紙の本
切ない初恋
2021/03/29 02:47
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本での生活に馴染めないバンコクからの帰国子女のJKが、初めて感じた強い恋慕をキッカケに新たな感情に芽生え成長していく青春長編。初恋の痛い浮遊感、世界に自分達しかいないと感じるくらいの盲目さ、好きになってはいけない相手とわかっても離れられないエゴ、誰もが一度は感じた事があるであろう焦がれる想いがいっぱい詰まって共感しかなかった
紙の本
切なさとほろ苦さと瑞々しさ
2021/03/20 20:19
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
バンコクから日本に帰国した女子高生の恋。青春の切なさ、ほろ苦さ、瑞々しさ、理不尽さなどあらゆる感情が胸に突き刺さるような思いがしました。
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投稿者:はち - この投稿者のレビュー一覧を見る
姉が怖い・・・途中ホラーかなと思う。主人公の優しさに救われる本。読んでいてしんどくなるところもありました。
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Boy meets girl
のちょっと問題あり、だけどキュンもの~という緩い気持ちで読み始まったけどかなりハードなDV問題を孕んだ青春小説。
タイからの帰国子女でもある高校生レンの家族、それぞれの抱えてる過去や苦しみもだけれど、出会ってしまった男の子との感情のぶつかり合い。
ヤングアダルト向けの小説と言ってしまえればシンプル過ぎる。DV問題は上っ面しか知らないけれどその抱える闇は男女共に深いということが怖ろしい。
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他の場所で幸せになる事を願うくらいなら一緒に不幸になりたいと思えるほど人を好きになった事があるか?
読んでいてすっごいドキドキした。
台湾帰りの主人公漣が一目惚れしたのは、離婚した姉の夫の弟と言うなかなかヘビー設定。
そこからなぜ姉が離婚したのかと言う所も絡んできて胸が絞られるように苦しかった。
最初読むと主人公の漣が本当に空気の読めない子だなぁ…とイライラするのだけれども、人を好きになって色んな世界が見えてきて、徐々に成長していく。
まさに好きな人が出来ると人は変わる。
一木さんの書く人を好きになる気持ちや過程、好きな時の気持ち等は本当に心にグッとくる。
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一木けいさんの作品は、少しだけ自分の好みと合わないことも多くて、でもいつも気になるから読むんだけど、これはすごくハマった。
今まで読んだ一木作品のなかで、いちばんの熱量と葛藤を感じました(勝手に
すごいなぁ。まずヒロインを女子高生にしたのがいいとおもう。
まだ発展途上中の子どもにしたから、この問題がすごく映える。
たったひとつの番をこの年で見つけてしまって、しかも相手は好きになってはいけない人で、彼も家族も大事にしたくてでもできなくて、友達を大切にしたいのに傷つけて、こういうのを10代で経験するのはしんどいかもしれないけれど、でもその分レンは誰よりも強くて優しくていい女になるんだろうな。
この問題はたった一人の女子高生で抱えられるものではなくて、シェアすることも難かしくて、でもレンは少しずつ成長して、きっといつか彼とまた向き合えるようになるんだろうな。
ラストシーンもすき。
黒曜石みたいな恋を、彼女が刃物ではなく宝物にできますようにと、祈ります。
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高校1年生の漣は8年間タイのバンコクで暮らした。
未だ日本の生活に馴染むことができない。
電車の中で痴漢に遭いバンコクへの思慕を募らせる。
憂鬱な日々を救ってくれたのは高校の渡り廊下ですれ違った先輩・朋温(ともはる)。一瞬で好きになった。
P292〈二人を応援することはできない〉母の言葉だ。
許されない恋だとしても漣がかわいそうで辛かった。
漣の両親の気持ちが少し伝わりにくかったかな。
特に父親。彼が抱えている闇(あるとしたら)は何だろう。
朋温の家族はいまどうしているの?
それも気になる。
私は健気な漣を精いっぱい応援したいと思った。
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あぁ、この作家さん好き、と実感した一冊。
いつか手元に置きたいと思う本。
人間関係、家族関係の重さと若くせつない恋愛。
苦しくて胸がしめつけられたり、キュンと胸がしめつけられたり、途中で本を閉じるのがむずかしいくらい惹き込まれる。この作家さん上手だなー!
また2回目に読んだとき、どう感じるかな。
そして、主人公と同年代のときに読んでいたらどう感じたかなわたし、と思ったり。
(年齢のせいでしょうか、最近よく思ってしまう、若いときに読んでいたらどう感じたか。。)
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主人公の女子高生はお姉さんの旦那さんだった弟さんと恋愛関係になっていく。まだ若い主人公はこの恋愛を成就できるのだろうか、、、。お姉さんと離婚した旦那さんとの問題、家族の考え方など様々な事情があり、純粋に主人公と先輩が恋愛出来ないもどかしさが息苦しい。主人公の恋愛に重視をせず、家族問題や未成年だからこその歯がゆさなど、痛い部分を考えさせられた一冊。
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強く成長した主人公ですが、ハッピーエンドなのかどうか。家族、人間関係の難しさと素晴らしさを同時に感じられる物語。タイの素晴らしさだけは、文句なく感じられた。
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一木さんってどんな人生送ってきたんだろと思うほど、こう、胸が苦しくなる作品が多い。
この作品、バンコクに住んでらっしゃるからこそな情景で、わたしも2度長期滞在したことがあるので馴染み深くてそれも相まって評価高くなってるかも。マンゴスチン食べたいなぁ。
それにしても。
そう、それにしても、主人公が真っ直ぐすぎて、朋温も、いい子すぎるよ。
わたしだったら。わたしだったらと何回も思う場面がたくさんあった。わたしだったら姉が大嫌いになってしまう。父も。もっと卑屈になって壊れてしまう思う。濁ったものがなくて、綺麗で、真っ直ぐで。
きっと、お姉さんの言い方とかもすごかったんだろうなと思ってしまった。まどか(姉)と修一は相性が良くも悪くもで、共依存で、滅び合う星で、うまく回るはずのものもまわらなかったんだな、と。
ただ。なんというか設定に無理がありすぎる気がした。高校生でタイに一人で行くかな、行ったとして会えるなんてリアリティに欠けるよね、それこそよくある恋愛ドラマとか漫画とか。あんまり小説にそういうの求めてないからなーとか。
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高校1年生の蓮が恋した先輩は、DVの被害を受けて離婚した姉の元夫の弟だった。
初恋の瑞々しさ、タイの活気、DVの不穏さ、未来への希望、たくさんのものが詰まった彩り豊かな小説。
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タイ・バンコクからの帰国子女、蓮とその家族、友達、初恋の人との物語。
著者のいままでの作品同様、この物語のテーマは読んだ人によって違うと思った。
青春、家族、恋愛、友情、DV…
或いは全てがテーマなのかもしれないし、実際わたしには決められなかった。
けれど一つ言えるのは、家族からの愛情や、家庭の貧富の差があるにしろないにしろ、家族のために自分を犠牲にしなければいけない『子供』という立場はよくないということ。
それなのに『薄っぺらい』自分に向き合う主人公は健気で輝かしかった。
周りからどう見られていても、きっと皆んな悩んだり葛藤したりしていて、どう向き合えるか…
その違いで自分の人生を自ら変えていくことに無意識なティーンネイジャーたち。
始終明るいイメージの印丸くんはそうじゃない対照的に描かれた存在だったけれど、だからこそ人懐こく無垢な印象で純粋に無邪気で可愛い男の子だったのかな。
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つらいなぁ。初めて好きになった人が、好きになってはいけない人だったって。
まぁ、考えたらそういうことはままある。初恋の相手が既婚の先生、ってのもよくある話だしね。
でも、そういうありきたりの「好きになってはいけない相手」ではない、この無情さよ。
それでも恋に堕ちてしまうんだよ、人と人は。
ダメだとわかっていても。好きになることでだれかを、家族を苦しめるとわかっていたとしても。
「好きだ」「一緒にいたい」という気持ちはそう簡単に消せるものじゃない。相手も自分のことを好きであったらなおさら。
しかも、その「ダメ」な理由が自分には関係のない、家族の問題だったとしたら、頭ではわかっていても心は納得できないだろう。
高校一年生。まだまだ子どもだ。家族の庇護のもと生きている人生だ。自分の足で歩くことも、自分の力で生活していくこともできない年齢だ。そういう中での、許されない恋。
この主人公が恋に堕ちていく、そして恋の真っただ中にいる日々の描写のキラキラとしたみずみずしさよ。自分が恋に恋しながら本当に恋をしていった十代の頃を思い出す。
キュンキュンしながら、別の痛みが胸の中でうずく。このままじゃすまない、悪いことが起こるに違いない…
主人公がタイからの帰国子女というのも二人の世界に奥行きを生んでいる。日本とは違う場所で育ったこと、日本とは違う考えの中で育ったこと、その日本との違いを知らずに育った姉との分かり合えなさ。
漣が必死に探し求めるもの。失ってしまった大切な家族との関係、信頼や愛情、そしてただただ愛しく思う相手との未来。
一木けいはこの物語を単純な「初恋物語」では終わらせない。一面的な痛みや苦しみをいくつも重ねてざっくりと切り刻む。
オトナになりかけの年齢で直面する今まで見えなかった大人の世界。ケアされ守られているだけの自分からの一歩。見えるものだけが真実じゃない。見えないものを見るために必要な傷。
交差点の前で立ち止まる。大丈夫、もう一人でも渡れる。空を見上げ、力強く一歩を踏み出す。
その背中を私も見送ろう。物語の外から。
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つらい。
大切な人に対して秘密を持つことって
本当につらい。
主人公ほどの話ではないけど
読んでたら昔のことを思い出した。
やってしまったこと
やらなくて後悔したこと
色々あるけど
曜子の前向きなことばがよかった。
漣はすごく立派だし
そんな漣だから周りに恵まれたのかな。