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紙の本
神保町「ガロ編集室」界隈 (ちくま文庫)
著者 高野慎三 (著)
1960年代末、マンガ、映画、演劇、アート、さまざまな表現分野で変革の波が起きていた。その中心にあった『月刊漫画ガロ』編集部に在籍した著者が綴る熱き記録。『まんだらけZE...
神保町「ガロ編集室」界隈 (ちくま文庫)
神保町「ガロ編集室」界隈
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商品説明
1960年代末、マンガ、映画、演劇、アート、さまざまな表現分野で変革の波が起きていた。その中心にあった『月刊漫画ガロ』編集部に在籍した著者が綴る熱き記録。『まんだらけZENBU』連載をもとにした文庫オリジナル。【「TRC MARC」の商品解説】
1960年代末、白土三平、つげ義春、佐々木マキ、林静一らが活躍した雑誌「ガロ」。活気ある現場や人々の姿を描く貴重な記録。巻末対談・つげ正助【商品解説】
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紙の本
「ガロ」から生まれた漫画がいっぱい
2021/04/15 16:15
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
漫画雑誌「ガロ」は不思議な雑誌だ。
「少年マガジン」や「少年ジャンプ」のように百万部のセールスをしたわけでもないのに、そのブランドは今でも当時のことがこうして文庫本となるくらいだ。
「ガロ」が創刊されたのは昭和39年(1964年)の9月。
今や伝説の編集者といえる長井勝一が白土三平の「カムイ伝」の連載を主たる目的で作られた。そもそも「ガロ」という誌名も白土の作品に登場する忍者に由来するらしい。
この本は1966年に「ガロ」を発行していた青林堂に入社し、「ガロ」の編集に携わって庁舎が、当時の社会情勢や「ガロ」の名前を不動のものにしていく漫画家たちの姿を点景のように綴ったものだ。
「ガロ」の漫画家たち。なんといっても、白土三平。そして水木しげる。
そして、つげ義春、池上遼一(この二人は水木のアシスタントもしていた)、佐々木マキ、滝田ゆう、林静一と、名前を連ねるだけで、「ガロ」だと感じさせる。
そのことを著者の高野慎三は本書でこう書いている。
「『ガロ』の周辺は、“世間の目を気にしない”ということにつきる。ありていに言えば、余計なプライドが働かなかったのだとも言える」。
その典型が、つげ義春だったのではないだろうか。
「漫画の神様」手塚治虫は「ガロ」から遅れること2年半、「COM」を創刊するが、もちろんそれは白土の「カムイ伝」を意識した上だろう。