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商品説明
フロイトという起源を問い続け、同時に、新たな精神分析の理念を創造しようとしたラカン。精神分析運動の内部で生じた政治にも目配りしながら、異端者にして革命家であった彼の理論と実践を、闘争の現場から読み解く。【「TRC MARC」の商品解説】
一九六三年、国際精神分析協会の決定によってラカンは訓練分析家の資格を剥奪された。この破門以来、ラカンは精神分析の「大義」を賭けた闘争に身を投じていく。本書では精神分析運動の政治史を読み解きながら、ラカンの思想と実践に迫る。精神分析の根源にあるフロイトの「症状」をどう解釈するのか、その実践はいかなる制度的枠組みによって可能となるのか。——立木康介氏、松本卓也氏推薦。【商品解説】
目次
- Ⅰ フロイト的無意識からラカン的無意識へ
- 第1章 フロイトへの回帰とシニフィアンの純粋論理
- 第2章 欲望と享楽の倫理学
- Ⅱ 精神分析運動の再開
- 第3章 言語の裏面としてのトラウマ
- 第4章 フロイト神話に抗する闘争
- 第5章 知の歴史に対峙する精神分析
- Ⅲ 精神分析と政治
- 第6章 もうひとつのファシズム、もうひとつのレジスタンス
- 第7章 「六八年五月」の夢と現実
著者紹介
工藤 顕太
- 略歴
- 〈工藤顕太〉1989年東京都生まれ。専門は精神分析・哲学を中心とした思想史。日本学術振興会特別研究員PD(京都大学人文科学研究所)。早稲田大学、群馬県立女子大学非常勤講師。
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紙の本
フロイトの原父殺害/ラカンの現実界
2022/04/22 19:11
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投稿者:EDA - この投稿者のレビュー一覧を見る
フロイトが見出した、症状の原因としてのエディプス・コンプレックス、そしてその究極の原因としての原父殺害神話。当時すでにトンデモ科学とされていたラマルクを持ち出してまでフロイトが拘泥した原父殺害とは何だったのか。こうした、起源たる原因の不可能性・裂け目こそが、本書を貫くテーマであります。
結論的には、それは現実界への防衛、幻想なのであり、そうした幻想を問い直すことは、ラカンがEFP(フロイト大義派)を創設し、IPAの論理——フロイトを知を想定された主体に置く転移——に異議を申し立てていくという、ラカンの精神分析運動とオーバーラップするものなのです。
刊行記念イベントにて、松本卓也先生は「書かれるべくして書かれた本」と仰っていました。全てのラカン好きに読まれるべき、素晴らしい研究書だと思います。