紙の本
これは、革命前夜序説である。お前ら、今すぐジュンク堂ハヤカワSF文庫棚へ急げ!!!!!
2021/08/07 15:18
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投稿者:さきいかのよっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
とりあえず、文系素人は、巻末の冨山氏執筆の応援的挑戦状を一読すべし。
電話線接続でピーゴロゴロインタネットしてた世代には突き刺さる文章である。
ピーヒャラ、秋葉ラオックスアップル館でコンピュータを購入していた世代は、今頃会社の中間管理職などにいるはずであろう。
ならば、本書は、必読だ。
そして、当然、その世代はSF大好きっこ世代なので、この解説だけ読んでも、自分の青春時代は無駄ではなかったことがわかり、滂沱の涙を流すはずであろう。
もし、若い読者で、SF読んでないものは、今すぐ読むべきである。
参考までに、巻末解説を読んで頭にピコンと閃いたキーワードを列挙していく。参考にして欲しい。
DURANDURAN(ジョン・テイラーという名前には天才しかいない)
楽園への道(バルガスリョサ)
シニフィエ・シニフィアン
銀河クラウドコンピューティング(南方熊楠)
グレッグ・イーガン(順列都市など)
構造主義進化論(池田清彦)
ロシア・アバンギャルド
レンマ学(中沢新一・華厳経)
アーサーCクラーク
パオロ・バチカルビ
などである。さあ、第一章から読むぜ(^^)/
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DXが何なのか、ということを知ろうと思ったときに最初に読むには良い本なのではないかと思う。
DXの事例などをまとめた書籍を読んだことはあったが、それは言ってみればデジタル化の事例集のようなもので、その背景にある思想には考えが及ばない。
本書は、DXの背景の思想、GAFAが描いている戦略などをある程度抽象化した視点から述べている。このため、自分の仕事に適用しようとした場合、考える必要があるが抽象化しているため汎用性も高いのではないかと思う。
一方で、料理を例として多用するなど、抽象化されているからと言ってわかりにくいということもなく、著者の独りよがりになっているということもない。
本書の解説では冨山和彦氏が”本書を読んでデジタル化の本質的な意味合い、そしてIXの衝撃の実装をりかいできない(中略)とすれば、今後、ビジネスの最前線で戦い続けるのは難しいかもしれない。”と書いており、意味合いを完全に理解できているといい難い自分に不安もあるが、何度か読んで理解を深めたいと思った書籍。
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流読。おそらく肝をつかみきれていない。
要再読。
世界をパターンの組合せでとらえなおすことの重要性。
膨大なデータを価値に転換するシステムを表現・設計すること、この違いをどう理解するか。
◯企業が「地図」を読んでデジタル化の時代にビジネスを展開するということは、エコシステムの一部になることを通じて、その地図自体を描き換えるということを意味している。あるいは描き換えられるかどうかが、企業のDXそして経営の成功を意味している。
◯高度経済成長期を支えた発想
「工場内ではヨコ割り、事業部門間・企業間ではタテ割りで経験を積み、熟練を磨き込む」「業種というタテ割りの中で戦う」
→暗黙知化、デジタル化の中ではコード化できるか
◯上がってからはじめて下がる
「まずは抽象化してみて具体化する」
→この手を打てばいま目の前にある具体的なもの以外のものも含めて、何でも処理・解決できてしまうのではないか
・世界の中ではヨコ割りだった日本企業の経営が、いつしかタテ割りになった
→グローバル化・デジタル化により、共通的な手法で解が出る水位が上がっている
◯デジタル化のかたちは
「深いレイヤー構造を使ったネットワーク」
→共通するOS、特定の目的のためにアウトプットするアプリケーションの間に何層もの言語翻訳、中間解があることで深み(様々なニーズにたどり着く)
→完全に定型化でもランダムでもない、適度に良いつなぎ方をすることでイノベーションを生むネットワーク
○アーキテクチャの機能:スマートシティであれば、エネルギー効率、移動の便利さ、教育の質、高齢者への配慮、プライバシーの保護など様々視点があり、それら複数の軸に分かれているものを、あr棚横断的なレイヤーをつくることで、両立可能なパターンを探索。パターンランゲージの活用。
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DXの本質について説明を試みた書籍であり、それはアーキテクチャーやレイヤーといったもので表現される産業構造を変革する道具であり、思想であることと受け止めた。特に「本棚に無い本をみつける」といった表現にあるように、既存の技術やサービス(本棚に存在する本)をしっかり把握した上で、それを組み合わせたアーキテクチャーとすることで、新たな本に相当する価値を生むことができる。それを徹底的に探究することがこれからの時代求められていることであると。
メッセージは世界がテクノロジーを活用して変革に向けて邁進している中で、自らがどうあるべきかを徹底的に考えるべし。というのが本書から得られたメッセージであると受け止めた。
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DXに関する骨太な本。本質をついた論旨展開。
正しく外部環境理解しておくべく読書
メモ
・探索のスピードをあげるには地図を持ち、少し遠目をみて運転すること。
・IX時代の経営ロジック、デジタル化ロジックを個人と組織の身体に刻み込む。それがDXの本質。
・ix時代の地図のようなものを描くこと
・自分が中心ではなく相対性理論のように関係性の中に自社がある世界観認識をするべき。
・縦型、ピラミッド型ではなく、レイヤー型になることで、できることは広がり、イノベーションも起こりやすくなる。
・各社が独自のシステムをまず作り、その一部を共有化するという発想から、共通のレイヤー構造を提供する仕組みが産業、社会の中にあって、それをベースに各社は取捨選択を考え、真に自分で手をかけて作る価値があるものだけ自前で作るという発想に変わっていく。
・デジタル化による社会変化はハード発達やデータ量なのの量的な変化だけでは説明できず、ソフトウェアドライヤー構造がもたらす部分が半分以上ある。
・ix時代のの白地図はサプライヤー軸のデータ解析層、計算処理基盤層から構成されるとともに、横軸はユーザー軸uiux軸がとおり、課題設定側と利用側の両サイドから構成される。
・Netflixが自前開発にこだわった部分。顧客の視聴体験の最適化。マイクロサービスの強化。
・本屋の本棚の前でそこにない本を探すこと。
世界をベンチマークし、少し先のトレンドをみることになる。自社が真に集中すべきポイントが明らかになる。本棚にない本を見つけて開発すると他社に売れるプロダクトに。
・開発、カスタマイズ、プロダクト
・解決策から考えるとありものでなんとかしようとなる。型にハマらない骨太の解決策につながらない。
・IX時代の発想テスト
課題から考える 解決策に囚われない
抽象化する 具体に囚われない
パターンを探す ルールや分野に囚われない
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色々な書評があるけれど一気に一晩で読了。
確かに文書に癖があるし、知っている前提知識によって理解度がかなり違ってくると思う内容だとは思う。コロナ禍で、いみじくも露呈した日本のデジタルリテラシーのレベル。この後、日本が世界で生き残っていくためにどうしたら良いのかという考え方が書いてあった。すでに自分自身も二歩も三歩もおくれているとは思ったけれど、考え方をフォローできたらいいなと思った。
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グロービスでお世話になった田久保先生が「必読!2回!」とのことだったのでポチッと購読。
要するに、業種や職種といった「タテ割り」はどんどんなくなり、GAFAに代表されるように全てがミルフィーユ状の「ヨコ割り」になっていく。その中でどの部分を外部に頼り、自分たちがどこで勝負するか、横並びになっている本屋の本棚にまだない本をどう探すかが大事という話。
例の一つとして、ネットフリックスはクラウドサービスに全面的に移行する代わりに、顧客の視聴経験の最適化には徹底して自前開発にこだわったものが挙げられている。
しかし、解説の冨山和彦さんが「本気で危機感を持たなかったら、あなたヤバいでしょ」と書いており、そこまできちんと理解できているかというと怪しいので、やっぱり2回目が必要か。。
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DX化は単なる既存の業務の置き換えではない。構造そのものの捉え方を変える必要がある。それがレイヤー、アーキテクチゃという発想なのだろう。
そのために本質的な課題の探求、具体と抽象の行き来、特に抽象的に考えることが一層大切になる。
世の中を見るための大きな白地図を提示してもらったように思う。自分の中で意味を繋げて統合しなければならないように思う。
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私の中での最近のキーワード「具体と抽象」にもつながる話 レイヤーは大切
01が人に随分と近づいている
アーキテクチャという目線がこんなところでも出てくるんですね
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本質を突き、思考を深くえぐるとても良質な内容だが、小林秀雄イズムに明らかに感化された憧れが、猿でもわかる内容から遠下げてしまって損をしている。事例や例えがインテリスノブ過ぎて、万民の理解と共感を無駄に得にくくしてないか不安にさせられる。より分かりやすい事例を用いることで、とてつもないベストセラーになる機会損失を招いたと思われる。
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ウォードリーマップという整理が参考になった。
プラットフォームは
①内製開発すべきもの→
②パッケージをカスタマイズして使うべきもの→
③外部調達すべきもの
という段階に分かれており、徐々にSaaSとして調達可能となっていく。
自社の競争優位性に繋がる領域は開発なりカスタマイズすべきという判断になり、優位性に繋がらないなら外部調達すべき。
そして内製開発したものを外部にSaasとして販売することで新しいビジネスモデルが生まれたりもする(AWSやキーエンスのBIとか)
データ=情報を解釈可能でアクションを促す情報(示唆やインサイト)に変換する仕組みをこの本ではコンポーネントと呼んでいる。
同じレベルのコンポーネントを並べたものがレイヤーで、レイヤーの集まりがアーキテクチャだという。
いわゆるエコシステムのようなものをコンポーネントやレイヤーという表現をしていると理解した。
DXとはビジネモデル変革のために、こうした外部のエコシステムを有効活用しながら取り組むべきというのが本書の趣旨かな。
確かにエコシステムを構築した企業、そして次にそのエコシステムを使い倒している企業が高成長していると思う。
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表面的なDXではなく、その先のIX(Industory Transformation)を見据えたうえで、DXについての理解が深まる。
「両利きの経営」を読んだばかりだったので、リンクする内容もあり、学びになった。
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なぜだか分からないが地元の県庁関連で、DXに関する意見交換会をしたいから参加してくれと言われ、付け焼刃で読んだ一冊。世の中にあふれているDXという名の単なるICT活用術とは一線を画した書籍であり、本質に迫ろうとしている(迫っている?核心をついている?)書籍であるとは思うが、なにせ自分の理解が追い付かない。久しぶりに仕事以外の書籍で、線を引き引き読んだものの、なんだかなあ。手っ取り早いHow toを求めている人にはまったく向いておらず、また、本質的にDXを考えたい人にとっても、どこまで著者とシンクロして理解できるかは、なんとも評しがたい。
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抽象的な話が基本だが、たとえや具体例が豊富なので面白かった。
乱暴にまとめるなら、「DXの本質は抽象化で、ハード部分からUXまでレイヤー構造で捉えることが重要。それに合わせて組織構造を変える必要があるし、課題に応じた地図を作成してそれを見ながらDXサービスのパッケージ選択&内製開発を進めていくのが良い」といったところだろうか。
そして、それをまとめて比喩的フレーズにするなら「本屋にない本を探す」になるだろう。
世界一のレストランと言われたエルブジ、漱石のF+f、ネットフリックスの組織作り、ダイセルの生産革新といった具体例が印象に残っている。
自社のDX戦略を考えるにあたって、ウォードリーマップに本棚を書き込むという方法は面白いし、簡単に始められそう。
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業界毎にみるのではなく、レイヤーごとにビジネスが構成され、よりユーザーに近いレイヤーの闘いに遷移してきている。
レイヤーを意識した考え方への転換がDXのポイント。
経営とデジタル化、双方から歩み寄って産業構造を変革する(IX)
これまでの日本
業種という仕切られた枠の中で競争してきた
デジタルはデジタルという業界を考えていて負けた
デジタル時代に必要な考え方
・いきなり具体化して細部に入るのではなく、一度抽象化して何でも一気に片付けられないか考えてみること
レイヤー構造
アリババはクラウドベースの膨大な計算能力を支える物理的インフラと、その上に乗るデータ解析のためのアルゴリズムという大きく二つのレイヤーがある。
API連携でさらにレイヤーを増やせるようにし、UIUXが最も上にくる。
レイヤー構造を通してシステムと人との距離を埋めていく。
ネットフリックス
・組織がイノベーションを目的としているならば、コンテクストによる経営が合う。その前提として、有能な人材で構成されている必要、部所同士が緩やかにつながり自由に動ける必要がある。
・組織がミスを犯さないことを目的としているならば、規律とコントロールによる経営を志向すべし
・成功を支えるマイクロサービスという疎結合を実現するテクノロジーは、膨大な塊のソフトウェアを分割し、独立したマイクロサービス毎の塊を作り、これを結合する機能を持つレイヤー上に載せた。それぞれのマイクロサービスは試聴データベースに個別にアクセス可能。
この、アーキテクチャーが別々に自由に活動しても一つの方向を目指せる組織風土を支えている。
ウォードリーマップ
横軸: 開発、カスタマイズ、プロダクト、コモディティ化するほど右へ、左が自社要素
縦軸: 下から01に近い層、上に行くほどUIUXに近づく。
このマップを書く中で自社の課題、向かうべき方向が見えてくる。