紙の本
バイアス面白い
2022/04/02 11:34
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投稿者:語彙力勉強中 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間は誰しもバイアスがかった世界を見ているのだと気付かされた1冊。脳科学や心理学に興味があるなら是非とも読んでほしい。
紙の本
読み易い認知バイアスに関する本
2023/03/23 11:43
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投稿者:M.F - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年は、人間の認知の歪み・偏りを題材とする本が、何年かおきに話題をさらう傾向があるように思う。
(「ファストアンドスロー」等が代表例といえようか)
タイトルからも予想されるように、本書も、そういう分野に属する本と言えるだろう。
そういうなかにあって、本書の特色はといえば、かなり、読み易い・わかり易いように工夫されていることにあると思う。
今までこの分野の本を読んだことがない方にも、十分おすすめ出来る。
このレビューを作成している時点においては、既に、本書の続編に相当する「認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学編」が刊行されており、興味を持った場合には、さらに知識を深めるステップが用意されているのも嬉しいところである。
電子書籍
〈事典〉として使うのに適した体裁
2022/11/29 08:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』は論理学的アプローチ、認知科学的アプローチ、社会心理学的アプローチの3つのアプローチに分類され、それぞれ20個、合計60個のバイアスを定義・関連バイアス・具体例・対策・参考文献という一定の型式に従って紹介します。
「吊り橋効果」や「サブリミナル効果」などの有名なものから一般にはさほど知られていないものまで、比較的わかりやすくイラストや図解を使って説明されています。
60個全部を記憶して対策するのは無理ですが、一度通して読むことでいかに人間の感覚や思考があてにならないかを知ることは、様々な誤謬に知らずに陥ることを防ぎ、より客観的・論理的・批判的に思考するための一助となります。
以前にロルフ・ドベリの『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』のドイツ語版を読みましたが、内容的には重複する部分も少なくありませんでした。こちらでは52種類のバイアスが紹介されていました。
両者を比較すると、『認知バイアス事典』はタイトルの通り〈事典〉として使うのに適した体裁になっており、『Think Smart』は読み物としての面白さがある一方で、練習課題が付録についているところが実践向きと言えるでしょう。
どちらも良書だと思います。
紙の本
非常に役立つ認知バイアスの解説書
2022/01/24 14:57
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投稿者:本の虫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、皆が陥りがちな認知のバイアスについて紹介しています。
60種もの認知バイアスが具体例などを交えて詳細に解説されており、巷で溢れる陰謀論や詭弁などについて理解するのに非常に役立つと感じました。
また、自分がこうした認知バイアスに引っかかっていないか振り返る良い教材にもなったと思います。
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認知バイアス
著作者:情報文化研究所
発行者:フォレスト出版
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
情報を正しく選択するための認知バイアス事典。
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図書館で。
認知バイアスに関する項目を60個紹介した本。
3分野に分けてそれぞれ20個を厳選して解説。
バイアス自体の説明に加えて、バイアスが発生する背景・原因、どのように防ぐ・活用するかなども説明されてるのがよかった。
論理学 二分法の誤謬、ソリテスパラドックス 砂山はげ頭ロバのパラドックス、多義の誤謬、循環論法、滑りやすい坂論法、早まった一般化、チェリー・ピッキング、ギャンブラーの誤謬、対人論法、お前だって論法、藁人形論法、希望的観測、覆面男の誤謬、連語錯誤、前件否定、後件肯定、四個概念の誤謬、信念バイアス、信念の保守主義、常識推論。
認知科学 ミュラー・リヤー錯視、ウサギとアヒルの図形、ゴムの手錯覚、マガーク効果、サブリミナル効果、吊り橋効果、認知的不協和、気分一致効果、デジャビュ、舌先現象、フォルス・メモリ、スリーパー効果、心的制約、機能的固着、選択的注意、注意の瞬き、賢馬ハンス効果、確証バイアス、迷信行動、疑似相関。
社会心理学 単純接触効果、感情移入ギャップ、ハロー効果、バーナム効果、ステレオタイプ、モラル信任効果、基本的な帰属の誤り、内集団バイアス、究極的な帰属の誤り、防衛的帰属仮説、心理的リアクタンス、現状維持バイアス、公正世界仮説、システム正当化バイアス、チアリーダー効果、身元のわかる犠牲者効果、同調バイアス、バンドワゴン効果、ダニング・クルーガー効果、知識の呪縛。
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認知バイアスについて論理学、認知科学、社会心理学の分野から説明されている
認知バイアスパターンの概要、事例、対策的な内容がそれぞれのパターン毎に記されている
論理学
概念、言葉の定義を意識
人格否定、論点すり替え、論点ずらしについては論点を意識
それぞれが発生したら冷静に指摘して論点を戻す
アイデアとその人の言動、行動は分けて考える
信念に囚われすぎない
信念は劇的には変わらない
認知科学
本音と行動が一致しない場合は意見が捏造されていく
不満や気になることは都度紙に書き出してみる
自分の気分に一致している事柄を記憶しやすい
過去の記憶は捏造されやすい
信頼性の低い情報源から得た情報も時間が経過すると説得性が増す
注意を向けていることしか認識できない
注意資源の枯渇
短時間にターゲットが複数発生すると後に発生したターゲットを認識できない
自分の仮説に沿うような情報のみ集め、仮説に反するような情報は無視する
反証を常に意識する
人は見たいもの見る、見せたいものを見せる
社会心理学
行動の原因については個人の内面を重視し、状況や環境は軽視する
どこか優れている点があると、その他の部分も優れていると考える
感情が変化する量が多いほどより強く印象に残る
悪そうな人が良いことをした時など
選択の自由を制限されると反発する
希少性もその一部
利得と損失を比較する際損失を重大だと感じる
得が損の1.5-2.5倍必要
現状維持に対するモチベーションに
不特定多数より具体的な個人に共感
統計値だと成果をイメージし辛い
知識が乏しい人は過大評価になりがち
知識豊富な人は過小評価になりがち
知識を持っている人は持たない人の立場から考えることが難しくなる
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サブタイトルは「世界と自分の見え方を変える『60の心のクセ』のトリセツ」ということで、ついつい見方が歪んでしまうような心の働きのパターンを紹介したもの。有名な「循環論法」とか「吊り橋効果」、「デジャビュ」、「ステレオタイプ」などが含まれる。3人の著者がそれぞれ「論理学的アプローチ」、「認知科学的アプローチ」、「社会心理学的アプローチ」について書いている。
後の2つについては、心理学を一通り勉強したら絶対に習うような内容もいくつか含まれている。入試の英文でも、この手の話、社会心理学とか行動経済学みたいな話は本当によく出てくるので、入試問題を解くときにも役立つかなあと思った。
印象的だったところのメモ。「希望的観測によって相手が説得されてしまうのは、多かれ少なかれ、説得されてしまった人が、今その主張をしている人の熱意に負けてしまったからと考えることもできる。」(p.59)という部分。「証拠の不足と希望的観測を自覚していたとしても、どうしても自分の主張を通したいのであれば、この熱意を相手にぶつけてみてもいいだろう。」(p,60)という、確かに、バイアスがかかっているからダメでそういうことはしない、ということでもないんだなあと思った。それから「プラシーボ効果」は有名だけど、「逆プラシーボ効果」(p.119)というのがあるんだ、というのは初めて知った。あと「モラル信任効果」(p.199)というのはなんかリアルだ。「自らが立派であること、社会の役に立っていることを認識しているがゆえに、『これだけ素晴らしいのだから、多少倫理に反するようなことを行ったとしても許されるだろう』と無意識のうちに考える」(p.198)らしい。古畑任三郎の犯人なんか、こんな感じの人ばっかりじゃないかなあとか(殺人する部分は別として、日常的な言動が)。それから「人は利得よりも損失を重視する」(p.220)、「私たちは利得と損失を比較する際、損失のほうをより重大だと感じる」(p.222)という部分は、納得したが、なんで人はそう思考するんだろうか?あと最後に2020年の調査で、「悪いことをすると罰が当たることがあると考える人の割合」は、現代のほうがそう考える人の割合が高い(p.226)というのは意外。意外だけど、よく考えると「公正であるべきだ」ということは世の中の理不尽や不公平を受け入れられない、耐性がないということだから、それだけ「おこちゃま」の人が増えているというか、融通が利かないというか、そういう今の世の中を反映しているのではないかとも思えてしまう。
全体的に最初の「論理学的アプローチ」のところは、おれがあんまり慣れていないからなのか、例が分かりにくかったり、そんなことないだろ、と思ってしまったりして、正直そんなに読んでいても楽しくなかった。それから全体として、「だからあなたも~してみてはいかがだろうか」みたいな、安っぽい?提案というか、忠告が一言添えてある部分が、確かに上の希望的観測のところはそうだよなと思ってしまったけど、あまり多すぎると変なビジネス書みたいな雰囲気を出しているところがイマイチだった。(21/08/01)
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心理学を専攻していた私にとっては、面白く読めました。「事典」なので、一つひとつの項目について、分かりやすく簡潔に説明がなされているだけです。深い解説を求めるものではありません。他の書籍を読みながら、用語に躓いたら字を引くために使う本という位置づけだと思います。
イラストを使った説明が、本文の理解の助けになっています。心理学系のビジネス書を読む際に、用語解説の手ほどきになることでしょう。
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バイアスのカタログ。
最後の方無理矢理加えたような印象。
個別のバイアスで本書く場合、どんな内容になるんだろう?
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ミュラーリヤー錯視は、入隅か出隅かを判断している。同じに見えても、奥のほうが長い、と脳が記憶している。
ゴムの手錯覚=拡張する自己。
吊り橋効果=ドキドキ感が恋愛感情と錯覚する。
認知的不協和=ブラック企業は仕事が面白い、と感じやすい。自分にとっての感想は、変容しやすい。変わる前に書いておく。
一度あったことは忘れない。思い出せないだけで。何かをきっかけに思い出すことがある。
単純接触効果は、第一印象が悪い場合は逆効果。
究極的な帰属の誤り=自分の成功は努力や実力のせいで失敗は運のせい、相手の成功は運のせいで失敗は実力、と思うこと。
防衛的帰属仮説=自分の属する集団に対しては、自己防衛の欲求が高まって判断が甘くなる。
現状維持バイアス=メリットよりデメリットに敏感。ゼロベース思考で防げる。
システム正当化理論=人は曖昧なことを嫌う。多少問題があるシステムでも正当化して従ったほうが楽。
チアリーダー効果(キャンディーズ効果)集団で見ると魅力的に見える。女性が男性を見るときのほうが効果が高い。
同調バイアス=周りの意見を参考にする、周りと同じようにふるまいやすい。特に周囲が同じ意見だった場合。
バンドワゴン効果とスノップ効果。
お釣りを知らない子供がいる(電子マネーの普及で)=相手の立場で考える難しさ。
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心理学を勉強したことがあるのである程度の知識はあったが、それを現実世界にどう活かすかまでうまくまとめられている。知識としても覚えておくと生きやすくなると思うし、とても実用的なのでかなりおすすめ。
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本書を読むと、3つの質問にYesと答えるようになる
・膨大な情報に流されて自己を失っていないか?
・デマやフェイクニュースに騙されていないか?
・自分の頭で論理的・科学的に考えていますか?
様々なバイアスを具体的な内容を交えながら説明を受けた。
60の内、20個は興味を惹かれるバイアスで、
今後の入手した情報や判断時に有益に利用できそうな気がする。
印象的だったもの、よく陥りそうなものを抽出。
分類は大きく以下3つとなる。
・論理学的アプローチ
・認知科学的アプローチ
・社会心理学的アプローチ
■■■ 認知バイアスへの論理学的アプローチ
▼09.対人論法
・主張されている内容それ自体ではなく、論者の性質や
あり方についての攻撃を行うことで、相手の主張を退けること。
・ex)お前のような人間が言うことなど、信用できない
▼11.藁人形法★
・発言者の主張を単純化したり、逆に極端なものに勝手に置き換え、
その歪めた論点を非難することで、論理を有利に進めようとする論法
・ex)A「子供の健康によくない!お金ももったいない!タバコやめて!」
→主張を歪める→「嗜好品はすべてよくない」
B「自分だってスタバの珈琲を飲んでるだろ!」
・ご飯論法「嘘はつかずに本当のことを言わないようにすること」
・ex)妻「今日は帰りが遅かったね。外でご飯だべてきたの?」」
夫「ご飯は食べてないよ。(飲んできたけど)」
▼13.覆面男の誤謬(ごびゅう)
・置き換えについての知識不足によって生じてしまう誤謬
・ex)女性は冴えないクラーク・ケント(=スーパーマン)と知り合い
女性にQ「スーパーマンと知り合い?」→女性「いいえ」
■■■ 認知バイアスへの認知科学系アプローチ
▼01.ミュラー・リヤー錯視
・同一の長さを持つ線分であっても、それぞれに向きの異なる
矢羽根を付けられると、長さが異なって見える錯視図面のこと
・三次元世界ならではの風景の見え方を利用している。
・鈍角の矢羽根↔(a)と鋭角の矢羽根(b)だとbの方が大きく見える。
→平面図であっても、三次元の中に構成された物体であるかのように
奥行きと大きさを瞬時に認識している可能性がある。
・一見「間違い」であるような感覚も、それが生じるメカニズムについて
理解すれば、それが普段いかに効率的に自分の周囲の環境を
把握するのに役立っている。
▼03.ゴムの手錯覚
・視野から自分の手を隠し、目の前の自分の手とそっくりなゴム製の
手を撫でられると、それがまるで自分の手のように感じられる。
・錯覚を経験した後の参加者の右手の位置は、よりゴム製の手の方向へと
ずれること、およびこのズレの大きさは参加者が体験した錯覚の
持続時間に比例して大幅に変化する
▼04.マガーク効果
・声と一緒に、その音声とは一致しないような話者の口の動きの映像を
見せると、提示された音声とは別の音に聞こえる錯聴のこと。
��ex)「ガ」の口の映像 + 「バ」の音声 → 「ダ」に聞こえる
▼07.認知的不協和
・自分の本音と実際の行動が矛盾しているなど、自分の中で一致しない
複数の意見を同時に抱えている状態
・ex)つまらない実験を経験したAが次の被験者Bに「この実験は面白い」と
伝える用にアルバイト代をもらっている場合、金額によってアンケートの
回答が異なる。$0:-0.5。$1:+1.5。$20:-0.3。
・ブラック企業の社員の思考
・仕事がつらい。給料が少ない。& 仕事辞めることができない。
→意見の変容「やりがいのある、面白い仕事をしている」と思い込む。
→日常の不満を口に出したり紙に書いて(観測可能な形にする)
おくことで、正しい判断ができるようになるため「有効」
▼10.舌先現象
・ある内容をもう少しで思い出せるのに思い出せない、という状態のこと
・「思い出せない」=「忘れてしまった」ではない
・焦らずとも多くの場合、十分な時間をかけさえすれば最終的には思い出せる。
▼11.フォルスメモリ
・実際には経験していない事柄を経験したかのように思い出す現象。
虚偽記憶、あるいは過誤記憶とも呼ぶ。
・記憶回復療法によりセラピストが「抑圧された記憶」を復元する手法は
誤った記憶(フォルスメモリ)の可能性があるため、落ち着きつつある。
・見聞きした記憶がそのまま正確に保たれているとは限らない。
・後から与えられた情報によって、全く新しい記憶がつくられることはある。
▼12.スリーパー効果
・信頼性の低い情報源から得た情報によって、当初は意見が
左右されなくても、時間の経過とともに意見や態度が変容すること。
・ex)信頼性の低い情報源の情報は、直後は低いが4週間もすれば、
信頼性の高い情報源と同等の信頼度に並ぶ
(信頼性の高い情報源も時間経過とともに信頼度は下がる)
・当初は、読みてが信頼できない情報であると判断していたにも関わらず、
時間の経過とともに説得される傾向がある。
▼13.心的制約★
・人の問題解決を阻む無意識的な先入観のこと
・ひらめきに至るプロセスは4段階。準備→孵化→啓示→検証。
準備:問題解決に集中し、挑戦と失敗を繰り返す。正解を導き出せず手詰まる。
孵化:ぼんやりしたり別の簡単な作業を始めたりするため、はた目には
問題を解くための努力を放棄したように見えるが、しかしこの間
実は無意識的な努力は継続されている★
啓示:ひらめき。ある瞬間に「唐突に正解を思いついた」ように感じる。
驚きや感動を伴うことがある。
検証:思いついたアイデアを試し、その有効性を確かめる段階。
・これら4つの段階は、独立しては起こらず、お互いに作用しあっている。
・孵化を経て啓示に至るのは、準備の段階で問題に集中して取り組み、
問題の基本的構造を理解したからこそである。
・ひらめきのためには「休憩を取ればいい」ではなく、
「ぼんやりとリラックスすること」が重要である。★
→「課題中に休憩あり」のチームより、
「課題を中���して別の課題を与えた」チームの方がひらめき多かった。
▼14.機能的固着★
・ある物の使い方について、ある特定の用途に固執してしまい、
新たな使い方についての発想が阻害されること。
・本来の機能に引きづられて、それ以外の使い道が思いつけなくなった。
→マッチ、画鋲、ロウソクが容器に入っている。
これらを使って、ドアにロウソクを固定するにはそうすればよいか?
→正答率は半数。ただ、空の容器で提示された被験者は正答率100%となった。
▼15.選択的注意
・周囲のざわめきの中でも特定の話者の言葉だけを聞くことが可能なように、
多くの情報の中から必要なものを取捨選択をすること。
・自分が注意をむけてない音声情報は「排除」される
(=注意をむけている音声情報のみが「選択」される)
・変化盲:情報選択から外されたものは、比較的大きな変化でも気づきにくい
→道を尋ねる実験者と被験者の間を、板材を運搬する人々が2人の間を横切る。
その際に、運搬する人と実験者が入れ替わっても、被験者は気づかない。
半数の被験者は自分と会話していた人物が入れ替わっても気づかず、
何事もなかったように会話が続行される。★「the ”Door” study」で検索
■■■ 認知バイアスへの社会心理学系アプローチ
▼02.感情移入ギャップ
・対象に対して、怒りや好意など何らかの感情を持っていると、
その感情を持たない視点から考えることが難しくなってしまうこと。
・現在経験していることや感情に近いものほど、人は共感しやすい。
・共感は経験に左右されるが、喉元すぎれば熱さを忘れる。
▼03.ハロー効果
・どこか優れている点(劣っている点)を見つけると、その他においても
優れている(劣っている)と考えがちになる現象。→ 親の七光り
・「ゲインロス効果」:人の感情は変化する量が大きいほど、
より強く印象に残る→最初印象が怖い人のほうが評価が上がりやすい
▼06.モラル信任効果★
・社会的に意義のある活動をしている人が、その価値ゆえに少しくらい
非論理的な行動をしている世間は許すだろうと考えること。
・社会的価値が高い仕事、社会貢献活動、尊敬される立場=免罪符と考えがち
・社会貢献をしている意識が、怠慢な作業・不正行為の助長する
▼07.基本的な帰属の誤り
・他者の行動の原因について説明するとき、その人の能力や性格などを
重視しすぎて、状況や環境などの要因を軽視する傾向のこと。
・行為者-観察者バイアス:
他者は内的要因に、当事者は外的要因に責任を見いだそうとしがち。
▼08.内集団バイアス
・自分の子供が一番かわいい!賢い!と考える傾向にある
・自分が所属している集団の方を好意的に評価し、ひいきする傾向がある
・集団間差別を解消するには、対立している集団同士が協力しなければ
解決できないような課題を与えることが有効
▼09.究極的な帰属の誤り★
・自分の所属していない集団やメンバーが成功したときは状況(外的要因)が、
失敗したときは才能や努力(内的要因)が原因と考え���こと。
・自分が所属している集団やメンバーが成功したときは才能や努力が、
失敗したときは状況が原因であると考えること。
▼10.防衛的帰属仮説★
・良くないことが起こったときに、その加害者or被害者に自分の立場を重ね
異なる立場の人の責任を過大に評価すること。
・判断をした人々が、自分が被害者と同様の事態に陥った際のやりきれなさを
回避しようとする→判断をする人が自分を守ろうとする気持ちが働くバイアス
・性犯罪や虐待の被害者は子供が多いが、刑罰や処分を審議するのは成人男性★
→本当に大人だけで正当な結論は出せるのか?
▼11.心理的リアクタンス★
・自分の選択や行動の自由を制限されるように感じると、制限するものに
対して反発し、逆らう行動をとろうとすること。
・このボタンを押すなよ!絶対に押すなよ!→押したくなる
・手に入れにくいものほど、欲しくなる → ロミジュリ
・人は利得より損失を重視するため、買い逃すことで損したくないと考える
▼12.現状維持バイアス
・何かを変化させることで現状がより良くなる可能性があるとしても、
損失の可能性も考慮して、現状を保持しようとする傾向。
・損失する分の約1.5~2.5倍の利得があって初めて損と得が釣り合うと感じる★
→損失回避性:損を避けたい→損失のほうをゆおり重大だと感じる
・保有効果:一度手に入れると、それが自分の手元になかったときよりも
価値が高いものであるように感じて、手放す際に抵抗を感じる現象★
→通信販売の「○日以内なら返品可能」は保有効果と手続きの煩雑さを利用してる
▼13.公正世界仮説
・良い行いには良いことが、悪い行いには悪いことが返ってくるとする
認知的な偏りのこと → 因果応報、自業自得など
・高齢者(60歳以上)より若者(10-40代)のが罰が当たると思う人が多い
・「行動にふさわしい結果が、その人に降りかかる」という考え
→苦しめられている人を見たとき「きっと悪いことをしたんだろう」と思う
▼14.システム正当化バイアス
・特定の人に対して不便・不利だったとしても、未知の新たな方法に挑戦する
よりも従来の方法を維持しようとする傾向のこと。
・「わからない」ことは人にとって大きな脅威
・不安を強めるような情報を与えることは、バイアスを強くする危険性がある
▼15.チアリーダー効果
・1人でいるときよりもグループの中にいるときのほうが、人の顔は魅力的に
見える現象。→上位グループの平均につられて高くみえる。
・この効果は性別によって効力が大きく異る
→女性は、女子の顔よりも男性の顔を評価するときに顕著に現れる。
男性は、相手の性別によって効果に差はない。
▼16.身元のわかる犠牲者効果
・特定の個人を例として示すと高い共感や関心を示すが、
示されたものが人数や割合だと共感や関心が低くなる現象のこと
・統計データよりも、顔や名前に人は動かされる
→相手の名前や顔、その他の詳しい状況を知ることが寄付を促進する
・焼け石に水効果:自分1人が行動を起こすことで、相手を確実に救えるか
どうかが重要になる。自分だけが頑張ったところでどうにもならないと思えば、
行動は起こらない。
▼17.同調バイアス
・他人がどう行動するかを参考にして、自分の行動を変えること
・直線の長さというはっきり違いのわかる事柄でさえ、他人の回答に影響を
受けずに正解を言える人は4人に1人だった。
▼18.バンドワゴン効果
・選択肢が複数ある場合、多くの人が同一の選択肢をとることによって、
その選択肢を取ろうとする人がさらに増える現象のこと。
・メジャーなものや広く支持されているものに惹かれる傾向
▼19.ダニング=クルーガー効果
・知識のない人ほど、自分には能力があると過大評価する効果
・知識が豊富だったり能力が高かったりりする人は、周囲も自分と同じだけの
ものを持っていると考え、自分を過小評価してしまう。
・課題の難易度に対する見解
点数が低い人 点数が高い人
簡単な課題 点を高く錯覚 正確に評価
難しい課題 正確に評価 点を低く錯覚
▼20.知識の呪縛
・さまざまな分野において、知識を持っている人は、
知識を持たない人の立場から考えることが難しくなるという現象
・自分が当然だと思っていることは、必ずしも他者にも当てはまらない。
・知識があることから生じる「呪縛」が存在することを知り、そのうえで
この「呪縛」から自らを開放することは、あなたにとって非常に重要である
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文字通り、認知バイアスについて扱った一冊。
認知バイアスはどんな人でもあるし、特に無意識の認知の歪みには気を付けなければと感じた。
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第1部 認知バイアスへの論理学的アプローチ
第2部 認知バイアスへの認知科学的アプローチ
第3部 認知バイアスへの社会心理学的アプローチ