紙の本
シリーズ作品
2023/04/16 17:31
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投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作を未読なのですが、楽しめました!
これからシリーズ作読んでいきたいです。
私にはかなり複雑で、難しく感じ、終盤は驚きっぱなし。
要所に散りばめられていた「違和感」がピタッとはまっていく瞬間はやっぱり最高ですね…。
紙の本
ド派手な活劇、ド派手(そしてあまりに邪悪)なトリック
2021/12/31 21:40
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
マリア&蓮シリーズの第三長編。
爆破テロに巻き込まれたマリアと、外から彼女を救出すべく奔走する蓮。同じビルの最上階を訪れた客たちを襲う連続殺人。異なる二種類のサスペンスが同時進行する前半はページを繰る手が止められません。
そして、殺人事件の謎解きとなる後半もまた、読みどころ多し。大胆不敵なトリックは、二重の意味でゾッとさせられます。また、メイントリックに関わる部分を中心に、細心の注意を払った描写の巧みさにも、ミステリ読みとしてとても感心させられました。
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必ず騙される!
2021/08/23 20:44
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投稿者:読書猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「ジャリーフィッシュは凍らない」に連なるマリア、蓮コンビのシリーズ第3弾となるミステリー本である。
著者の市川優人さんは「ジェリーフィッシュは凍らない」で第26回鮎川哲也受賞しデビューしている。
デビュー作の連作ものとなるとやっぱりデビュー作が一番面白いということが多いが、市川優人さんのマリア、蓮シリーズは作品を経るごとに面白さが倍増しており、本作は前作2つを超える面白さといっていい。
前作2つを読んでいなくても楽しめるのだが、本作では前作でのつながりが顔を出すため、1、2を読んでから本作を読んだ方がより楽しめる。
今回も犯人やトリックを推理しながら読んだが、まんまとやられてしまった。
しかし最後に一瞬で全てがつながるあの瞬間はなんとも心地よい。これだからミステリーはやめられない。
ミステリー好きにおすすめしたい作品。
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ミステリの醍醐味が味わえる
2021/07/29 21:33
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公マリアが巻き込まれたタワーの爆破事件と、大富豪ヒューの邸宅で起きた連続殺人事件の二つが並行して進むが、真相と伏線の張り方が秀逸。
真相に驚愕し、伏線に感嘆する、まさにミステリの醍醐味が味わえる作品。
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この作品でようやくマリアと漣の二人が好きになった。なんでだろう。
肝のトリックは正直理論上ではできるのか?という少々ファンタジーな肩透かしものだったけど、それまでの推理が面白い。
前作がうーんだった分、一気に評価が上がった。
しかしまあまったくもって救いのない話に愕然とする。
どう転んでも地獄。いつから歯車は狂ってしまったのか。
犯人を目の前で失ってしまった二人って、始末書じゃすまないんじゃないの?と思ったりして。
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マリア&漣シリーズ第三弾。今回も切ない終わり方だったなぁ…。グラスバードについては予想通りだったものの事件自体がどう転がったのかはわからず。それに犯人と凶器が消えた理由も、後から思えば伏線はあったのがわかったのに読んでいる最中には気付けず。それにしてもマリアも漣もいいキャラしてて二人のやり取りが悲惨な事件の中の一服の清涼剤だわ。ニッセン少佐も気になるし次回作の「ボーンヤードは語らない」が楽しみ。
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マリア&漣シリーズの第三弾。
爆弾テロ事件とクローズドサークルの2つが平行して起きる複雑な謎に迫る内容である。犯人に関してはなんとなく「この人かな」という予想があり、それは当たっていたわけだが、その後の真実には気づくことが難しかった。そして『グラスバード』の正体は意外だった上に、それによって起きる醜くも悲しい争いにはとても哀れだという感情を抱いた。
そしてラストシーンがタイトルそのものを示しているのでまだ読んでいない人は、この感想を出来るだけ読まないようにする事をおすすめします。
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読んでいてどこか気になるところはあったのですが、ラストには完全にやられました。マリア&漣はもちろん、これまでのシリーズに登場したキャラクターや要素も満載で読んでいて楽しかったです。市川さんの作品はミステリーと科学の両立だけでなく、心理描写と物語の構成が本当に素敵。
次回作も楽しみです。
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〈ここが好き〉
・犯人当ては難しくない
・光学迷彩布を「ブランケット」
・小説の土台(設定、背景)が緻密
〈ここが気になる〉
・シリーズ物で過去作に登場していたキャラクターや創造物もあるので出来ればシリーズ通して読んだ方が面白い
・硝子鳥がいつ人間だと気付くかでこの作品の評価が変わりそう
・読者へのヒントが散りばめ過ぎられている
・理系過ぎる
1980年代だとDNA型鑑定やステルス機はまだまだ目新しい技術だったんですね。
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マリア&漣シリーズの3作目。
マリアと漣は、希少動植物の違法密売に関する捜査の一環で、不動産王ヒューのオフィスと自宅がある超高層ビルを訪れたところ、折悪しく起こった爆破テロに巻き込まれてしまいます。
いつもながら猪突猛進型の行動力のおかげで、ヒューの自宅の最上階近くまで昇ってしまっていたマリアは火災に巻き込まれて絶体絶命の危機に。
かたや、ガラスによって迷宮のように区切られた窓のない謎の密室の中では、ヒューの会社の関係者たちが一人また一人と殺されていき…
二つの緊迫したシチュエーションのエピソードが同時進行することで、3作の中での緊迫度はピカイチでした。
特にマリアの危機は、往年の名画「タワーリング・インフェルノ」を想起させられたほどです。
ただ、気嚢式浮遊艇ジェリーフィッシュが空に浮かび、ブルー・ローズが作られ、本作にも様々な先端科学技術が登場するのに、携帯電話なりスマホがないという物語設定はどうなの!?
うーん、進んでるのか進んでないのかU国。
そんなこともハラハラに拍車をかけてます(笑)
タイトルにあるグラスバード(硝子鳥)にまつわる謎も蠱惑的かつ魅力的、そして悲劇的です。
そしてこのシリーズ、毎作、犯人の動機に胸が痛み、叙情的なラストシーンが鮮烈な印象を残すのですが、本作はこれまでで最も美しく悲しいラストシーンだったと断言します。
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再読(2022.01.23)
マリア&漣シリーズ第三弾
まさかプロローグとエピローグがそんな繋がり方をするとは…!!
今回もまた見事に引っ掛かりました┏○))
最後の二転三転のどんでん返しの部分は一気に読み切ってしまう程飲み込まれた。
一気に読み進めて、途中そう言う事だったのか!と戻って読み返して…って感じに市川さんの罠の答え合わせをしつつとても楽しく読み終わりました♪
メイドの動機と言うか復讐の意味が少し軽いかなぁ…と思ったのはキャラ的に冷徹・冷静キャラだったからなのかな?
もう少し怒りとかの負の感情を殺害時の状況に込めるだけじゃなくて書いていて欲しかったな。
まぁそうすると多分途轍もなく長くなっちゃうんだろうけど(笑)
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――
幕引きの美しきよ
前作『ブルーローズ』で形式美という話をしたけれど、その形式美にテーマとモチーフの美しさが相俟って、いよいよ極まったな、というのが正直な感想。いよっ! 市川屋! である。
惜しむらくは構造上、どうしても序盤の段階で「硝子鳥」=鳥ではない、という点を読者に認識させてしまうということ。傍点だったり繰り返される表現だったりでそれは明らかで、では鳥ではないなら何か、というところから思考を始められる点が、まぁ何が問題かって云うと探偵役よりもこっちが有利、という一点に尽きるから欠陥ってわけではないんだけど。なんとなくほら試合中に、いまってもしかして敢えてプレー中断するところか? みたいな微妙な空気になるときあるじゃん。あの感じ。
にしても遂に本格ミステリに光学迷彩が導入されましたがどうしましょう。
このテーマ、このモチーフの中でのみ使うことを許されている切り札みたいな。技術の着想そのものはジェリーフィッシュの頃から匂わされているので壮大な伏線のようにも見える。そう考えるとエピローグで姿を消すグラスバードも、第一作のエピローグと重なるようで…
次作にも期待です。☆3.8
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目覚めてみると、そこは窓はなく、灰色の壁がある小さな部屋だった。調べてみると同様な部屋が多くあり、まるで迷宮のようだった。脱出しようにも鍵がかけられていて、抜け出すことができない。そして、第一の殺人が。
時を同じくして、警察は希少な動植物を密売しているという情報を聞き、その顧客とされている不動産王のところへ。そこで爆発が起きる。
「マリア&漣」シリーズの第3弾ですが、テイストとしては第1弾の「ジェリーフィッシュは凍らない」に似た恐怖感でした。一人、また一人と殺人事件が発生し、閉ざされた空間の中で、誰が犯人なのか、読んでいてハラハラしました。
さらに凶器が消えたり、犯人も消えたりと最後まで真相がわからなくなっていて、面白かったです。
内容の構成としては、「グラスバード」というパートと「タワー」というパートの2つが交互に進行していきます。
「グラスバード」では、不動産王ヒューの関係者らが、謎の迷宮に監禁された中で、次々と殺人事件が発生します。特殊なガラスや屈折率といった高度な技術を使って、犯罪を犯していて、難易度Maxでしたが、色々楽しめました。
1984年という日本では昭和の時代にこれだけの技術を発揮していることは、ちょっと疑問に感じ、突飛している印象でしたが、難解なパズルを解いているようで面白かったです。
「タワー」では、マリア&漣が活躍します。爆発されたタワーの中で、どう救っていくのか、マリア自身も助かるのか、ハラハラして読んでいました。
どちらの章も年月日が表示されていて、同時進行だということを提示しています。何かあるとは思っていましたが、後半からの真相が、次から次へと驚きの事実だったので、頭の中はパンク状態でした。一つ一つ整理しないといけないくらい多くの驚きがあったので、衝撃度は凄かったです。
ただ、現実味はあるか?と言ったら、ちょっと疑問かなと思いました。消えた凶器や消えた犯人、「グラスバード」の正体といった近未来的な要素などが、現実的にありえるのかな?と思ってしまいました。
でも発想としては面白かったです。前作や前々作を読んでからの方がおすすめです。ちょいちょい小ネタが出てくるので、より楽しめるかと思います。
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例によって二部構成。マリア&漣以外のパートは、少しちゃちだが硝子のクローズドサークル。アンフェアとかそういうことを言いたいわけではないが、謎解きに挑むより、作者の仕掛けに素直に振り回されたほうが楽しい気がする。
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過去の U 国を舞台にした SF 的世界観はそのまま、前2作以上に手の込んだ密室ミステリ。2つのパートが交互に描かれるパターンは変わらないが、これまでと違って刑事パートもスリリングな展開で息つく暇もない。謎の畳み掛けはシリーズ随一。だが、広げまくった風呂敷を回収し切れてない印象は残った。