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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2021/06/07
  • 出版社: 小学館
  • レーベル: 小学館文庫
  • サイズ:16cm/540p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-09-406805-4

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紙の本

汚れなき子 (小学館文庫)

著者 ロミー・ハウスマン (著),長田 紫乃 (訳)

交通事故に遭った母娘が病院に搬送された。母親の名前はレナ、娘の名前はハナ。切れ切れの証言から、レナと2人の子供を監視する“父親”がいることがわかる。警察は、レナが14年前...

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汚れなき子 (小学館文庫)

税込 1,320 12pt

汚れなき子

税込 1,320 12pt

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商品説明

交通事故に遭った母娘が病院に搬送された。母親の名前はレナ、娘の名前はハナ。切れ切れの証言から、レナと2人の子供を監視する“父親”がいることがわかる。警察は、レナが14年前に誘拐された被害者ではないかと考え…。【「TRC MARC」の商品解説】

米アマゾン2760レビューの超ヒット作!

真夜中、ひと組の母娘が救急車で病院に搬送された。母親は自動車事故に遭い、重傷を負っていた。母親といっしょにいた少女は幸い無傷だった。母親が救命処置を受けている間、少女は看護師に身元を聞かれるが、少女は母親の名前がレナであること以外は何も明かさない。看護師が電話番号をたずねると少女は言った。
「うちには電話ないの」
「じゃあ、住所だけでも? 住んでる通りの名前、わからない? 誰かを向かわせて、パパを連れてくることができるかも」
そう看護師が言うと、少女はゆっくりと首を振って囁いた。
「私たち、見つかっちゃいけないんだよ」

その後、少女が語ったのは、事故の夜、少女の母親がうっかり父親を殺そうとしたこと。小さな弟がひとり今も〈小屋〉に取り残されていること。そして〈小屋〉での奇妙な暮らしぶりだった――。

物語はこの少女の視点の他に、事故に遭った母親の視点と、もうひとり、行方不明の娘を探す父親の視点の三つで描かれていくのだが、やがて少女と母親の語りから、二人がともにどこか異様なことに読む者は気づき始める。
この作品に捜査機関は登場するが、彼らはあくまでも脇役である。やがて結末近くになってようやく事件の全貌が見えるのだが‥‥。

デビュー作にして見事なページターナー!
2020年、ドイツ推理作家協会賞(正称:フリードリヒ・グラウザー賞)最終候補作!
ドイツ・アマゾンのレビュー1690超、★平均4.5!
米国アマゾンのレビュー2760超(2020年10月発売、半年累計)、★平均4.5!
今後ドイツのスリラー界を担う最右翼新人作家の作品を、満を持して紹介する。【商品解説】

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みんなの評価3.7

評価内訳

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  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

他人の心を支配することはできない

2022/05/22 13:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み終えて、とても凝った構成だと思った。
初めにある女子大生が帰宅途中に行方不明になったという新聞記事、そしてその失踪女性と思われる人物のモノローグが描かれ、ストーリーはこの後の脱出までの物語と、警察の捜査班の交互視点で語られるのか・・・と思いきや、なんと正体不明の女の子の語りが突然登場して、読者は事実関係の真空地帯に放り出された、とでも言うべき奇妙な感覚におそわれる。
そのうち、失踪女性の父親の物語が入ってきて、彼ら両親の長年の苦悩、警察への不満と不信感、マスコミへの依存・・・と、真相からもっとも遠い視点での話になってくる。
ところが、脱出したと思しき失踪女性が交通事故に遭い、運ばれた病院での両親による本人確認がとれない、ということで俄然この物語は何かスッキリしない、何かものすごく重大な事実が省略された欠片なんだと気付かされるのだ。

過去に読んだこの手の物語では、正体不明ながら必ず犯人目線での語りパートがあるのだが、この作品では犯人の内面よりも、異常な状況に長期間置かれた人間の心のありようと、そこからの解放がテーマなのだと思う。さらに、普通の人生を知っている人間の自由への欲求と、監禁生活しか知らなかった子供がいかに外の人生に目を開いてゆくのかを丹念につづった自己流のセラピーの過程の話でもあるのだ。とても複雑で、単なる異常な犯人の起こした凄惨な事件だけの話ではない。とても奥が深い物語なのだ。

個人的には、レナのお父さんに感情移入できた。ずいぶん愚かな行動もとってきたが、それも娘に対する愛ゆえのこと。誰も頼りにできず、大切な家族の姿が歪められてゆくのは、本当に耐えがたいことだと思う。そして犯人がラストで言う「僕たちは似ていないわけじゃない・・・」という言葉。
愛とは、自分のためのものなのか、それともそれを注ぐ相手のために存在するものなのか・・・。
深く考えさせられる作品だった。次回作が翻訳されるのが待ち遠しい作家だ。

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2021/06/14 17:26

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2021/07/24 00:08

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2021/08/03 20:54

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2021/11/12 09:01

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2022/04/24 16:50

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2022/10/09 18:16

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