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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まことにタイトルどおりの一冊。古今東西の漂流記を抜粋した感じです。分量は多いのですが、しかし物足りない。私としては無人島でのサバイバルを期待したのですが、主に海での生き残りを掛けた食の記録でした。「漂流」だから正しいのか。
紙の本
漂流マニア椎名誠の何食べた
2021/09/18 08:50
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
漂流記は冒険記と同じように危険と希望と壮絶な体験があって私も好きだ。
椎名誠さんも大好きで、漂流者は何を食べていたのかにテーマを絞って一冊に纏めている。
しかし椎名さんらしく話が飛んだりして、内容も今ひとつ迫力に欠ける印象。
やはり漂流記そのものを読もうと、本誌で紹介されている数冊を図書館に予約を入れた。
暫くは漂流記にどっぷりハマった時間になりそう。
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漂流の話をしたくてたまらなそうなところがすごく見えるけど、何を食べていたかに絞って話を進めるところが面白い。
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単純に銃を使うより、道具も色々と工夫して作り狩りをする話の方が圧倒的に面白い。人間の道具を使う能力って素晴らしいって純粋に感動しました。
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極地や南国の大洋で遭難、漂流した人々が「何を食べて」いたのか、後に著された記録から見ていく(全9章)。
実験的に漂流するケース(本書にも登場する、ヘイエルダールのコン・ティキ号による太平洋の実験漂流や、日本人の食の渡来のルーツを検証するためフィリピン~日本を竹筏で航海というか漂流した日本人TVディレクターらの記録)を除けば、大海原で遭難し漂流するという事態は実に過酷であり、漂流中の記録も壮絶そのものなのだけれど、本書は食に焦点を絞っていること、彼ら漂流者たちが生還を遂げていること、さらには筆者である椎名誠氏の相変わらず(笑)の軽妙な文体のためか悲壮感はさほどなく、漂流者らの意志の強さ、生命力の逞しさを感じられる。
とはいえこれらの記録の陰には、その数百数千倍もの人々が同様の事態に遭遇し、力尽きて大海原に呑まれて行ったという事実もあることにも気付いて慄然とさせられる。
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椎名誠のエッセイ。
漂流記マニアの著者が、漂流者たちの食べ物をテーマに考察したエッセイ。 著者は、これまでに70冊以上の漂流記を読んできた。 漂流記は、大別して事故や事件による予期しない漂流と学術的な実験的漂流がある。 前者はサバイバルで食べ物を手に入れるための苦難の記述が多いが、後者は食物に不自由することなく気軽な漂流だ。 同じ漂流でも雲泥の差がある。 自分も漂流記には興味があって、最初に選んだのは著者と同じジュールヴェルヌの十五少年漂流記。 限られた資源で仲間たちとどう生きるかワクワクして読んだ記憶がある。 大黒屋光太夫の物語「おろしや国酔夢譚」、キャラハンの「大西洋76日間漂流」、「エンデュアランス号漂流」も印象に残る漂流記だ。 著者は、多くの国過酷な地域での体験もあり、この本の中でそれを紹介していて大変面白かった。 現代の情報技術があれば、ある程度は安心感もあると思うけれど、それでも漂流は恐ろしい。 食をテーマのエッセイなので、食べ物は色々出てくるが読んだ印象として、亀、シイラ、トビウオ、海藻などが多かった。海面に近いところにいる生き物しか取れないのだから、大体同じものになってしまうのだろう。 海に出るときは、海生生物の習性を知っておくことも必要だ。 とは言っても、漂流するような機会はほとんどないと思うけれど。
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漂流記にある食料事情に焦点を当てた随筆集です。
事故による漂流と実験としての計画的漂流とで一致しているのは、第一に生き残るということです。
海上漂流では文明的な食料を保有していれば楽と贅沢ができますが、無ければ獲得する他ありません。
多くの漂流で共通している恵みは、シイラやトビウオやウミガメのようです。
そして欠かすことのできない創意工夫が命を繋ぐことになるのですが、与えられた道具や環境に加えて各々の発想力や閃きが作用した発明には芸術性すら感じました。
塩を作る際、砂浜や通常の煮沸で不可だった場合に画期的なアイデアを閃いた日本人の一文を引用したいと思います。
海綿の大きなのを集めて海水をかけ、天日で乾かしてはまた海水をかける。これを幾度も繰りかえしてしまいに海綿が塩分のたいへん濃い汁を含むようになったとき、その海綿をしぼりだし汁を煮詰めたらいいと思う
素晴らしい…諦めないところが人間らしくて美しいですね。
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椎名誠が今までに読んできた漂流記から漂流者が何を食べて生き抜いたのかに着目して紹介する本。ちょくちょく自分の話しが入り込んでくるのをノイズと感じるか、持ち味と感じるか。読んでいて面白いけどちょい物足りない。
椎名誠を読むのは20年ぶりぐらいだろうか? もう70を超えてるのに変わらない文体に安心する。
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漂流記が大好きだという椎名氏が、様々な漂流記を食べ物に特化して読み解く。太平洋だけでなく、北極圏や南極、日本周辺などなど。
生還した人の漂流記なのだから、知恵と運に恵まれたということだ。その何倍もの人々が、苦労の末に亡くなっているということなのだ。そうとわかっていても、そのサバイバル力に驚く。魚を捌くのはどうにかと思うが、ウミガメやシロクマなんて考えられない。
そして、椎名氏が世界各地でサバイバルしていることに改めて驚いた。
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自称漂流記マニアの著者が、今まで読んできた多くの漂流記から食にテーマを絞って紹介されています。世の中には多くの漂流記が書かれていて、その入門として楽しんで読むことができると思います。絶体絶命の状態で命をつなげたものや、思いかけず豊かな食生活を満喫できたことや、漂流を体験するとして計画的に行われたものなど、多様なバリエーションがあることも知ることができます。もちろん著者が書かれているように、その裏には生きて帰ってこれなかった多くの物語が存在し、私たちが知ることのできるは一部にすぎないことも感慨深く感ぜられます。突然の災難に遭遇したときの人間の様子や本性といったものの現れ方について知っておくことだけでも、いざというときの備えになる知識になるのではないかと思いながら読ませていただきました。
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水平思考ゲームの代表作として、「ウミガメのスープ」というものがある。
有名な話なので知っている者も多いことと思うが、
海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した男が、そのスープを一口飲んでシェフに「これは本当にウミガメのスープか」と訊く。間違いない、と確認した男は、勘定を済ませ自宅に帰った後、自殺した。一体、なぜか?
というものだ。
この問題を聞くたびに、「実際、ウミガメのスープとはどんな味なんだろうか」と気になっていた。
本書を読む限り、ウミガメは漂流者にとってわりに身近な食材、かつ美味であったようで、「子牛とチキンの肉にカニの肉をまぜたような味」とする者、「贅沢を言うようだがアオウミガメの肉を食べていると(海鳥は)だいぶ差がついてまずかった」という者もいるほどだ。
漂流者たちは何を食べていたか…このタイトルには実のところ、ある種下世話な好奇心も感じつつ読んだのだが、実際生還した漂流者たちのたくましさには頭が下がる思いがする。
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椎名贔屓の私だから、良くこれだけ調べたな…好きこそものの上手なれだと感心してしまう。
旅行に行くのとは違って、突然災難に遭うんだよ、漂流って。
地震に備えよう!帰宅困難者について…。という3.11の教訓があるけれど、漂流はそれが海の上というのがネックなんだな。
突然のことを楽しんだり、死ぬと言うこと、全部ひっくるめて真剣に記すのがシーナさんだけど
この本では漂流で何を食べて生きたかそれがテーマ。
つい漂流がどうなったか書きそうになっては戻ってくるあたりシーナさん頑張った笑笑
ウミガメは牛肉のごとく美味い、シーラという魚は割とどの漂流でも出くわし食べられる。
そんな事が理解できた。
椎名さんも書いているが、前提として漂流が到着したものだけしか体験談はわからない。
海上で水を得る術。食べ物を得る術。外敵から身を守る術。
とても興味深く読めた。
巻末に沢山の資料として記されている本の数々だけど
絶版になっているものが多いとしながらも、もうちょっと知りたいなあと思わせる椎名節が心地良かった。
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漂流本は僕も大好きで、本書でも出てくる「エンデュアランス号漂流」や「凍える海」は僕も読みました。快適な状況で読む劣悪な状況を切り抜ける話は本当にたまらないものがあります。
さて、本書はそんな漂流本の「食」の部分にクローズアップした本です。一番驚いたのはウミガメって結構捕まえやすくて、しかも料理もしやすいんですね。もし僕も漂流したらウミガメを食べて生き延びたいと思います
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漂流記マニア、アウトドアの教祖的存在の筆者が漂流記の中から食に関する部分を抜粋し考察する、痛快エッセイ。
漂流記はなぜかくも面白いのだろう。古今東西の漂流記を読み漁り、あらすじと食に関する部分を語る。
「エンデュアランス号漂流」「コンティキ号探検記」「無人島に生きる十六人」ほか多くの漂流記。
会場の暮しの手帖と言うべきサバイバルの数々が痛快。
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椎名誠氏は「漂流記マニア」です。本を紹介する
エッセイなどで、度々色々な漂流記モノの作品を
紹介しています。
中でも「無人島に生きる十六人」という本などは
すでに絶版でしたが、コピーを入手して読み、そ
れを自著の中で絶賛したところ、新潮社が再販を
決めて、椎名氏があとがきを書くというエピソー
ドがあるくらいです。
漂流しても何日間も海の上で飢えをしのぎ、助か
ったからこそ漂流記として世に残されています。
彼らは何を食べて、飢えや喉の渇きをしのいだの
か。
決して体験したいとは思わないですが、人間の生
命力のたくましさに驚嘆させられる一冊です。