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紙の本
狼たちの城 (扶桑社ミステリー)
著者 アレックス・ベール (著),小津 薫 (訳)
第二次世界大戦の末期、ニュルンベルクのユダヤ人古書店主イザークにポーランド移送の通知が届いた。彼は絶望のなか、レジスタンスに関わる元恋人に助けを求めるが、彼女が用意したの...
狼たちの城 (扶桑社ミステリー)
【セット限定価格】狼たちの城
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狼たちの城
05/02まで通常1,320円
税込 858 円 7ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
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商品説明
第二次世界大戦の末期、ニュルンベルクのユダヤ人古書店主イザークにポーランド移送の通知が届いた。彼は絶望のなか、レジスタンスに関わる元恋人に助けを求めるが、彼女が用意したのはゲシュタポ犯罪捜査官の身分証で…。【「TRC MARC」の商品解説】
ナチス×スパイ×名探偵
前代未聞の歴史反転ミステリー!
招聘されたゲシュタポ犯罪捜査官。
その正体はユダヤ人の古書店主!
第二次世界大戦の末期、ニュルンベルクの
ユダヤ人古書店主イザークと家族のもとに
ポーランド移送の通達が届く。彼は絶望の
なか、レジスタンスに関わっていると聞い
たかつての恋人クララを頼るが、彼女が用
意してくれたのはゲシュタポの特別犯罪捜
査官アドルフ・ヴァイスマンとしての偽の
身分証だった。イザークは受け渡しの場で
ヴァイスマンに間違われたまま、ナチスに
接収された城内で起きた女優殺人事件の捜
査に臨むことに。ゲシュタポの深奥部で彼
は無事生き抜き、事件を解明できるのか?【商品解説】
著者紹介
アレックス・ベール
- 略歴
- Alex Beer
アレックス・ベール
1977年、オーストリアのブレゲンツ生まれ。ルステナウで育ち、広告業界で2年過ごしたあとウィーン大学で考古学を学ぶ。2008年、本名のダニエラ・ラルヒャー名義で執筆活動を開始。2017年、アレックス・ベール名義で、第一次世界大戦後のウィーンを舞台とする刑事アウグスト・エメリッヒ・シリーズの第一作『Der zweite Reiter』を執筆、レオ・ぺルッツ賞を受賞。2019年、オーストリア・ミステリー大賞を受賞。2020年には本書の続編が発表された。ウィーン在住。
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紙の本
狼たちの城
2021/06/23 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユダヤ人のイザークがゲシュタポのヴァイスマン少佐になりかわり殺人事件と家族を助けるという一人3役のような作品でしたがイザークがゲシュタポのいる城や本部で自分の心に打ち勝ち試練を乗り越えて目的を達成していくところが面白かったです。
紙の本
ナチ×スパイ×名探偵×歴史反転ミステリー
2022/08/13 16:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る
1942年3月ニュルンベルク。ゲシュタポ高官宅で人気女優の惨殺死体が発見される。スキャンダラスな事件解決のために、ベルリンのゲシュタポは特別犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマンを送り込む。一方ユダヤ人古書店主イザーク一家のもとにポーランド移送命令が届く。家族を守るため、抵抗勢力メンバーと聞いたかつての恋人クララを頼るが、彼女が用意してくれたのはヴァイスマンの偽の身分証だった。イザークは受渡しの場でヴァイスマンに間違われたまま、女優殺人事件の捜査をする。なりすましの露見、抵抗勢力との接触などの危機に直面しながら、事件解決と家族の命を守るための素人捜査官のドラマが始まる。イザークの犯罪トリック推理も興味津々だが、ゲシュタポ深奥部でどのように生き抜き、危機を脱するかが面白い推理小説。
ナチ「反転」物語には、負傷親衛隊にすり替わりドイツを脱出する英国兵士を描いた「アルファベット・ハウス」(早川文庫)や親衛隊から殺人事件捜査を命じられるベルリン元敏腕刑事でユダヤ人のオッペンハイマーの「ゲルマニア」(ハラルト・ギルバース集英社)がある。オッペンハイマーには事件を解決しても命の保証はなく、行くも地獄、戻るも地獄であるが、イザークは偽物であり捜査の素人、しかも、抵抗勢力に加担、また、家族も守らなければならない、とさらに立場は厳しい。
古書店主として得た知識を活用し、捜査官然とふるまうイザーク。敵国英国のホームズや頽廃的とされた著書が焚書され、ドイツ市民権を剥奪されたユダヤ人諷刺作家クルト・トゥホルスキーの箴言を引用しながら、有能な助手の親衛隊伍長シュミットを翻弄しつつ使いこなすところは、皮肉たっぷりのホームズ=ワトソン・コンビだ。
フィクションであるが、作者は「場所的にも時代的にもできるだけ真実に近づけるように」したという。「ユダヤ人問題の最終的解決」を決定し、イザークがその議事録に翻弄されることになる「ヴァンゼー会議」は2か月前に開催されている。容疑者とされたニュルンベルク・ゲシュタポ長官代理ノスケは実際には会議出席者ではないが、別の地で長官となり、独ソ戦で「特別行動部隊」指揮官となった同姓の親衛隊がいる。ノスケの肩書ユダヤ人問題担当課長は実際にはあのアドルフ・アイヒマン、「人民法廷」の「死刑執行人」裁判長オットー・ローターは、ローラント・フライスラーがモデル。そして捜査指揮権を巡ってナチス内部の権力闘争カオスも描かれる。
イザークはヴァイスマンに似てはいたが、整髪し髭をおとして綺麗なスーツを着ただけで「彼は風采よく見えた。ドイツ的な魅力があった。厳しくて尊大で。」街ではアーリア人女性から言葉をかけられるし、ラーン秘書からは愁眉を送られる。「前の日にはまだ、彼に唾をはきかけ、侮辱的な言葉を浴びせかけていた人々が、今日は彼に敬意を示している。彼らの丁重さは、髪型と親衛隊のしるしに、むけられているのだ。彼らは、その奥に隠れているユダヤ人を、今なお見下している。」ナチ社会をイザークは体現したのである。
2020年続編『隠れた敵』Der verborgene Feindが出版された。前作から2週間後。イザークは、ノスケの秘書ラーン嬢を通じてナチ支配層にアクセスし、抵抗勢力のスパイとなる。一方2年前と同じ手口で二人の若い女性が絞殺される殺人事件が発生。事件解決を急ぐベルリンは、ヴァイスマンにこの事件の解決を命令、イザークはまたも特別捜査官になってしまう。しかも彼の評判を妬む者も現れ、自らの身辺も危うくなる、という展開のようだ。敗戦までヴァイスマンのままでやり通せるのだろうか。そして家族の命運は?