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護られなかった者たちへ (宝島社文庫 このミス大賞)
著者 中山 七里 (著)
仙台市で拘束状態の餓死死体が発見された。被害者は人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくく、捜査は暗礁に乗り上げる。一方、死体発見から遡ること数日、模範囚が出所し…。2...
護られなかった者たちへ (宝島社文庫 このミス大賞)
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商品説明
仙台市で拘束状態の餓死死体が発見された。被害者は人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくく、捜査は暗礁に乗り上げる。一方、死体発見から遡ること数日、模範囚が出所し…。2021年10月公開の同名映画の原作。【「TRC MARC」の商品解説】
号泣必至!
佐藤健、阿部寛出演!
10月1日映画公開予定の「骨太社会派ヒューマン・ミステリー」ついに文庫化です。
誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。
怨恨が理由とは考えにくく、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
しかし事件の数日前に、一人の模範囚が出所しており、男は過去に起きたある出来事の関係者を追っているらしい。そして第二の被害者が発見され――。
社会福祉と人々の正義が交差したときに、あなたの脳裏に浮かぶ人物は誰か。
※画像はポスタービジュアルです【商品解説】
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とても苦しい
2021/07/25 07:21
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
生活保護、作中にもありましたが、一時期テレビで不正受給が取り上げられたり問題になったりで多くの人が存在は知っていると思う。
けれど、その制度にこんなにも救われていない人がいるのがとてもショックだった。
これはあくまでフィクションだけど、ここに書かれていることは実際に現実で起こっていることだと思うから、どうか多くの人に読んでもらいたい。
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描かれた生活保護未受給を巡る悲惨さに、改めて、日本はどうなってるのかと思う。...もちろんフィクションなんだけど。
2021/09/30 19:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当に必要なひとに対しても、国の方針に忖度する形での役所による生活保護受給の申請却下。それが、どれだけ無残な被害をもたらすのか。
本書は、殺人事件を巡るミステリーではあるが、読者としては、その制度に「護られなかっったひと」の悲惨さと無念を思う。これは、国家による殺人ではないか...と。
そして、事件は、緩やか餓死をいざなうカタチの殺人でもあって、もう先はどうなるどうなると、一気読み状態になるのは、この作家の作風のせい。どんでん返しももちろん。
ちなみに、巻末で、映画化された作品について、監督と作家の対談があるが、映画のほうは、また、違う展開になるらしい。そこまで含めると、もう何度も面白い一冊でもある。
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映画も観てみたい!
2022/01/25 19:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻末の著者と監督との対談で、結末を変えたとあった。作品としても惹き込まれるのに、加えての俳優陣。映画を観てから再読するのも面白いかも。
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フィクションではありますが…
2023/06/02 17:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ムーミン・パパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実に生活保護制度については問題ありますよね。勿論フィクションなので脚色はあるでしょうけど…不正受給が無くならない限り審査もきびしくせざるを得ないでしょう。
私は映画は観ていませんが、テレビCMは何度も観ましたし、カバーにも演者さんが出ているので、読んでいる際もイメージが浮かんで気になるかなと心配しましたが、ストーリーの展開に惹き込まれ全く気になりませんでした。
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重いです
2022/08/26 07:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:lucky077 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生活保護をめぐり、いい加減な対応する者、関与している強い(権限がある)立場を利用し欲にかられる者、なんとか弱者を助けたい者を描き、義憤による連続殺人事件が発生?
生活保護を打ち切られ、空腹を紛らすためティシュを食べていた描写といい、重く感じる部分が多かったです。ミステリとしても、以外な犯人にビックリしました。ただ、ミスリードが多すぎる印象でした。
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本当に援助が必要な人は誰か
2021/11/06 08:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まおり - この投稿者のレビュー一覧を見る
丁度、衆議院選挙の中で読みましたが、政治が本当に必要な人に手が差し伸べられているのか考えさせられました。政治家は国民の声を聴くと言いますが声を上げられない人も多くいることをわかって欲しいですね。今の社会の中に存在する多くの問題を投げかけている本で多くに人に読んでもらい考えて欲しい作品で死した。犯罪はしてはならないですがどうしたら人々をすくえたのでしょう。
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護られなかった君たちへ
2021/09/18 08:05
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画の試写会前に読んでみようと思いました。苫篠刑事の心と利根との社会福祉をめぐる犯罪でしたが、本当の真犯人は利根の弟分のかっちゃんだったという少し悲しい話と最後まで真犯人がわからないというや中山七里作品の面白さを満喫できました。
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本作のわずかな希望は、読者の『勇気を上げての声』なのかも、と考えさせられる内容
2021/08/02 17:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Nagi - この投稿者のレビュー一覧を見る
生活保護関係の業務を請け負う福祉保健事務所職員の連続殺人事件。
いずれも死因が餓死。
物証になりえる証拠が極端に少なく、捜査が困難を極める中、笘篠刑事の執念に近い“刑事の勘”により、2人の被害者の共通点を見つけ出すと、利根という人物が捜査線上に浮かび──という流れで、追う側である笘篠視点と、重要参考人である利根視点の2視点構成で綴られている作品、読んだ人はこの視点構成でうっかりミスリードされたのではないでしょうか。
私がミスリードに気付いたのは、誰もに「真面目」と評される利根が、笘篠の尋問に「やってない」と明言したところでした。
最初に「カンちゃん」が登場したとき、フルネームのフリガナにミスリードされたというか、読み流しており、あとで作者の中山七里さんが「ミスリードの帝王」と称されていることを知って納得した次第。
映画公開の報がこの作品を手に取ったきっかけですが、宣伝の謳い文句のとおり、『誰が悪なのか』について考えさせられざるを得ないお話でした。
犯人が福祉保健事務所の職員を殺害した理由は怨恨、その動機は、
“家族同然だった大切な人を、水際対策によって生活保護申請さえ受け付けてくれず餓死させた=殺した”
というものでした。
加えて、税金という同じ支出処から「最低限の文化的生活」が維持される刑務所には、しばしば更生のしようがない人間がいて、それも含めて生活が保障されている一方で、明らかに生活に困窮している様子が見て取れる高齢者の生活保護申請を「行方不明の弟を探して支援できないという証明を採ってきてください」という大義名分で追い払われてしまう人もいる、という現実を突きつけられる場面もあり、日本の社会制度の矛盾を改めて考えさせられる内容でした。
生活保護の水際対策問題や不正受給のほか、東日本震災の復興とその影、利権問題など、社会問題がてんこ盛りで、もうどこから手を付けていいのか、ひとりひとりがどうあるべきか、すべきか、一枚岩になれない人の業が生み出したものなのか、と頭がぐちゃぐちゃになる、しんどいお話でした。
犯人が犯行声明とも受け取れるSNSにpostしたメッセージが、この作品の中で最も印象に残った言葉です。
『何度でも勇気を持って声を上げてください。不埒な者が上げる声よりも、もっと大きく、もっと図太く』
生活保護に限らず、いろんなことについても言えることなのだろう、と思います。
また、上げられた声を受け取る姿勢を忘れてもいけないのだろうとも思います。
今のこのご時世だから、余計に身につかされて考えてしまうのかもしれません。
支援したくても、自分の生活に精いっぱいで不可能な場合、どうしたらいいのだろう…。
雇用が不安定になって久しい今の社会で、明日は我が身と思う話が、この作品のあちこちに散りばめられていて、フィクションの上での他人事、とは思えない人物が「生活保護受給者の実態」として描写されているところもありました。
映画公開によって、今以上に多くの人に作品が知られ、「自分に何ができるか」と考えて行動をしてくれる人が少しでも増えるといいな、と思います。
不正受給を咎める声以上に、水準の低さに改正を求める声や、消費税増税に伴って何が歳出として増えているのかを市井にも届きやすいよう工夫してほしいという声などを大きくしていけたらいいんでしょうかね?
作品を観て、読んで、そういった会話があちこちに生まれて大きな動きになってくれることがいいのでしょうか。
などなど、考えさせられる作品でした。
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映画化された作品
2021/09/21 21:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ最近、中山作品を読み続けているせいか、中程まで読んだところで、事件の概要が予測できた。
それでも、生活保護の実態を知ることができ、興味深く、読みごたえのある作品だった。
それぞれの立場に立つと、それぞれの気持ちも理解でき、本当の悪人はいないような気がして、何とも歯がゆく、痛ましい気持ちになった。
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社会派ミステリー
2021/08/19 10:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
福祉保健局に勤める男性が殺された。体の自由を奪い、水も食事も与えない状態で餓死していた。そして福祉保健局に勤めていた代議士も同じ手法で殺害された。怨恨による連続殺人で捜査にあたるが・・・・・。
復讐は決して許されることではないが、自分がその立場であれば考えてしまうのでしょう。今回の被害者は過去においては間接的な加害者でもあったこと、生活保護の申請を予算の都合で却下したことが遺恨となっていた。身分(生活)が保証されている公務員に対する批判も多いのは、このような上意下達のみで動く、現場を全く知ろうとしない姿勢なのでしょうね。考えない人間に力と権限を与えることがどのような災いを引き起こすかを改めて理解できた気がした。
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護るということの本当の意味
2022/09/19 17:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆずりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
生活保護に携わった方のお話を聞いたことがある。そのとき、一筋縄ではいかない、精神的に大変だという印象をもちました。
個人情報だらけで、公に見えにくいけれど、人の生き死にを左右する大切な仕事。本気で、一人一人に丁寧に関われば、精神的に参ってしまうのではないかと思われました。
作品中の、木で鼻をくくったような対応、冷たい態度には、憤りを感じます。
社会保障システムが悪いのか、底辺を見ようとしない政治家が悪いのか
これは、現実に起こっている問題なのだと、痛切に思いました。
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考えさせられる
2022/06/18 10:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごん吉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代社会の問題を痛感して、考えさせられる本でした。
ラストに驚きました。
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護られなかった者たちへ
2021/12/07 22:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロケロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画化されるということで、気になって読んでみました。
フィクションではあるが、現実にあることなんだろうなと思いました。
とても考えさせられます。
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知らない世界が見える
2021/11/03 13:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もるち - この投稿者のレビュー一覧を見る
刑事ものの大きな話の展開はないが、知らなかった世界で起こりえる(本当に起こっているのかもしれない)事柄を知ることができる。かなりの部分を絶対この人物が怪しいと思い続けて読んでいて、最後にそうだったんだ、、と思うと最初に疑った人物の優しさとこの人物に共感を覚える刑事二人組の人間性がにじみ出る作品だと思った
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設定が不自然
2021/10/18 23:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
終盤にかけてグイグイと読むものを引っ張っていく。久しぶりに徹夜をしてしまった(齢をとってからの徹夜は辛い…)。最後の真犯人も意外性があるし,でも論理的に考えたらそうだよなって納得できる。巧みに構成されたすぐれたミステリだ…。だけれども,被害者2名の人物設定が不自然だ。本当に犯人が言うような人物であれば,いくらなんでも組織の人々や家族が聖人君主のような供述はすまい。もしそうだとしたら,社会福祉に携わる人間はすべて押しなべて腐った偽善者だということになってしまう。そうではあるまい。というわけで,不自然さから☆一つ減。