Ｗｉｌｄ ｂｏａｒ 知られざるイノシシの「棲」

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貴重な本です。イノシシに敵ではないと認められた人にしか撮れない、私達が普段決して見ることができないイノシシ表情が収められています。イノシシと言えば害獣という印象以外に何もなかったのですが、矢野さんの“彼らも生きることに必死”という一説を読んで。ああ、そうだよなあと思いました。写真を拝見していて、イノシシも人間と同じように子どもを大事に育て、山の恵みをいただき、遊んで、寝て、厳しい自然の中でそのときそのときを懸命に生きているのが伝わってきました。
イノシシから見れば私たち人間こそ、自分達の生活環境を脅かす害獣に他ならないよな…と思いました。快適で便利な生活に浸かりきった私が言うのもおかしいな話ですが、この世の中を見渡すとそこまで便利である必要があるのかと思ってしまいます。このまま我が物顔で人間だけが偉そうに資源を貪っていてはいけないのではないかと思うのです。もっと物や自然、他の生物へ謙虚な生き方を考え行動していこうと思わせてくれた1冊でした。