紙の本
立場が違えば見方も違う。
2021/08/01 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先祖代々土地者の奈緒と、東京から引っ越してきた亜矢子の女子高生二人の夏休みの出来事。
外者を受け入れない旧弊な田舎の閉塞感が、どこにも逃げ出せない雰囲気で、苛立ちと危機感を募られます。
村の掟の中心には常に『地蔵様』があり、謎の掟が村を縛ってます。
この地蔵の真のあり方が終盤に分かると、老人たちの行動や亜矢子のことなど、すべての見え方が変わってきます。
そして、ただのミステリーでは終わらない怖さを残します。
紙の本
ホラーミステリーの面白みもおさえつつ、モダンさもあり
2021/09/20 22:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラーミステリー作品ではあるだろうけど、オドロオドロしさを余計に強調し過ぎることがなく、読後がすっきりした。
死の連鎖、大量かつ周到に散らばられた伏線といったガツガツさが薄い。でもゾクッと読ませる文章はこなれていて読みやすい。現代的な作風、秀作だと思う。
田舎の排他性を一貫して侮辱する見方を投げ続けるあたり少し気になったが、やはりここにも意図を含ませるあたり、特に面白い。
投稿元:
レビューを見る
うーわー、こーわーい。
村の閉鎖的で時代錯誤な風習や考え方も怖かったけど、真相が怖過ぎる!!
そしてラスト!
ぞわっと鳥肌がたった!
投稿元:
レビューを見る
ラスト10pぐらいにこの本の面白さが伝わってくる。
ホラー映画とかの演出でよくみる、終始どんよりとした画面が、よく伝わってくるお話でした。
あとクラシックをよく聴くのですが、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌがよく似合う小説だとも思いました。
どことなく仄暗くも、里山の綺麗さや亜矢子と奈穂の友情は美しい所もそのように感じました。
こういう訳の分からない恐怖とか、私(奈穂)以外は全て知っているようなものが好きな人は、面白いと思います。
投稿元:
レビューを見る
村よりもさらに小さな共同体での因習(と言って意外と新しいんだけど)と、それを利用したりされたりのお話。
さほどにどろどろでもなく、ただのしきたりかと思えば本当だったり。割と軽い感じでした。
投稿元:
レビューを見る
福島県の小さな村。村特有のしきたりと排他性、地蔵信仰を重んじる老人たち。東京から移住した亜矢子一家を負の団結で追い出そうとする。同級生になった内部落の奈穂だが、亜矢子と老人たちの狭間に立つ。村の動物や虫たちの気配の変化やよそ者が地蔵に呪いをかけると逆さ吊りの女が現れると迷信的な言い伝え。そして、老人たちが夜な夜な亜矢子の家の庭を掘り起こす。そこには...八つ墓村に似たホラーな展開。古い因習に息苦しく思えてならなかった。そして、うらんぼんが明けてもかえってくれない、今も奥の六畳でぶら下がってると。ゾクッと。
投稿元:
レビューを見る
著者らしい濃密な内容でした。
田舎の風習というか極端な感じは苦手意識が強いので、読み進めるのが少ししんどかったです。
伏線の回収やはり見事だし、『桃ノ木坂互助会』のような排他的な縄張り意識の表現がとても上手いです。
投稿元:
レビューを見る
07月-23。3.0点。
農家の娘、女子高生。閉鎖的な村に、東京から移住者が。娘の同級生が。仲良くなるが、その後に村に不穏な動きが。。
村の因習と、新参者との関係が終盤にひっくり返る。
怖いが、ありそうな話。
投稿元:
レビューを見る
表紙に惹かれる。
中学生が読みそうな内容なのか?確認するために読んだ。
乙一みたいな怖さがあった。
想像以上に怖面白かった。
逆さ吊りの女って何?
16才の奈穂。
正義感が強くて感情に流されまいといつも自分と闘っている。自分を持っている。
亜矢子は信じ難いほど過酷な経験をしていた。
うらんぼん→お盆。盂蘭盆会。
語源はインドで逆さ吊りという意味。
サニーショコラという品種改良された高級なトウモロコシ を5本2800円で売る。すごい。
こんな村にずっといるのではなく、
将来は東京に海外に出たいと考えている奈穂だが、農業に向いている。
大ばあさんの衝撃的な告白。
地蔵への願いは、よその土地から来た嫁がこの村を葬り去るための呪いをかけるため。
亜矢子の告白もそれ以上に衝撃的。
びっくりしたが、2人とも肝が据わっていて、友情は深まるだろうと思う。
投稿元:
レビューを見る
他は悪 内は善
そんな閉鎖的な集落での農業を当たり前に無理やり手伝わされている高校生の奈緒
地蔵信仰や集落の決まり事 男尊女卑
全てに嫌気がさす
イヤイヤが故に効率の良い遣り方を見いだす奈緒の賢さが清々しい
ぶら下がってるやつ怖すぎる
村を出たいばかりの菜緒の決断が これまた怖い
投稿元:
レビューを見る
面白かった!因習にがんじがらめの村落で起こるリアルな不気味さ。特にすっごい謎が隠されてるわけじゃあないけと、人間が1番リアルに怖い。逆さ吊りの女ってのが最後までよく分からんかったけど、不気味さは伝わった。
投稿元:
レビューを見る
特に派手なことが起こるわけでもなく、わりと地味に話が進んでいくのに先が気になる。
あまりにも閉鎖的で差別的な村に、きっと読んでる人も奈緒と同じようにイラッとするはず。
でも最後まで読むと、ちょっと見かたも変わる。
奈緒ちゃん、イヤイヤ言いつつもバッチリ働くイイ子だな。お友達になりたいよ。
個人的には、村のお年寄りたちが妙に個性的で、活き活きと描かれてるように感じました。
投稿元:
レビューを見る
2021/8/19
愛してやまない川瀬七緒の新刊。
ホラーだったよ。
綺麗な双子さんは逃げて~
私は田舎の過剰な干渉に寒気がする方の人種なので
奈穂がんばれ、脱出しよう
ってずっと思ってたけど川瀬さんはそうじゃないだろうなとも思ってた。
そうじゃなかったけど奈穂の改心みたいな解決の仕方じゃなかったのが流石。
結構なお手前。
奈穂の知識もったいないしな。どんな長老になるのか見てみたい。
ただ、奈穂が残るのいいと思うけど私はやっぱり住みたくないっス。
余所者やから入れてくれないだろうけど。
虫の話にニヤニヤしちゃう。
先生たちに会いたいです。
投稿元:
レビューを見る
主人公が、嫌っていたはずの田舎に徐々に囚われていく様子がありそうで怖い。
個人的にはこれだけでも十分な気がしたので、最後に出てくるアレはどうでもいい気が…
投稿元:
レビューを見る
ミステリーホラーの良作。序盤から中盤にかけてはもどかしさと憤りを携えながら読んでいたが、後半になって一気に恐怖と驚きにとって変わった。村のしきたりや閉鎖性、老女たちの振る舞いについて単純に嫌悪感を抱いていたが最後にはそれが意味のあるモノだと感じざるを得なかった。亜矢子の思考が180度変わったのも納得。逆さ吊りの女は結局霊だったのね。