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商品説明
日中関係史の中で、中国側指導者は日本をどう戦略的に利用したのか。1945年の日本敗戦、49年の共産党による新中国成立を挟み、毛沢東、鄧小平、蔣介石、天皇、日本の中国通外交官らによる相手への認識や行動を解明する。【「TRC MARC」の商品解説】
工作と諜報に明け暮れた裏面史
「天皇陛下によろしく」――。毛沢東や周恩来ら中国共産党の歴代指導部は1950年代以降、訪中した日本の要人に必ずこう語り掛けた。
日中戦争の記憶も生々しいこの時期、激しい反日感情を圧してなぜこうしたメッセージを発したか? 1920年代から50年代にかけての米ソ日中の史料や証言を掘り下げて解明していくのが本書の基本視角だ。
まず指摘できるのは「向ソ一辺倒」から「平和共存」へと、中国の外交方針が大きく転換したことだ。超大国として米国が台頭する中、米国務省日本派が練り上げた「天皇利用戦略」を換骨奪胎しつつ、西側諸国を切り崩す外交カードとして天皇工作を焦点化していったという。
他方、毛沢東は戦争中、のちに「闇の男」「五重スパイ」などと語り継がれる日本共産党の野坂参三と延安で頻繁に接触していた。
野坂は共産党関係者を一斉摘発した三・一五事件で逮捕されて以降、「君主制ノ撤廃ニ異論」を唱えており、野坂との交流が「皇帝」毛沢東をして「万世一系」の天皇が持つ不思議な求心力について喚起せしめたという。「志那通」からチャイナスクールまで、帝国陸軍から自民党・共産党まで、大陸で暗躍した人々の群像!【商品解説】
目次
- 序章 日中関係史の中で「天皇」が持つ意味
- 第一章 国交正常化と「中国通」外交官の役割
- 一 昭和天皇の戦後中国認識
- 二 「天皇訪中」めぐる日中攻防
- 三 橋本恕という中国通外交官
- 四 正常化前の第三国秘密交渉
- 五 日中関係「トライアングル」論
- 第二章 政治交渉史としての天皇訪中
- 一 昭和後・天安門事件後の中国認識
- 二 「政治主導」の限界
著者紹介
城山 英巳
- 略歴
- 〈城山英巳〉1969年生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院教授。ボーン・上田記念国際記者賞受賞。
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