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ダ・ヴィンチニュース(2021.2.3):なぜ「就学不明」で片付けられてきたのか…日本で暮らす外国籍の子どもたちのリアル https://ddnavi.com/review/734449/a/
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不就学の外国につながる子供達の問題を丁寧に取材した本。そこには出稼ぎで日本にきた親に呼び寄せられたものの、虐待、いじめ、日本語ができない等々の理由で学校からそして社会からドロップアウトしてしまう子供達の姿がある。親は工場で10数時間の勤務をこなし、子供に気を配る余裕さえない。せっかくお母さんと暮らしたくて日本に来たのに、という子供の声が心に刺さる。
学校に行けたとしても支援が不十分で、板書を写すだけという子供達。子供は吸収力があるからと、放り込めば柔軟に対応できると考えがちな大人にとって衝撃的な点は、日常会話ができていても授業についていけない子供もいるということ。授業で使われる「学習言語」が習得できないと内容が理解できない子供もおり、子供が学校教育慣れるには7年かかるという指摘は、長期的な支援の必要性を示唆する。
この本が繰り返し指摘するのは、義務教育を受けさせる義務が外国籍の人には及ばないため、就学を無理強いできないという問題。市町村に追跡するだけの人手や予算の余裕や法的根拠がなければ、対応が後手にまわり、悲しい事件につながって初めて問題になるというケースもあろう。でも、そもそも親を子供の様子に気づけないほど酷使される状況に追い込んでしまう出稼ぎ者の問題をどうにか解決できないのだろうか。言葉ができないからつまづいているのは子供だけではなく、低時給長時間の仕事に就かざるを得ない親達の足枷にもなっている。そんな状況の労働者を放っておいてまでも日本人の職が奪われる、なんて言うのだろうか。外国籍の人が幸せに暮らせる社会は、日本人にとっても生きやすい社会になると私は思う。と、大風呂敷を広げても自分にできることは少ないが、この本で知ったことを頭の片隅においてact localせねばと思った。
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日本語の壁が外国人親子にとっていかに大きいか。教育の機会、就労の機会を奪うだけでなく、日々の平穏な生活を脅かす恐れになると痛感した。自己責任だけでは語れない。
就学不明2.2万人、無支援状態1.1万人、不就学・不就労0.3万人。
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日本にやってきた、外国人の子ども達が、就学しどのような支援を受けて、生きていくのか、いろいろな子ども達が紹介されている。
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親の仕事の事情などで来日したものの、就学できていなかったり、就学したもののじゅうぶんな日本語教育を受けられていなかったり。そういった外国籍等のこどもたちを取材したもの。
全体を通じての感想としては、もちろん様々な施策や自助努力によって、こういった子どもたちへ頑張ってサポートしている学校や自治体がある、というのは凄いことだしとても良いことだと思うけれど、それでいいのだろうかということでした。学校の先生たちの多忙化については近年ずっと叫ばれているし、自治体の財政やマンパワーは自治体によりけりで、どうにかしようと思ってもどうしようも無いことも多いのではないかと。国の施策として、法的・財政的な基盤が必要になってきているように、どうしても思われました。
日本語教育推進法などをはじめ、そういった基盤が少しずつできてきているのはいい流れだなと思います。日本に来ている外国の人たちの苦労について、「自己責任」という風潮がありますが、百歩譲って仮にそうだとしても、親の事情で(自分の意思とは関係なく)日本に来た子供たちは「自己責任」とはとても言えないと思います。子どもたちがきちんと学べる社会にするということは、単純に彼らを「助ける」というのではなくて、彼らと共に生きていけるような社会になるということであり、それは日本という国がもっといい国になることへ絶対つながるだろうなぁと思うので。
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知らなかった。外国人が義務教育から除かれてることも、外国籍児童に就学の強制力を働かせられないことも。外国人が日本で暮らしてる理由自体に貧困が絡んでいることがきっと少なくない中で、受け入れ態勢が整ってないことで学校に通えなくて、社会入っていけなかったりドロップアウトしたり、それがまた貧困につながる負の連鎖。
自治体だったり先生の熱意に支えられたり左右されたり。
でもこのキャンペーン報道で行政が少し動いたり。
自分は知らなかったんじゃなくて知る気がなかった。
義務教育なんて制度がうざったくてかったるかったことも沢山あったけど、勉強したくてもできない子供たちがいる。
陳腐な感想文しか出てこないけど、忘れないで自分にできることを。
あ、宇多丸さんのラジオで取り上げててて本買いました。出会いに感謝。
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SNS上でよく話題になっていたけれど、だいたい有料記事でなかなか読めずにいたキャンペーン記事が本にまとまった。『虹いろ図書館のひなとゆん』を読了した勢いでこちらも読みはじめる。
ひとつひとつの具体的なケースは読んでいてどれも胸を締めつけられる。
こういったことがあちこちで現に起きているというのを知るというのが第一歩ではあるのだけれど。
すべての子どもにとって「にほんでいきる」のが過酷なサバイバルではなく、前向きで希望のあるものになってほしい、という結びの言葉がすべてかな。
外国ルーツに限らず、貧困や、家族や学校に信頼できる人間関係がないせいで、似たような状況におかれて苦しんでいる子どもは少なくはないのが現状だと思うので。
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外国にルーツのある子ども達が発達障害と、診断されて特別支援学校に行くケースや、教育の機会提供にアクセスできない実情を多角的な取材記事で取りまとめた本。多文化共生やインクルーシブという言葉が先行している実態について考える上でとても重要な示唆を与えてくれる良書です
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近所のコンビニ、工事現場、都市や地方でも外国人が働く姿は日常でよくみられるようになった。在留外国人数を調べてみたら2019年293万人と年々増えているとのこと。2019年施行改正入管難民法により外国人労働者の受け入れ拡大が狙いで表向き移民受け入れではないらしいが、移民社会に移行していると指摘。就学不明2.2万人、学校での無支援状態1.1万人、特別支援学級の在籍率2倍、不就学不就労3000人、高校中退率7倍などの数字が目次に並ぶ。
犯罪者、事件に巻き込まれた子それぞれの来日の経緯と育った日本での状況を紹介、日本語習得の壁と孤立、教師の対応の差、いじめの内容が酷い。
子どもが新しい言語を覚える場合、日常会話はできても、一般的に学習言語の習得には5-7年とされる。日常会話ができれば、周囲は日本語が理解できていると考え、学力の低迷は「勉強しないから」と自己責任とみなされる。日本語の理解が十分でないため居場所がなく学校に行きづらくなってドロップアウトしてしまう子どもがいる。難しい勉強をするくらいなら働こうという発想になってしまうケースもある。将来の夢を自分で語れる子どもたちは親身になってくれる支援者と巡り会えたケースが多い。日本語弁論大会での最高賞を取ったスピーチの文中『何気ないことで、他の人がどれほど傷ついている分からないことがある。同時に何気ないことでどれほどすくわれているか気づかないこともあるでしょう』『急がなくていい、これは国際交流を考えるときにも言えるのではないかと思います。国際交流は時間がかかります。相手とじっくりと向き合うこと。時間を共有すること。これこそが大切なのではないかと思います。』
国際移住機関:世界的な人の移住を専門に扱う 本部はスイスジュネーブ 100か国以上にフィールド事務所 2009年リーマンショック等世界的不況時に日本政府から37億円の資金提供を受け「定住外国人の子供の就学支援事業(虹の架け橋事業)」を展開。
外国から来た親子の孤立を防ぐため、放課後の学習支援、保護者と学校の仲介をするNPOの取り組み
少年院での外国にルーツを持つために生きづらさを抱える少年達の互いの経験を語り合う更生プログラムの紹介
愛知県は日本語教育指導が必要な児童生徒数が全国最多。豊橋市は指導主事の「外国人も市民の一員。教育もしっかり受けさせたい」という姿勢で、住民基本台帳記載がある学齢期の子どもの就学状況を調査し不就学の子がいると電話や家庭訪問で理由を確認。市教委窓口で入学手続きや学校とのやり取りも行う。増加する生徒へ効率的に日本語教育を行うため中学生に特化した初期支援校開設、生徒は各学校に在籍しながら集中的に通所し日本語を学ぶらしい。
日本語教師資格の国家資格化への移行施策があるとのこと、一方約4万人の日本語教師の常勤は1割で非常勤やボランティアという不安定な立場の問題視されている。
NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」では、コロナ禍で困窮した外国人の支援を行っている。
2020年文科省は外国人児童生徒等の教育について法的根拠を求め就学促進の位置づけ提言された。
「にほんでいきる」という本書の文字が真ん中��載って、外国からきた子どもたちの副題が小さく添えられている。日本の子どもたちの置かれた環境も在留外国人の子どもたちの環境も過酷さだけでなく何らかの希望が持てるよう何ができるのかまず情報収集からしていきたい。
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毎日新聞の「にほんでいきる」の連載を以前から愛読しスクラップしていたので、改めて読み直しスクラップブックを整理したいと思い、購入し読了した。
この連載がきっかけで、地域で外国籍の子どもたちに学習支援をするボランティアに参加するようになった。今では日本語教師になりたいと思い、勉強をしている。
こんなきっかけを作ってくれた連載が、書籍一冊にまとまっていて、購入して本当に良かった。改めてこの問題に向き合うことができた。
新聞に書かれていないこともあったので、連載を読んでいた方も購入して読む価値ありです。
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〇“日本人”というカテゴリーではなく“大人”として知っておきたい。
〇自分の仕事で出来ることは何か。
〇声かけと気づき。
’18年、外国籍の義務教育年齢の子どもたちは約7万7千人。うち就学不明児は約2万2千人。
非正規雇用の親たちは、子どもたちに目を向ける余裕が無い。
法制度の関係で、現場の人たちが助けたくても助けてあげられない現状。→外国籍の保護者の就学義務が無い。
★閉ざされた扉
・不就学の連鎖
・日本語が話せない、未熟な児童・生徒への母国語での支援の必要性。
→現状でも制度があるが、もっと必要なのではないか。
→言語が分からないことによる、犯罪の加害者・被害者。
・高校以上の学びの場所の少なさ。
・未就学児を探す取り組み。
三重県:松阪市
→市教委とボランティア。卒業しても、見守るおじさん・おばさん。
愛知県:西尾市
→就学を強制できないジレンマ。根気よく訪問と案内。
→コロナ禍、オンラインでの取り組み。
岐阜県:可児市
→不就学0を提唱する。
→移民の子どもたちから知る世界の今。
・転居を機に学校から離れてしまう子ども
・不就学の理由から知る。
→教育を受けさせないのは虐待。親だけの問題ではない。
★学校には来たけれど
・日本語教育を受けられない「無支援状態」の子ども1万400人。→日本語がわからず、支援もない。
・自力で学ぶ限界。
→現場の見て見ぬふり。…と、現場の戸惑い。対応する力を育てる。
→自治体の裁量次第の現状。
→日常会話が出来ても、実際は学習に困っている、見えない子ども。
・通訳は言語サービスであり、日本語教育ではない。学習言語。
・日本語が話せないことが理由の就学拒否。
・ボランティア頼みで継続的な指導が出来ない。
・外国人の就学義務が無い国…日本、中国、韓国
・外国人の就学義務がある国…ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ
★「発達障害」
・日本語が理解出来なく発達障害とみなされる、反対に外国人だからと発達障害を見逃される。
→親が特別支援学級の意味:発達や障害に応じた支援。日本語が理解出来ないという問題に対応した学級ではない。
→発達障害を持つ児童は医師からの専門的な説明や学校への書類を貰えない。
・日本語と母語の間で、数字などの抽象的な概念を身に付けにくい。
・障害が無い子の日本語教育を特別支援学級で行うことは不適切。
・学校現場の人不足。
・特別支援学級への在籍はベストではないがベターな選択。
…マンツーマンの対応。
…ただし、教師の力量、学校のバックアップにかかっている。
…特別支援学級への偏見が現場にあると丸投げになる。
・日本語教育を特別支援学級に丸投げ。
・ブラジル大使館の危機感
・ドイツの実例:30年前
…トルコ系移民
…インクルーシブ教育の進展 外国籍の子どもが特別支援学級に在籍する比率が下がった。
…就学前に言語の支援を始めないと、学歴全体を通して支援が必��になる。
・情報開示が不透明な部分がある。
・子どもに責任を押しつけない。
・母語でも日本語でも読み書きが出来ない「ダブルリミテッド」に陥る子どもがいる。
・外国人の子どもが学校になじむには7年かかる。→日本では1年で支援が打ち切られる。
★ドロップアウト
・社会の中の孤独と情報からの隔絶が、犯罪の下請けとして狙われる
・日系ギャングと呼ばれて
→大人になりラッパーになる。ロールモデルとしての生き方を後輩に見せる。
→後進たちが、働く場所、居場所を作る。
・罪が個人の責任とされ、更生の努力が認められない。…環境が起こす犯罪もある。
・アンダーグラウンドの住人に狙われる。
・弱者が弱者から搾取する
・外国人が住みやすい街は日本人にとっても住みやすい街になるはず
・いじめと差別
・ルーツを大切にしてほしい。出来る世の中に。
・日本人も外国人を理解する必要がある。
・高校中退率、高校入試の壁
★見つかった居場所
・寄りそってくれる誰かがいれば。
・未来を描けた子どもたち
・市教委のサポート:豊橋市
・目の前の子どもを助けたいと行動する人々
・ナディ←『ふるさとってよんでいいですか』
・子どもの権利条約
★現状と課題
・誰一人取り残さないために。
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【琉大OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC04983643
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外国人の子供が増えてきていることには
気づいていたけど、実態を知りたくて
読み始めた。
でも半分くらいでギブアップ。
わかったことは、日本の学校側の
受け入れ態勢は全然統一されておらず
ボランティアに頼っていたりで、
外国人が日本へきて居住地として
選んだ場所で
今後が左右されてしまうと思った。
海外に住んでいたとき、
地元の公立小学校入学前に
語学力検査みたいなのがあって
ひっかかった子供は、語学教室に入学前に
通わせてもらえた。期間は短かったような
気がするけど、少なくともそういうふうに
把握してくれてると安心できた。
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子どもに関わる仕事をしている人には、ぜひ手にとってほしい。きっともう、この問題と無関係ではいられない状況に、今の日本はある。その事に今更ながら気付かされた。
不就学の問題は以前から報道されていたこともあり、背景に「移民」を認めない日本の意固地な政治があることはもう周知の事実だろうと思う。それ以上に、就学はできたがその先の支援がなく、まさに「梯子を外された状態」で生きている子どもたちや親たちがいること、しかもその数の多さにこの問題の深刻さを考えさせられる。日本語習得のための満足な支援もなく、知的障害があるとみなされて普通学級から排除され……これがSDGsの「質の高い教育をみんなに」で最高評価を得ている国の現状。なるほどー、たがら外国籍の子どもの親に就学義務を課さないわけか。「みんな」の数をなるたけ減らして、課題の同質性を高めておくのが最善手、と判断した???『きらめく拍手の音』の感想にも書いたけど、「排除」が「自己肯定感」や「安楽」「無痛化」「最適化」に直結しやすい、最もローコストの選択肢に見えてしまう世界に生きている、っていう実感がますます深まる。
ちなみに、私が住むのはいわゆる「散在地域」なので、まとまった支援の場所さえも見つけられずに、自治体は各学校に丸投げ状態らしい。つまり、生徒と教員の個人的な努力が全て。ドロップアウトしても自己責任で済ませられるし、自治体に責任がなければ調査もないから、数字にも出なくていいことずくめ????
朝日新聞の報道だったか、NHKのニュースだったか忘れたけど、「労働力を輸入するつもりでいたら、人間が来た」とかいう言葉を耳にした。大人たちの想像力と責任能力の欠如のツケを払わされるのは、いつも子どもだ。
あ、そうそう。
再版の際は、ぜひ、総ルビで出すべき。当事者が読めないと意味ないよ。
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日本語教育の支援に繋がれなかった子どもたちの話がメインだから、普段私が関わる子どもたちとは違う世界を生きているみたいで本当にこんな話があるのかと衝撃を受けた。まさに「見えない」存在なんだな。