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ロデリック・ハドソン (講談社文芸文庫)
彫刻家を目指す美青年ロデリックと若き庇護者ローランド、純真素朴な婚約者メアリ、絶世の美女クリスチーナ。モダニズム文学の先駆者が1875年に発表した、4人の恋と芸術、人生の...
ロデリック・ハドソン (講談社文芸文庫)
ロデリック・ハドソン
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商品説明
彫刻家を目指す美青年ロデリックと若き庇護者ローランド、純真素朴な婚約者メアリ、絶世の美女クリスチーナ。モダニズム文学の先駆者が1875年に発表した、4人の恋と芸術、人生の深淵を巡る物語を60年ぶりに新訳。【「TRC MARC」の商品解説】
芸術に理解をもつ金持ちの独身青年ローランドが、アメリカ・マサチューセッツ州ノーサンプトンの片田舎に住む天才芸術家の卵ロデリック・ハドソンを見いだし、イタリアで大成させようとする過程を、複雑な恋愛模様、芸術家の苦悩、アメリカとヨーロッパの確執を交えてダイナミックに描く長篇小説。英国批評界の重鎮F・R・リーヴィスから、「古典と称される多数の小説などよりも、永久に読み継がれるべき卓越した作品」と絶賛された。小説の魅力が横溢する傑作であり、ヘンリー・ジェイムズ初の長篇小説、60年ぶりの新訳決定版!【商品解説】
著者紹介
ヘンリー・ジェイムズ
- 略歴
- ヘンリー・ジェイムズ
Henry James(1843・4・15~1916・2・28)小説家。アメリカ生まれ。プラグマティズムの哲学者ウィリアム・ジェイムズは兄。幼時からヨーロッパでの滞在が長く、ハーバード大学へ入学するも中途退学し、76年にロンドンへ移住して以降、本格的な執筆活動に入る。最晩年にはイギリスに帰化するが、翌年、ロンドンにて死去。一作中人物の眼から他の登場人物や出来事を描くという、いわゆる「視点」を採用した作家として二十世紀の作家に大きな影響を与え、「心理小説」の先駆者とも称される。作品に『ロデリック・ハドソン』『アメリカ人』『デイジー・ミラー』『ある婦人の肖像』『ねじの回転』『鳩の翼』『使者たち』『金色の盃』など多数がある。
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紙の本
苦悩へと傾く人生
2022/02/14 23:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人の持つ背景や性格が、人生を織りなしていくことの深みを見つめる面白さがあった。
主人公の人生は、楽しさより、苦悩へと傾いていき、次第に激しい暗さを帯びいくのだが、 ローランドという、客観的で、冷静な見方をする人物を通して語られることで、読者は、苦悩する青年ロデリックを、どこか突き放して見つめ、様々な状況を考えることができる。しかしながら、物語の終わりの衝撃は、強く印象に残り、重々しさを残す。
全体的には、個性を持つ人間が織りなす人生模様を辿る楽しさと重厚さを読むことができたように思う。
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ロデリック・ハドソン
2021/09/02 17:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで読んだ小説でも最高のうちのひとつだった。芸術に理解があり、遺産を継いだ資産家ローランドに天才として見いだされたロデリックは、故郷に婚約者を残してローマに遊学する。そして絶世の美女クリスティーナと出会い、互いに思いを寄せる。
一時は互いに婚約者を捨てるようなかたちで関係を持っていた二人だが、ロデリックの婚約者に思いを寄せるローランドの説得やクリスティーナのプライドを壊す告白により、2人の関係は一応終わりを告げる。この後も物語は続くのだが、劇的な方向に進むので、あらすじはこれくらいにする。
とにかく重層的な人間関係に惹かれた。ローランドとロデリックに限っても、単なるパトロンではなく、批評家と芸術家であり、資産家と生活困窮者であり、凡人と天才である。芸術と愛をめぐるとても美しい小説だった。