなか見つからず店員さんふたり動員しての捜索となり、こちらですと現物を渡されたら、絶対買うと決めていたわけでもなかったのに、流れで買ってしまった。
本、文具、ファッションなどの小道具を使った演出がわかりやすく洒落ていて(かくいう私も「モレスキン」というキーワードにひかれた)、いかにも映画っぽい恋愛小説。『アメリ』や『冷静と情熱のあいだ』を思い出した。主人公であるパリの書店主の男性役に、いかに自分好みのイケオジを脳内キャスティングできるかがこの本を楽しめるかどうかのポイントか。
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強盗にあった女性、捨てられたハンドバッグを拾った書店主の男が結ばれるお話。
主人公のローランがストーカー紛いの行為に走るところはハラハラさせられた。結果はちょっとファンタジーっぽいと思ったけど、読後感はスッキリしてて良かった。
あと、フランス語の人名は男女が分かりにくかった。
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まるで映画のような素敵な小説だった。
そして苦手な海外小説が、なぜかスラスラ読めた。
(何が苦手って、登場人物の名前が覚えられなくて、男性か女性かもわからなくなっちゃうから、話が理解出来なくて挫折する)
アメリに似てるな、と思った。
パリは3回行ったので、街の情景が浮かんで、まるで自分もそこにいるかのように感じた。
いつか4回目のパリに行く✈️