紙の本
読むなよ!読むなよ!
2021/09/20 23:08
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pascal - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはこの本の帯に書かれている言葉です。もちろんダチョウ倶楽部の上島竜平氏が熱闘風呂に入る時に周りにかける言葉として有名です。では、今をときめく(?)AIがこの言葉を理解できるのだろうか、そんな切り口で真面目な「言語学」の話がなされます。
とは言え、もちろん表紙に長州力が描かれているなんて、ただの言語学の本ではないわけで、一般の人たちが言葉について考えるきっかけになると思います。
この本はROUND1ですから、個人的にはROUND2以降も期待しているところです。
出すなよ、出すなよ!
紙の本
ユーモラスで示唆に富んだ言語学×エッセイ。
2022/05/16 00:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
言語ほど私たちと密接な関係にある分野はそうそうないだろう。
年代や職業、出身国や趣味嗜好問わず人と人とがコミュニケーションをとる上での基盤となり、人類の発展に大きく関わってきた言語。
では、私たち人類と切っても切り離せない言語を専門とする言語学とは一体どういう学問なのだろうか。
本書はそうした疑問に対してのベストアンサーとなりうる一冊である。
プロレスやアーティスト、誰もが知る国民的大ヒット曲からアニメ等私たちの身近なものを例にとり、言語の深淵さを垣間見せてくれるのだ。
また、思わず笑ってしまうような軽妙洒脱な文体も本書の醍醐味。
言語学初心者はもちろんのこと、言語学に興味のない方でもエッセイとして十分に楽しめる作品となっている。
意味や意図の違いや、言語の持つ曖昧さや不明瞭さ。
普段私たちはこれらを難なく使いこなしているわけだが、AIはこれを適切に判断できない。
本書は言語が如何に奥深く複雑で、素晴らしいものであるかを再認識させてくれる。
しかしその一方で、言語に対する私たちの姿勢には反省すべき点も存在する。
言語の正誤に囚われマウントの取り合いを繰り返し、他者へ攻撃的な言葉を投げかける風潮には著者も警鐘を鳴らす。
著者の文体の様なユーモラスで朗らかな姿勢こそが、言語を用いる私たちにも必要不可欠ではないだろうか。
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著者Twitter: https://twitter.com/zoeai
◆「言語学バーリ・トゥード」川添愛さんインタビュー ダチョウ倶楽部やラッシャー木村をAIは理解できる?(朝日新聞「好書好日」2021.9.3) https://book.asahi.com/article/14429444
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川添先生の軽妙洒脱な書き味が心地よい。プロレスはそれほど詳しくないが数々のエピソードも楽しく読ませてもらった。帯の上島竜兵のイラストもよい。
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新聞の書評で読んでKindle購入。
そういえば言語学の授業好きだった。
いい感じのめんどくささがあり、作者をちょっと追いたくなっている。
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2年近く前から単行本化を待っていたけど、バーリ・トゥードってどういう意味か気にしたこともなかったわ。w
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サブタイトルが上手い。全部がAIの話じゃなく、歌のタイトルやらプロレス技やら語呂合わせやら自虐発言の返し方やらいろいろあって面白かった。ちょうど例の格付け番組をやってるタイミングで読んだら、著者がTwitterで呟いてた!
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出版社サイト
http://www.utp.or.jp/book/b582876.html
書評(毎日新聞7/31)
https://mainichi.jp/articles/20210731/ddm/015/070/029000c
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「恋人 は/が サンタクロース」で意味がどう変わるか
AIは上島竜兵の「絶対に押すなよ」が理解できるか
等々、日常にあふれるコトバの面白さにまつわるエッセイ
途中出てきた「洋画や洋楽の邦題のセンスとはなにか」というテーマだけで1冊書いてほしい!
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言語学については、高校生の頃大学模擬授業で、ちびまる子ちゃんで各キャラがまるちゃんをどう呼ぶか?を紐解いていくと、キャラとまるちゃんの心理的距離感がわかる。(内容はかなりうろ覚えだが)という授業を受けて興味があったという経緯があり、本屋さんで目についたこの本を手に取った。
連載記事のまとめなので、1話1話短めで各テーマも面白いし身近な例を使いながら紹介してくれるので読みやすい。筆者のテンションもあり、どんどん読み進めることができる。個人的に好きなのはGLAYのTERUさんと氷室京介さんの対談で、TERUさんが見せた見事な返し。うまいなあっと思わずメモってしまった。
他の本も読みやすそうなので手に取ってみようと思う。
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前提の問答は日常よく起こっているように思われ、この問いには「勝手に決めつけるな」と切り返すしか手がないようで円滑な会話の中では言いづらいのですが、前提できたと分かれば会話の流れを警戒したいです。過剰一般化も、やってしまっているかもしれなく、主語が大きい文になっていないか、例を挙げていると伝わっているか、気をつけたいところです。
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言語学の先生。先生と言っちゃ悪いか。
文体は、鳥類学者のあの人みたいで、正直かなり脱線してウザイのだ。情報量だけなら半分くらいで済むんじゃないか。
それでも後半は多少こなれて来て、読みやすくはなってきたが。
こういうの愉しむ気分でもなく飛ばし読みしたら、何も頭に残らなかった。
意味と意図の違いはよく分かった。
それが副題の、絶対に押すなよ、だった。
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『言語学バーリ・トゥード』川添 愛
冒頭から、ラッシャー木村の「こんばんは」事件のことから始まるマニアックさから、こんな本読む人いるのかいなと思うが、元々この本を買ったのはジュンク堂の読書週間おすすめ100冊に入っていたから。結構読まれているということだろう。
読み進むと、内容はとても興味深い。AIはダチョウ倶楽部の「絶対押すなよ」を理解できるかとか、「恋人は/がサンタクロース」の違いについて、かなり詳しく説明されている。
知的好奇心が湧き上がる本である。
読み終わってこの文章を書くにあたり、あらためて著者の名前を確認した。
「愛って名前の男性、いるのかな、なんて読むんだろう?」
プロレス・格闘技の知識からてっきり男性(良い年の親父)を思い浮かべてたけど、調べたらわりと童顔の女性じゃないか!
それが一番の衝撃であった。
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言語学やAIについて積極的に一般向けの著作を発表なさっているのは存じ上げていたがもう少し小難しい感じで迫ってくるのかと食わず嫌いをしていた
訳のわからんタイトルにひかれというかジャケ買いをしたら大当たりだった
欲を言えば一つ一つのテーマから専門的な方向に踏み出すための読書ガイドが欲しいけど
困難は専門とは全然違う手遊びだよ
とか言われちまうのだろうな
やはり言語学者には近寄らない方がいいという偏見が拭いされない
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東京大学出版会のPR誌『UP』連載がたのしみでたのしみで、掲載されている号を図書館でまとめて借りては読んでいたのが、はやくも書籍化。最初の12回分(←11回までは読んでいる)+書き下ろし4回(←うれしい!)、さらにコジマコウヨウ氏の描き下ろしにして絶妙なイラストもたっぷり添えられており、連載で読んでいる人にも楽しみの多い本になった。連載はさらに続くようだから、もうそろそろ定期購読にしようかなぁ…
プロレスネタが多いので、プロレスが好きな人はもちろん面白く読めること請け合いだけれど、わたしのような「バーリ・トゥードなにそれおいしいの?」状態でも気楽に読んで得るものがある。
言語学徒の端くれとしてはやはり「違う、そうじゃない」や「ことば地獄めぐり」など自分の立ち位置と世間の期待や想像とのギャップにもやもやしたりもだえたりしてるあたりが共感の嵐だし、「宇宙人の言葉」「本当は怖い『前提』の話」などは言葉のおもしろさやこわさがよくわかるので、みんなに読んでもらいたくなる。