- カテゴリ:一般
- 発売日:2021/09/14
- 出版社: みすず書房
- サイズ:20cm/212p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-622-09037-3
読割 50
紙の本
刑務所の精神科医 治療と刑罰のあいだで考えたこと
著者 野村俊明 (著)
高い塀の向こうで、心の病いを抱えた人はどう暮らし、彼らを支える人々は何を思うのか。法を犯した者には、適切な医療を受ける権利もないのか−。受刑者の治療に携わった精神科医が、...
刑務所の精神科医 治療と刑罰のあいだで考えたこと
刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと
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商品説明
高い塀の向こうで、心の病いを抱えた人はどう暮らし、彼らを支える人々は何を思うのか。法を犯した者には、適切な医療を受ける権利もないのか−。受刑者の治療に携わった精神科医が、刑罰と医療のあいだにあるもつれを描く。【「TRC MARC」の商品解説】
〈私には、非行少年少女や受刑者の多くが人生の偶然や不運に翻弄されているように見えた。そして、人生のほんのわずかな何かが変わっていれば、自分も少年院に入って反対側の椅子に座っていたかもしれないと感じていた〉
刑務所や少年院などの受刑者・被収容者の中には、精神障害が理由となって法を犯した者もいれば、矯正施設という特殊な状況下で精神障害を発症する者もいる。しかし、受刑者たちの治療の前には、つねに法の「平等主義」が立ちはだかってきた。
親の顔も知らずに育った青年。身寄りもなく、万引きを繰り返して刑務所と外の世界を行き来する老人。重度の精神障害のため会話もままならず、裁判すらできずに拘置所に収容されつづける男性――。著者は精神科医として、矯正施設でありとあらゆる人生を見てきた。
高い塀の向こうで、心の病いを抱えた人はどう暮らし、その人たちを日夜支える人々は何を思うのか。私たちが暮らす社会から隔絶された、もうひとつの医療現場を描くエッセイ。【商品解説】
目次
- はじめに
- 刑務所医者事始め
- 虐待が奪いゆくもの
- 矯正施設で見た家族のかたち
- 保護室で聞いた除夜の鐘
- 精神鑑定は精神医学の華なのか
- 不注意と落ち着きのなさと寛容さと
- 発達障害は何をもたらしたか
- 高齢者の病いと罪と
著者紹介
野村俊明
- 略歴
- 〈野村俊明〉1954年生まれ。日本医科大学名誉教授。精神科医。共著に「非行精神科学」「精神療法の基本」など。
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彼らを責めるだけでは何も解決されない
2022/01/31 22:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:魚大好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
精神科医の刑務所での経験を書いたエッセイ本。
犯罪は決して許される事ではないけれど、罪を犯した人たちの背景を知ることは大事だと感じた。
非行少年少女の逸脱行為が養育環境なのか、それとも発達障害や精神障害などが原因なのか、専門家でも判断が難しいことを私たちは知っておく必要がある。
いないほうがいいと思わされる養育者がいる一方で、面会に来てくれる人が誰もいないことも破壊的という事実が、心にずしんと残った。
日本は凶悪犯や粗暴犯を含め殺人事件は年々減少しているにもかかわらず、生きづらく感じるのは、他人に厳し過ぎるからだと思う。もっと寛容な人が増えれば、日本ってほんとに住みやすい国になるのに。ちなみにアメリカの殺人件数は増加傾向。