紙の本
次々に発見される寿命遺伝子たちによって今明かされる長寿メカニズムに迫った興味深い一冊です!
2021/05/05 12:10
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、脳科学及び神経老年学を専門に研究されており、『新老年学』、『現代人の心の支援シリーズ・成人・老年期』などの著作を発表されている森望氏の作品です。同書では、1988年、米国・カリフォルニア大学のとある研究室で、体長1ミリの「線虫」の寿命が、たった一つの遺伝子の変異によって大幅に延びたことが紹介されます。世界初の寿命遺伝子「エイジ1」発見の瞬間だったというのです。人類の究極の夢である「不老長寿」は、遺伝子によってかなえられるのかということをテーマに、世界の研究機関で「遺伝子ハンター」たちによる熾烈な遺伝子獲得競争が始まります。次々に見つかる寿命遺伝子たちによって明かされる「長寿のメカニズム」と、そこから見えてくる「老化」と「寿命」の驚くべき本質に迫った一冊です!
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やっぱり「遺伝3割、環境7割」なのか
2021/11/19 11:07
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
寿命に影響する遺伝子研究の近年の進捗状況を、発見にまつわる研究者の活動を通して描いていく。具体的な遺伝子名称を章のタイトルに並べて揚げてあるものは10あまりだが、様々な遺伝子が登場する。
モデル動物でわかったこと、ヒトの脳での研究など、さまざまな事例から著者が導き出したことはなにか。「ゾウの時間、ネズミの時間」(本川達雄著)なども引用し、寿命と代謝の関係などが考察されていて興味深かった。遺伝子は寿命に関係するけれども、それは遺伝子の発現の仕方の結果でしかない、というのは確かにそうだろうと思わせる。どんなに遺伝子が分かっても、やっぱり「遺伝3割、環境7割」という、「遺伝か環境か」で良く言われることに行きついてしまうのかもしれない。
「どうすれば長生きできるか」は古くから人類が考えてきたことだ。ただ、どんなに寿命が延びても、不健康で苦しい生き方が長く続くことを望んでいるわけではない。長寿の人が増えても、不安や生活苦なしに穏やかに過ごしていけるにはどうすればよいのか、は遺伝子や科学の問題ではない部分も多いだろう。こういうことも忘れるわけにはいかない。
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難解でした
2021/06/21 11:20
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに惹かれて買いました。
ですが、難解でした。理解できる部分とできない部分がそれぞれありました。個人的には6回登場したコラムが面白かったです。
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学生のころか、卒業してからか、アポトーシスの話に感動したものだ。それから、テロメア。だれかの講演会で聞いたと思う。そういうものがあって細胞分裂の回数には限界があるのだと知った。そして、寿命遺伝子。そういものがいくつも見つかってきた。平均寿命はある程度環境も影響するが、最長寿命というのはこの遺伝子で決まっているという。ほぼ120歳。そこまで生きたいとは思わないが、100歳近くまで行けるならあと40数年。いろいろできることはある。両親はともに90歳前に亡くなった。平均寿命はまだ伸びると言われているが、それはどうなんだろう。食物にしても、精神的なストレスにしても、かえって悪化していのではないかとも思える。本書に笑える話があった。健康長寿のために抗酸化作用のある赤ワインがいい。しかし、その働きが現れるには、グラスワイン3万杯ほど必要だとか。それでは別の病気になってしまう。悲しいエピソードもあった。1990年代、アメリカ在住の日本人科学者がその娘と一緒にプロの殺し屋に殺されたとのこと。そんな事件があったなんて全く記憶になかった。何があったのか。自然災害とか交通事故とか、そんなことでも人の一生は終わってしまう。できれば、自然に迎えにくるまで生きていたいものだ。それから、研究の対象として、酵母、線虫、ショウジョウバエ、そしてマウスなどが使われているという。それらの中で、寿命にかかわっているのは、同じ遺伝子なのだという。我々が、単細胞の原核生物から真核生物へ、そして多細胞生物へと連綿とつながっているのだということがよく分かる事実だ。
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ひー難しい( ̄▽ ̄;)
この手の本、結構読んだつもりでいたけど、遺伝子や酵素の名前が長くて覚えにくいから…ってんで、いつも呼び飛ばしてたツケが回ってきた感じ。ま、でも「老化」と「寿命」はまったく別物であることを改めて認識した。さらに「寿命」も分裂回数の限界にフォーカスするのと分裂スピードを調整する方向からアプローチするのとでは、全然違う評価に繋がることも。ともあれ素人的にはブラックボックスでも、ちゃんとしたものだけ食べてきちんと寝て適度な運動すれば良いだけよね。目指せセンテナリアン!
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興味のあるテーマで、久しぶりにブルーバックスを買った。昔から、時たまブルーバックスの本を買って読むのだが、素人向けに書かれているはずだが、あまり理解出来ないものが多かった。本書についても、いきなり馴染みのない用語が説明なしで出てきたりする。何とか最後まで読み切ったが、すっきりしない気分だ。
科学の分野に興味がある人は多く、素人でも分かりやすいということを徹底すれば、もっと売れると思う。
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率直な感想としては、内容がとても専門的で難しかったです。ただ、理系の方や多少の知識がある方にとっては、章立てもされていて語り口も分かりやすいのではないかなと思います。
平均寿命は延びても生物としての人間の寿命は120歳で変わらないだろうという分析は納得のいくものだと思います。今後は遺伝子の研究が進んで、健康寿命が伸びるには何が要されるのかが解明されればありがたいなと思いました。
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寿命は遺伝だけで決定されるものではない。いろんな原因が重なって決定される。ただ長く生きればいいというものではない。その質を考えるべき。
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【はじめに】
本書は、寿命を制御する遺伝子「寿命遺伝子」の老化のプロセスの中での役割や意義について最近の研究成果を踏まえて解説するものである。これらの遺伝子を制御することで、老化を制御することも将来的には不可能ではないと目されているのである。この分野の研究の進歩は、老化防止というその強いニーズと分子生物学という領域での急速な進化によって、近年大きく進んでいることがわかる。
著者はUSCのアンドラス老年学研究所で1990年初めて自分の研究所をスタートした。帰国後、国立長寿医療研究センターの分子遺伝学研究部を主幹。分子レベルで老化制御や寿命研究を進める場所で、後に老化制御研究部に改名した。
【概要】
主に酵母、線虫(Cエレガンス)、ショウジョウバエ、マウス、などの実験動物の遺伝子をノックアウトするなどをして統計的なを比較する実験を通して分かってきた複数の「寿命遺伝子」について、その研究動向と最新の知見から分かった遺伝子の働きを紹介している。
著者は12種類の遺伝子を紹介した、と繰り返し書いているのだが、本書のどこを探してもどれをもって12種類としたのかは書かれていない。章立ての12章でそれぞれ紹介したもの(おそらく章のタイトルに重ねているもの)を指しているのだと思われるが、各章で複数の遺伝子が紹介されているし、ヒトの遺伝子であったり、酵母の遺伝子であったりとして、これをもって「12」というのはカウントの方法としてとても苦しいように思う。そこに拘っても仕方がないようにも思うのだが、わかりやすい説明の心がけという観点で全体を通して行き届いていないのではないかという印象を受けていたため、この点も気になった。
いずれにせよ、紹介された遺伝子を頭の整理も含めて以下自分なりに簡単にまとめていくこととする。でも、おそらく多くの人には何だかわからないと思うので、読み飛ばしてもらっても構わないけれども。
① ダフ2
・インスリン様成長因子の受容体であるIGF1受容体をコードする遺伝子。細胞や組織の「成長」を促すこのインスリン系経路の活動を抑制することが長寿化につながる。
・IGF1受容体を脳特異的にノックアウトしたマウスは長生きした。
② エイジ1
・IGF1受容体からのリン酸化によるシグナル伝達の経路に位置するPI3Kという酵素のサブユニットを産出する遺伝子。ダフ2と同様にインスリン系の経路活動を抑えることで長寿化する。
③ ダフ16
・インシュリン経路の最後の方で働く転写因子FOXO1を作る遺伝子。他のインスリン経路で働く遺伝子と同様に抑制することで長寿化する。
④-1 ウェルナー
・ウェルナー症候群の原因遺伝子で、遺伝子の発現や修復に関わるDNAヘリケースをコードする遺伝子。
・ウェルナー病は、日本とイタリアのサルデーニャ島に特異的に見られるとのこと。
④-2 ラミンA
・早老病として知られるプロジェリアの原因遺伝子で、プロジェリンと呼ばれるタンパク質が生成され、核膜の機能を低下させる。
⑤ IGF1受容体遺伝子 (igf1r)
・インスリン経路の最初の抑制することで、長寿化に働く。
・IGF1受容体遺伝子欠損ヘテロマウスは小ぶりだが、酸化ストレスに強い個体が生まれた。
⑥ レスト
・多くの遺伝子の発現に影響するマスターレギュレーターで脱アセチル化を通して制御する。レスト遺伝子は2000個くらいの遺伝子の発現を制御している。これはゲノム全体の6~7%に当たる。その3/4が神経の初期発生で使われる遺伝子だが、1/4は発生期と老年期に働く。
・大脳新皮質における遺伝子の発現マップが、およぼ70歳を境にして大きく様子が大きく変わる。若いころには抑制的であった遺伝子が70歳になると促進的になり、逆に若いころには促進的であった遺伝子が抑制的になる。この制御をレストが司っていると言われている。
・レストには神経保護作用があり、シナプスの退縮、スパインの減少による神経可塑性の低下や応答性の減少という老化した脳のニューロン細胞ではその発現が多くなる。海馬のニューロン密度もレストがないと低下していた。マウスの実験でも、レストがないと細胞死が多くなる。
・アルツハイマー患者の脳では、レスト遺伝子の発現が抑制されているという。また、一方百歳以上の長寿者の脳内では発現が多いと言われている。
⑦ クロック1
・CoQ(コエンザイムQ)と呼ばれる補酵素を合成する酵素をコードしている。ミトコンドリアのATP産生ルートにかかわり、この活動を弱めると酸化ストレスの耐性が増して長生きになる。
・クロック2 と呼ばれる類似遺伝子は、細胞分裂の回数(約60回程度: ヘイフリック限界)を制限するテロメアの長さを調節し、細胞分裂の際にDNA損傷に問題がないかチェックする段階で機能する。
・クロックは、その名前の通り生体内で一日の時間を測る遺伝子のひとつであり、ミトコンドリア内活性化抑制も含めて活動をゆっくりすることで長寿化につながる。
⑧ シック
・p52 Shc、p66 Shc、p46 Shcといった複数のタンパク質が産生される。リン酸化のシグナルアダプターで、酸化ストレスに強くなるという。実験では、p66だけがノックアウトされても胎生致死ではなく、長寿化した。
・ ヒトやマウスには、シックA、シックB、シックC、シックDという類型遺伝子がある。
⑨ メトセラ
・この遺伝子が変異したショウジョウバエが長寿化することがまず発見された。細胞膜上の何らかの受容体に作用するものであり、その受容体をメトセラ受容体と名付けた。
・メトセラ受容体には、内在性のアンタゴニスト(阻害剤)であるR8-12ペプチドとスタントと呼ばれるアゴニスト(促進剤)があり、これらをそれぞれ増やす/減らすことでも長寿化する可能性がある。
⑩ サー2
・遺伝子発現やテロメアの制御を抑制するサイレントインフォメーションレギュレータ(SIR)と呼ぶ遺伝子群が寿命に密接に関連していることがわかった。具体的にはまず、リボソームをつくるDNAの組み換えを抑制する因子としてはたらくタンパク質を産出するサー2遺伝子を欠損させた酵母で大きく寿命が減少した。
・サーチュイン遺伝子は遺伝子DNAをとりまくヒストン修飾に影響する。SIR2はヒストンのリジンのアセチル化を取り去る酵素であり、補酵素であるNADの量に活性化度が依存している。
・ヒトやマウスなどの哺乳類でもサー2に類似したNAD依存性のあるヒストン脱アセチル化酵素を産��するサーチュイン遺伝子があり、サーティ1からサーティ7まで7種類ある。サーティ1とサーティ6 の過剰発現によって明確な長寿化が見られるという。核内のゲノム情報情報の維持に効果があり、哺乳動物の健康寿命増加につながるとされている。
・カロリー制限によってサーチュイン遺伝子の発現が高まることも明らかにされてきているため、カロリー制限による寿命延長効果を説明するものと考えられている。
・ワインに多く含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトールがサーチュインの活性化に効果があることも示されており、ワインは健康によいという伝説の根拠にもなっている。
・サーチュイン遺伝子はデビッド・シンクレアの『LIFE SPAN』でも中心的に取り上げられたものである。NAD依存性から、NADを生成するNMNがサプリメントとして注目されている根拠にもなっている。
⑪ トール
・タンパク質mTORを産出する遺伝子。ラパマイシンは、mTORを阻害する働きがあり、免疫細胞であるT細胞やB細胞の活性化が抑えられるため、免疫抑制剤として利用されるようになった。TORという名前はTarget of Rapamycinの略であり、そもそもラパマイシンがあって、TORが同定された。
・mTORを含むmTORC1複合体・mTORC2が細胞の増殖制御と代謝制御の中心に位置する。mTORC1の活性化の結果としてリボソーム生合性やmRNA翻訳を抑えることでタンパク質の合成を抑えることで長寿化する。
・IGF1受容体からのインスリン経路もmTORC1の細胞増殖にもつながっていた。トール系はラグ、インスリン系はリーブという情報伝達分子を使っているが、最終的には同様の経路で細胞増殖に影響することが分かった。
・現在、長寿薬やがん治療の観点からもmTORC1だけに作用する物質「ラパログ」の発見を各研究機関がしのぎを削っている。
⑫ ampk
・リン酸化酵素であるアンプキナーゼ (AMPK)を産出する遺伝子。mTORCやフォクソを活性化することで長寿化する。
・運動することでアンプキナーゼは活性化することから、運動が健康長寿によいことの説明にもなる。
【所感】
本書では、寿命に関わる遺伝子のはたらきを比較的詳しく見てきた。著者は、その働きも仕組みもはっきりしてきた、と言う。その仕組みを制御することで、老化を抑制することが可能になる日は近づいている。
ここで「老化」は全て細胞の老化に由来し、またそれはヒトだけでなく多くの生物に共有されたメカニズムであることも確認された。「老化」が自然淘汰の結果として生まれたものではないこともまた明らかで、より多くの子孫を残し、種としての多様化を確保するための機構が細胞の老化につながったのだと。そうだとすると、その結果としての働きは消滅させることはできなくとも、控えめに言って抑制することは論理的にも可能なように思う。
日本の少子高齢化社会の中で、老化を科学的に理解して、対応に挑戦することは非常に意義のあることだ。本書で紹介されたように日本人も含めて多くの研究者がこの課題に取り組んでいることは、希望を持たせる。自分の生活の中でも最近はレベストロールやNMNを摂取するようになり、カロリーも抑制するようになった。いずれ、より効率的で効果的な手段が、多くが想定するよりも早く生まれてくるのではないかと���う。
なお、本書はブルーバックスから出版された新書だが、デビッド・シンクレアの大著かつベストセラー『LIFE SPAN』より、よほど専門的で、網羅的である。もちろん、『LIFE SPAN』の方が分かりやすく、面白く、頭に残るのだが、そうであるがゆえにこの本を出版することができるブルーバックスは恐るべきである。それにしても、もう少し整理して説明することは可能だとは思うが...。
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『LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界』(デビッド・シンクレア)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492046747
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寿命遺伝子、そんなものがあるのだろうか?
そんな疑念のもと、本書を読み始めた。
化学が苦手な人には挫折間違いない構成であるが、延々と続く解説や続々と登場する遺伝子名称に辟易することなく、遺伝子探索のドラマと見れば、醍醐味が感じられる。DNAの末端には、'テロメア'と呼ばれる部分があるが、細胞分裂のたびに、その長さが短縮されていき、遂には分裂が止まる。これが細胞の老化。体の各所でこの変化が起きているという事実。ヒトゲノムの解読の結果、人間の遺伝子数は3万個程度あることがわかったが、線虫やショウジョウバエでも2万数千個あり、大差がないという驚くべき事実。知性の仕組みの謎は深まる。
このことより、実験のし易さから、これらのモデル生物を使って進めた結果、わずか12種の遺伝子が寿命に影響を与えることを突き止めた。その努力の傾注は凄い。遺伝子が変異(機能が抑制)することで寿命が延びる'老化遺伝子'、逆に変異することで寿命が縮まる'長寿遺伝子'。この変異のスイッチに個人差や生活習慣が関わってくる。分子レベルの話からストンと落ちてくる繋がりに納得感が得られ、生活態度を再考させられた。
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脳科学と神経老年学を専門とする著者による、寿命や老化に関する遺伝子の働きが解説された一冊。
グラフと専門用語の多用が見られ予備知識が無いと読み進めることが困難であり、一般向けではなく専門書に近い内容となっています。
本書は線虫とマウスを用いたミュータント作りを中心に展開していきますが、長寿化はまだ人間への応用の段階にないと読了後に考えさせられました。
今しばらく基礎研究が必要な分野であり、それ故に夢と希望が発見させることを期待したいですね。
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難しい。知らない化学物質名が多すぎてつらい。
老化防止には抗酸化が王道
最長寿命は120歳ほどで壁が存在する。120歳を超えるようになるのであれば、それは進化
寿命は遺伝子3 環境7
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予想よりもだいぶハードコアな内容だったため、斜めに読んで読了。
導入は一般的な「老化とは何か」みたいなところから始まったのでよかったのだが、中盤はいくつかの遺伝子について踏み込んだ各論になっていて、なかなかにごっつかった。最後の2章はまた具体的な遺伝子からは離れて一般的な「進化」と「百寿」の話になっていたので読みやすかった。おそらく、私が期待していたのはこのあたりの話だったのだと思う。
いわゆる「遺伝子ハンター」に興味のある人にはちょうどいいと思われる。
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寿命と老化に関係する12個の遺伝子が各章で解説されている、
フレンドリーで読みやすそうな表紙だが、いざ読んでみると結構基礎知識が要求されるハードな内容。高校生の時にちゃんと化学を勉強しておけばよかった。
一つ心に残ったのは「研究とは誰もが見ているものを見て、誰も思いつかないでいることを考えぬくことだ。」というある科学者の言葉。これは研究に限らず通用するだろう。
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関連基礎知識が無い人でも、それなりに関心を持った相手が読み下せるように、かなり工夫して書かれたとの事。そうなんだろう…。ある1面から制御しようとした場合に、押すと引くが必要。これが何段階も多数重なって、生体としての1視点からの結果が出る。その全てか遺伝子に書かれ、未だ多くの不明を伴いながらも、対応する蛋白質が関与している。生体は同時に多くの生化学事象を伴い、生体の状態自体も変化していき、遺伝子の作用の仕方も変わっていく…。まぁ何とややこしい。登場人物が過剰なミステリーを読んでいるかのようだった。