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紙の本
生きのびるための流域思考 (ちくまプリマー新書)
著者 岸 由二 (著)
水土砂災害は、豪雨ではなく、「流域」という地形や生態系が引き起こす現象。流域の基本構造や水循環機能、鶴見川流域の総合治水などを紹介し、流域思考の治水や自然保護、持続的な未...
生きのびるための流域思考 (ちくまプリマー新書)
生きのびるための流域思考
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商品説明
水土砂災害は、豪雨ではなく、「流域」という地形や生態系が引き起こす現象。流域の基本構造や水循環機能、鶴見川流域の総合治水などを紹介し、流域思考の治水や自然保護、持続的な未来づくりについて考える。【「TRC MARC」の商品解説】
予想以上の雨が日本列島を襲っている。頭上の雨だけでは水土砂災害は分からない。雨は流域で集められ、災害を引き起こす。いまこそ、流域思考を身に着けよう!
近年、水土砂災害が急増した第一の理由は、強い雨が増えていることです。これからの50年、100年、200年にも及ぶ深刻な地球温暖化の表れだという意見も有力です。現状は、数十年間隔の気象変動のレベルという解釈も完全に否定されているわけではありませんが、いずれにしても、ここ10年の動きを見ていると、今までの常識では対応できない豪雨が増えていることは事実です。
この傾向はこれからも続くと考えておくべきでしょう。わたしたちは、すでに温暖化豪雨時代の入り口にいるのかもしれない。そう判断し、対応していくほかないと、思われます。
ところが、現状はその緊急事態とも言える状況に、社会が長きにわたり、適切に対応できずにきたのです。一般社会のレベルだけでなく、報道や自治体のレベルでも同じことが言えるのです。
――「長いまえがき」より
岸由二 豪雨 豪雨災害 生きのびるための流域思考 流域 流域地図
「流域思考」とは?
雨の水を川に変換する大地の構造のことを「流域」と呼びます。豪雨が引き起こす水土砂災害は、大小のスケールにかかわらず、「流域」という地形や生態系が引き起こす現象です。日本の利用可能な土地はほぼ河川の流域に属しており、流域は行政区域に関係なく広がっています。行政によるハザードマップだけではなく、この「流域」を枠組みとした「流域思考」を知ることで、豪雨による災害にきちんと備えることができるようになるのです。
イラスト/たむらかずみ【商品解説】
頭上の雨を見ているだけでは水土砂災害は分からない。雨は流域で集められ、災害を引き起こす。いまこそ、流域思考を身に着けよう!【本の内容】
目次
- 長いまえがき〈なぜいまこの本を出版するのか〉
- 豪雨災害の時代がはじまっている/「流域」を知らないと命が危ない/足元の「流域」から都市を考える
- 第一章 流域とはなにか
- 1 流域の基本構造
- 地球は水循環の惑星だ/流域を多面的に理解しよう/流域がつくり出す流水の姿
- 2 流域の水循環機能
- 流れる水と地面の関係/雨水はどのようにして川の水になるのか
- 3 「流域」の機能を理解するための基礎知識
- ハイドログラフって?/降雨のパターンで見てみよう/保水と遊水/大きな森は大きな保水力を持っているから安全!?/急傾斜の流域では/流域の形と流出パターン/雨のパターンで考える
- 4 流域治水の時代がやってきた
著者紹介
岸 由二
- 略歴
- 〈岸由二〉1947年東京生まれ。東京都立大学理学部博士課程修了。慶應大学名誉教授。NPO法人鶴見川流域ネットワーキング、NPO法人小網代野外活動調整会議ほか代表理事。
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紙の本
斬新な考え方
2021/12/13 13:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
スポットとしての場所ではなく、川などの水系を中心にした流域に着目した斬新な考え方です。上流の雨量が下流の増水につながるなど、関係あるものを一体として見ることの重要性がよくわかります。
紙の本
面白い話でした
2021/07/26 11:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「豪雨災害を防ぐためには、河川の流域を把握することから始めよう」というモットーで書かれた1冊です。
神奈川県を流れる鶴見川を取り上げ、著者のアドバイスを受けた国がしっかり治水対策を行ったことで、最近の豪雨でも鶴見川流域では大した被害が出なかったことを大きく取り上げています。写真や地図、表などもふんだんに使用されていて、読みやすい内容に仕上がっています。私にとって、面白い話でした。
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科学や数学の知識がほとんどなくても理解できた
2021/09/26 18:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あけみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この類の本はたいてい数式が出てきて、難しい内容になるように感じるが、数式は全く使われず、イラストとグラフで表現されている。これだけ雨が降れば、川の河口の流域ではこのような時間軸で水がやってくることがイメージできた。
鶴見川流域の話で、全く土地勘がないが、地図と写真の補足説明で、イメージできた。自分の近所の流域も調べてみようと思う。