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商品説明
飛行機みたいに落ちゆく私 タオルケットたった一枚 広げて待ってる女の胸は(「午前四時」より) 『BRUTUS』での連載を中心に、近年の代表作全48編を収めた詩集。朗読が聴ける袋綴じ特典付き。【「TRC MARC」の商品解説】
幾重にも着込んできた 季節をすべて脱ぎ捨てて、
今では遠く無くしたものに、水の中で手を伸ばす——。
『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』以来、3年ぶりとなる菅原敏の新詩集は、
移ろいゆく暮らしを、やさしく抱き寄せ、綴った季節の詩。
〔読者特典:電話朗読付〕
燃やすとレモンの香る詩集や、毎夜一編の詩を街に注ぐラジオ番組など
数々の試みをおこなってきた菅原敏が、
今作では、遠い日々の断片を拾い集めてぺージに挟みこむように、
季節の情緒を12ヶ月の詩に写しました。
カバーを“脱ぐ”とあらわれる肌のような表紙や、
帯につくられた“小さな海” など、こだわり抜いた造本。
さらに朗読などの公演が叶わない今、一篇の詩を電話でお届けする
読者特典〔電話朗読室〕の電話番号を本書の中に隠しました。
雑誌『BRUTUS』での連載を中心に、
近年の代表作含む、12ヶ月×4編〔全48編〕を収録。
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>4月
暮らし
アスファルト上の片手袋を拾い上げると爆発する冬が終わって、動物たちが巣穴で目覚めるころ。やさしい光のなかでも私たちは少しだけ狂ってる必要があった。ほぼ毎日彼女は家にいるので、通帳なのか未来の姿なのか、私は何かを見ないようにと驚くほどに毎日眠る。オムレツリンゴヨーグルト、朝飯を食べ終わると午後三時。彼女の肌も荒れてきた。幸せな暮らしと正しい暮らし。睡眠薬とビタミン剤。それぞれの違いを交換したら洗濯機、私は彼女の下着を洗う。
>7月
冷たい水
肌と肌の輪郭が
あいまいに消えされば
国境を越えて
なめらかな山の稜線
カーテンの隙間から
初夏の日差しが
背中を打ち抜いて
ちいさな午後の死
ラジオのニュース
遭難者2名
同じコップで水を飲み
眠りに落ちる前に聞いた
ひとつのからだで
いきるための理由【商品解説】
目次
- <四月>
- 浴室の音楽
- 暮らし
- 春のしわざ 風のしわざ
- 接続詩
- <五月>
- 微笑み隠して 僕らは歩く
- パキラ
- 封筒の中の街
- 背中に気をつけろ
著者紹介
菅原 敏
- 略歴
- 〈菅原敏〉詩人。東京藝術大学非常勤講師。著書に「裸でベランダ/ウサギと女たち」など。
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