- カテゴリ:一般
- 発売日:2020/12/09
- 出版社: 中央公論新社
- サイズ:20cm/292p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-12-005359-7
読割 50
紙の本
新型コロナからいのちを守れ! 理論疫学者・西浦博の挑戦
【科学ジャーナリスト賞(2021)】未知のウイルスとの闘い、サイエンス・コミュニケーションへの挑戦、政治家・官僚との葛藤…。厚生労働省クラスター対策班の理論疫学者が、「科...
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理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!
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商品説明
【科学ジャーナリスト賞(2021)】未知のウイルスとの闘い、サイエンス・コミュニケーションへの挑戦、政治家・官僚との葛藤…。厚生労働省クラスター対策班の理論疫学者が、「科学者の社会的使命とは何か?」を自らに問いながら走り抜いた半年間の記録。【「TRC MARC」の商品解説】
2019年大晦日。西浦博は、武漢で未知のウイルスが流行の兆し、との情報をキャッチする。1月16日には日本で最初の症例が確定。急遽、北海道から東京へ向かうこととなる。のちにクラスター対策班につながる初動であり、6ヵ月にわたる予想もしない日々の始まりだった。
武漢からのチャーター便の帰国直後、ダイヤモンド・プリンセスが寄港。一気に感染者が押し寄せ、日本は流行に突入する。そして、2月22日、加藤勝信厚生労働大臣より「エマージェンシー・オペレーティング・センターを作るので、中心に立って流行対策にアドバイスしてほしい」と要請される。日本で初めて、感染症対策の専門家が政策決定の中枢に入る、画期的な出来事であった――。
厚生労働省クラスター対策班でデータ分析に従事し、「8割おじさん」と呼ばれた数理モデルの第一人者が、新型コロナ対策の舞台裏で繰り広げられた政治との格闘、サイエンス・コミュニケーションの葛藤と苦悩、科学者たちの連帯と絆まで、熱い本音を語った奮闘の記録。
(以下、本文より)
・・・川名先生から、ぽんとメールが届いたんです。僕が頑張っているのを川名先生は分かっているし支持していると。そして「西浦さんが発信する情報は専門家会議のクレジットですから」とまでおっしゃってくれました。つらい時には1人このメールを見て泣いたこともあります。
僕自身が折れると終わりだから、科学者は勇気を持って科学的事実を正確に伝えるのが間違っていないのなら、頑張らないといけないし、これはまだ第一波だから序の口だと思って、継続して頑張ってみようと、心新たにできました。感染症の数理モデルで定量的なものだったら、あるいは、データ分析をさせたら、日本では自分の右に出る者はいないだろうと自分自身を鼓舞します。ニコニコ生放送で何万人というような人が参加する中でプレゼンをするわけですが、自信を持ってやろうと決意しました。僕がこけると、感染症数理モデルをやっている同志や研究室の弟子たちがこける。僕がここで敗けたり折れたりするわけにはいかないのです。
・・・僕には脅迫状が届き、生まれて初めて殺害予告を受けました。一番緊迫した頃には、厚労省と新橋のビジネスホテルの間を歩くだけなのに警察の方に護衛してもらったことすらありました。
・・・厚労省とも仲違いしそうな時、尾身先生がテーブルをたたきながら、先生より若い我々専門家全員を叱るように仰ったんです。
「厚労省がちびちび書き換えるとか、そんなしょうもない話はどうだっていいんだ。責任取れと言われるんだったら俺が取るぞ。お前たちはそんなもんなのか」「今は流行しているんだから、流行を止めるんでしょうが。お礼参りは終わったらちゃんとやるから、今はとにかく流行を止めるぞ」と言いながら、目に涙をためてみんなをいさめてくれたことがありました。【商品解説】
著者紹介
西浦博
- 略歴
- 〈西浦博〉1977年大阪府生まれ。広島大学大学院医歯薬総合研究科修了(保健学博士)。京都大学大学院医学研究科教授。専門は感染症数理モデルを利用した流行データの分析。
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電子書籍
5年毎に読み返したい西浦博と川端裕人
2023/09/20 22:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JN - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルーバックス「我々はなぜ我々だけなのか」で海部洋介にアジアの人類の謎に迫った川端裕人が、数学セミナー2009-2010の連載「オランダ発パンデミック東方見聞録」の西浦博にあの新型コロナに関してアプローチした事でサイエンスドキュメントとして数年後に読み返してもまだ読み応えがある。
叶うならばこの2人の続編で数年後に検証してみて欲しい。
紙の本
<コロナ問題を考える上で必読の本>
2020/12/11 16:58
47人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ウサギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
結論的に言えば、この本は一言で言えば、「自分は自分なりに、みんなの命を守るという立派な目的のために一生懸命頑張ったんだから、僕ばかりそんなに責めないでよ!」と、社会に対して、甘ったれた言い訳をしようとする本である。このような本を出したということは、西浦氏自身、自分が社会に対して大きな過ちを犯してしまったことに、うすうす気づいているのだろう。彼は、「即座に強力な感染対策をとらなければ数十万人が死ぬだろう」、と世を煽りに煽った。結果、どうなったか。2020年10月の自殺者数は2153人、昨年よりも40%増。その多くが女性。この月だけで、それまでの新型コロナの国内死者数を上回る。――今後、さらにひどいことになるだろう。数年にわたって、すさまじい苦難と絶望が生じることになるだろう。「感染者を可能な限り減らすための感動の物語」の中に没頭してしまった「ピュアな科学者」である西浦博という人間は、今後、重い社会的・道義的・倫理的責任を背負って生きていかなければならない。たとえ数十年後に、彼が京都大学の名誉教授になったとしても、名誉ある日本学術会議のメンバーに選ばれたとしても、西浦氏の心の中に、このことは黒い染みのように残り続けることだろう。
紙の本
なるほど
2021/02/01 08:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イ! - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナの流行以前,以降のことが分かりやすく書かれていて非常に読みやすい.読み物としても学習用としてもよいと思う.