紙の本
じっくりと、考えながら読書したい時におすすめです。
2021/10/22 21:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポップな装丁に、インパクト大のタイトルに惹かれて購入しました。
すごく面白かったです!
多様な主義がぶつかり合う議論を通じて、人類の滅亡について考察する物語。
主軸となるのが「反出生主義」で、お恥ずかしながらこういった考え方があることを初めて知りました。
好きなドリンクを片手に、ちょっと甘いものでもつまみながら、じっくり考え込みつつ読書したい時におすすめの一冊です。
紙の本
とても読みやすくわかりやすい内容
2022/01/31 21:12
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルのインパクトで気になり、著者がオモコロライターのダ・ヴィンチ・恐山さんだと知って読んでみた。
突然現出した魔王が「自分は全能の王であるのに、なぜ人類を滅ぼすという使命を命じられるのか」ということに疑問を抱き、異なる主義思想を持つ十人の人間に「人類を滅ぼすべきか」を議論させるという形で反出生主義の主張と反証を解説している本。
本の中で著者は反出生主義についても人類滅亡についても肯定的意見も否定的意見も決定していない。
こんな考え方もあるんだと勉強になったし、道徳や善悪の分類もなるほどなーと思えた。
自分の主義主張やなんかは置いといて。
結局のところ主義主張を持つのはともかく、それを他者に押しつけるのは違うかなーと思った。
昨今話題にのぼりやすい過激派ヴィーガンや過激派フェミニストみたいな感じにはなりたくないかな。
私は魔王の下した決断、結構好きだな。
電子書籍
人類の未来をかけた「脳内論争」的読後感
2021/09/29 21:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界を滅ぼす使命を持って突然生まれた「魔王」が、その理屈っぽい性格のせいで「人類を滅亡させるべきか否か、合理的な答えを示せ」と10人の立場も思想も異なる人間を呼び寄せて徹底討論させるお話。
戦隊モノのように「レッド」「ブルー」など相性で呼び合うキャラたちがいまいちキャラ立ちしておらず、「思想を話しているだけ」の体はあります。彼らを「別個の人間」として考えるよりは「一人の人間の頭の中の複数人格」と思って読んだ方が読みやすそう。
「幸福感」や「モラルやルールはどういう風に成り立っているのか」といった話が大変興味深い。最後は「出生・反出生論」に話が傾くので、その辺りについて読みたい人に向いているかと。
電子書籍
78億
2022/04/15 01:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界の人口がここまで増えると、異常事態なのか、こういう思想があちこちで発生するんどなぁ、というのが最初の感想です。読み進めていくと、それなりに作者の意図は読み取れましたが、納得は……でした。
投稿元:
レビューを見る
読んだ。あー……読み物として最後のシーン凄い感情を搖さぶられたーー。読んで良かったーー。こういう表現に弱いです私。
内容としては、よくわかんない「反出生主義」ってどういう主義・主張なの?というのを一般的だけど偏った主義の8人と一緒に議論していくのが3/4ぐらい。その解釈の仕方で各主義がどういう理論・感情(理想?)で行動するのかが解って「そもそも〇〇主義ってどういう考えなの?」というのも見えてくるのが主義思想の入門編としてお得な感じがしました。
「議論」の楽しさというか、ちゃんと「議論」やってるなーこうでありたいよね「議論」。って感じ。
あとがきの引用になるけど
「食い違う主張について「どちらが正しいのか」ではなく
「異なる種類の"正しさ"がそれぞれどんな水準で成立しているのか」を考えることをおすすめします」
これがこの本の一番主張していることなんだと強く思います。正しさ概念の入門書って感じ。
読み物として良いなと思うのが、残りの1/4。まぁ、解説が終わって物語が動き出すんだけど、「そうそう!引っかかってたのそこ!!」って所を解してくれるので気持ちよかった。そして最後の立ち回りがとても良くて……最後のシーンで一回本を閉じて天を仰ぎました……台詞が良すぎるのよ……
いやぁ……こんなに感情揺さぶられたので、本当すぐ買ってよかった……ありがとう品田遊先生。
投稿元:
レビューを見る
それぞれ違う価値観や考えを持つ10人がディスカッションしながら展開する物語。個々を書き分けるのは大変だったのではないでしょうか。分かりやすく〜でござるなどの不自然な語尾を付けて楽をしていないところが良いです。
投稿元:
レビューを見る
反出生主義、というものがあることを知った。生まれることや、生むことを否定する考え方。突飛な考えだけれど、話を読み進めると確かに一理ある気がする。反出生主義について、もう少し知りたいと思わせてくれた。
ただ、「人類を滅亡させるべきか」について10人の人間が議論を交わしていたけど、なんか話が行ったり来たりして、たまに読むのが疲れてしまった。
物語というよりも反出生主義をメインとした人間たちの議論。
投稿元:
レビューを見る
議論形式で反出生主義を読んでいく・またそれに対立する意見を読んでいく、という形式で面白かったです。主義主張にそれぞれの根拠があり、道徳・善悪の概念などのくだりは言語化されるとなるほどな〜という感じでした。
投稿元:
レビューを見る
題名にひかれて買って読んだけど、内容的には自分の予想とは違っていた
地球或いは宇宙での、人類の存在意義とかかなと思ったら
人を産む産まないとか、生まれたときの苦しみとか道徳とか、宗教観とか、人間が人間を考えるてきな内容で、個人的には全然期待外れ
脱力感
電子書籍って思わず買って、期待外れって多い気がする
自己責任だから仕方ないけど、いわゆるおすすめに、やられてしまった感がある
気分は微妙
投稿元:
レビューを見る
とてもおもしろかった。
反出生主義という概念を耳にしてから、ずーっと気になってた。
とりあえず入門というか、本書は読みやすそうな感じがして今の私にぴったりだった。
で。
読む前のわたし
「反出生主義は感覚的に受け入れ難い。かといって反出生主義者を納得させられるような生の肯定ができる気もしない」
読んだ後のわたし
「反出生主義の理屈がちょっと納得できた。しかし受け入れ難いことに変わりはないし、やはり納得のいく反論もまだできそうにない」
反出生主義の主張の根拠について一定の理解はできるようになったが、賛同には至らない。否定するのも難しいまま。つまり読む前の状態とはあんまり変わっていない。でも、おもしろい。
自分の思考の凝り固まっていた部分とか、考えてもみなかった前提の脆さとか、それらがどんどん提示されていきなかなかスリリング。
「反出生って、結局は自分が苦しいってことじゃない?……でもそれだけではここまでのちょっとしたムーブメント起きへんよなぁ、なんか理屈あるんやろな」と思っていて、その理屈の一端を理解した。
それはざっくり言って「道徳を突き詰めると反出生に導くことが可能」というもの。意外だったような、なんとなく分かっていたような……。
本書は、それぞれ主義主張の異なる10人が「人類を存続させるか滅亡させるか」を議論する形で書かれた、小説である。論理を突き詰めて考えるのはなかなか大変だし、自分1人の頭で考えるとどうしても偏りがある気がする。だから議論形式で進むのはとても分かりやすい。(ただし彼らの言葉を素直に聞きながら同時に自分なりの直感や反論や猜疑の目を持つべきだろうなとも思う)
10人の内訳は以下の通り。
・悲観主義者
・楽観主義者
・共同体主義者
・懐疑主義者
・自由至上主義者
・相対主義者
・利己主義者
・教典原理主義者
・反出生主義者
・??主義者
??が何主義であるかは明示されない。
10人それぞれがそれぞれの結論を考えるので、結末まで読んでも、反出生主義がはっきり肯定あるいは否定されるわけではない(どちらかと言うと否定よりではあるけど)。後書きにおいて著者は、本書は反出生主義を考えるための補助線であるとしている。
これはやはり入門書ですね。
ここを入り口に、もっと骨太な哲学書、学術書を読んでみたいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
反出生主義を題材にした小説。ほぼ会話のみで議論されていくのだが非常に興味深い内容。
哲学的な小説。
読み終わったあとの余韻が大きい。
面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
2023.4.13市立図書館
人類は滅びたほうがいいのか? 「人類を滅ぼす」という自らの定めを甘んじて受け止め、使命を実行に移すべきかどうか思案する生まれたての魔王に進言するために、さまざまな立ち位置の人間十人を集めた「人類滅亡会議」がひらかれる、という体裁で会話スタイルの議論がおこなわれていく。自分はどの主義に近いのかなと考えながら読めておもしろい。
私自身は道徳とか善悪の議論が本質ではない気がして中盤ぐらいまではちょっと距離を置いて聞いてる感じで、最終的にはグレーに近いような気がしたけど、最後にそんな結末が待っていたとは。
人間といえど地上宇宙のあらゆる生き物の一つに過ぎず、その存亡(生殖の是非)を自ら決めるなんて頭でっかちな話だなあと思うわけで、脳の思考の限界を感じた。
投稿元:
レビューを見る
めちゃ面白かった。魔王が課した「人類は滅亡すべきかどうか」という問いを人類代表の主義主張の異なる10人の登場人物が議論していく会話劇。中心となる主題は「反出生主義」。文字から推測できる通り、「人類を生まれてくるべきではないとする思想」のこと。善悪や自分の思想の前提としていること、道徳のことなどを整理しながら、でもすらすらと読める名著。
投稿元:
レビューを見る
一見誰にとっても絶対的で唯一の結論があるように見える問いについても、考える人のバックグラウンドによって、さまざまな主張がされ得るんだと感じた。
自分の価値観は凝り固まってしまってるなぁ。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。誰かが論を述べて、それに対して同調したり否定したりして論理に奥行きが出ていくのは、なんとなく少年漫画のインフレバトルを思い出した(?)。
強いて言えば、自分に一番近い意見はゴールドかもしれない。最後のグレーは何を言いかけたんだろうな。