紙の本
図を用い詳細&東京のポケット地図帳を準備するといいかも
2021/09/25 14:08
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京23区の今昔を、詳細に記した渾身の1冊です。図を多く用い、かなりの紙幅を費やしている中身を読みやすくしている点が丁寧で好印象です。
第3章までは概観を述べ、真骨頂は第4章。23区を10地区にまとめ、それぞれ詳細に解き明かしています。
普通に東京23区内の細かい住所が述べられています。東京の地理がよく分からない方々は、東京のポケット地図帳といった類を手元に準備して、辞書代わりに使うと当書の内容がさらに理解できると思います。私はそうして当書を読み切りました。
紙の本
タイトルは刺激的ですが、実用的でもあります
2022/04/12 21:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Satochan - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京23区を主として住民の所得によって分析したもの。
不動産相場と同じような感じになるので、分析結果に
さほどの意外感はない。
しかしながら、分析ツールは各種統計から、映画、文学作品、
自身のフィールドワークに及ぶ、著者渾身の作品。
まぁ、一般読者に格差解消と言われても困るのですが、
これから東京に住もうと思っている人、東京在住だが、
他の町のことも知りたい人には、お薦めできる本かと
思います。
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歴史的な背景やデータなど、説明的な内容が続く。
思っていたほど軽く読める感じでなく、パラパラ飛ばし読みしてしまった。
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街歩きが好きなので東京を歩いて感じる街の雰囲気の変わり目には興味があった。結局のところ歩いて感じる雰囲気の違いも、データから明らかになる実際にそこに住んでいる人々の属性の違いも、豊かさと貧しさの歴史から生まれてくるもので、近年その変化のスピードが変わりやすい場所ではどんどん早くなっているし、変わりにくい場所もあるというのがよくわかる。それを説明していくと結局この地域は所得が低い高いの話になってしまうのが下世話な雰囲気になってしまうのだけど、それが現実。
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世界的にみて、もっとも豊かな人々と、もっとも貧しい人々が住む東京。とくに格差の大きい二三区の実態を明らかにし、克服の道を探る
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データでみる。
わかりやすいけど…
小難しい…。
旧35区
年収の推移、世帯比率
学歴分布
管理職、マニュアル職分布
未婚率、離死別率
15歳未満、65歳以上、生産年齢人口比率。
階級…か。
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東京23区を町丁目単位まで分解して格差と階級について視覚的に分かりやすく分析。大きな話の流れとしては東京の東西、山手・下町に格差があるというもので、違和感のあるものは少なかった。
学びのあった点をいくつか挙げると、
・東京23区は他の都府県と比べても格差の大きい都市であること
・江戸期の山手は田舎侍が多く、むしろ下町の方が商売の活気もあり文化的に優位であったこと
・明治期以降、山手と下町に逆転が見られ、山手側住民は子供への教育等を通じて下町を下に見る考えを再生産・固定化させていったこと
・そうした中にあっても、所得の高い区に低所得者層の多いエリアがあったり、所得の低い区に利便性の高い沿線一帯など比較的所得の高いエリアがあったりと、東京の空間構造は複雑であること
・江戸期の山手・下町がそれぞれ東西に延伸する一方で、旧来の山手・下町は都心としての一体性を強めていること。
最後に著者は高齢化や新中間層の都心回帰などによって山手的なものと下町的なものの混在が今後進むとしている。個人的には西側の住宅地の地盤沈下はあるかもしれないと思ったが、山手・下町の形成について歴史を振り返ってせっかく詳細に解説していたのに、最後に曖昧な山手・下町論に走ったのは残念だった。
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「格差と階級」というどちらかと言えば、センセーショナルな題名とはうらはらに、実態データを丹念に分析した、どちらかと言えば、学問的な雰囲気を持った本だ。実際に社会学の研究をベースとして本書は書かれている。
例えば「中央区銀座一丁目」というような単位を、「町丁目」と呼ぶらしいが、その町丁目ごとに色々な統計データを取得し、地図上に、それを色の違いや、白黒のページは印刷の濃さにより一覧性をもったものとして示した地図が多く掲載されている。取得され、本書の中で紹介されているデータとしては、例えば、「世帯年収」「管理職・専門職比率」「大学・大学院卒業者比率」「1世帯あたり人員」「未婚率」「65歳以上比率」など、非常に多様なものがある。
それらを見て思うことは、東京は東京というひとつの地名ではくくれないほど多様である、ということだ。例えば世帯年収は都心部から西側が高く、東側が低い、といった東京23区全体から言える多様性もあるが、同じ区内でも、例えば同じ港区内でも町丁目によって、世帯年収は大きく異なる。同じ区内にも多様性が内包されているわけで、実際にそれらを統計が示された地図でみると、「モザイク模様」という言葉がぴったりと当てはまる気がする。例えば所得の格差は東京23区に特有の問題ではない。日本中、あるいは、世界中で起こっている問題であるが、東京という世界的な大都会には色々な意味で世界最先端の場所がある一方で、取り残された場所もある。従って、格差が分かりやすい形で先鋭的に出てくるのだな、と感じた。
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東京23区内の経済的格差の歴史。下町と山の手がどのように形作られてきたのか。都心3区から今の23区に至る歴史。鉄道の沿線に沿って単身世帯が集中するのは交通の利便性や身軽さがあるから。
ある程度の年収のある世帯は所得再分配は必要ないと考え、そうでない世帯は必要と考える。
23区は様々なステータスの人が住むある種、不思議な空間だなと思います。格差はあっても良いと思いますが、人の行動を阻害したり、軽蔑するものであってはいけないと思う。そういう意味だと、所得の再分配は必要かなと思いますし、回り回って、自分の所に戻ってくるかもしれない。理想論かもしれませんが。
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p202ほか 誤植かと思ったら、どうやら東西線の「南砂」駅だと思い込んでるみたい。門仲に住んでいたとのことなのになぜ…?
p220ほか 東海道線→京浜東北線のほうがよいのでは?
とはいえ全体的に大変興味深く読みました。猫も杓子も港区信仰の雰囲気が少しでも薄れるとよいですね。
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最初から最後まで本当に面白かった!馴染みがあるのは,生まれた中央区,終の住処と心の中では定めている渋谷区,勤め先だった港区や新宿区あたりだったけど,その他の地域についても,是非街歩きしてみたくなる情報満載でだった!
渋谷区笹塚についての記載は,かつて自身のブログで論じた内容ともかなりの範囲でリンクしていて,「もっと,もっと突っ込んでくれー」と思ったのと,中央区東日本橋の『日本橋なのに下町』的な,やや特殊な地域性について触れていなかったのがちょっと残念…と言うかそんなに細かく書いてたら新書一冊では収まらないか,とも.
ところで,祖父が『さしすせそ』が言えない東京弁話者で,下町要素の色濃い育ち方をしてきたにも関わらず,山の手の代表である渋谷になんで親近感を覚えたのか不思議と言えば不思議だったんだけど,東日本橋と笹塚,と考えると,まぁ都心の下町と山の手の下町,都営新宿線で繋がれた西と東と思えばまぁ納得も出来たりして,自らのルーツの再確認もできて,なんか嬉しくなった一冊だった.
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東京23区に限定して、社会階層とその格差をデータに基づき分析した結果を「格差社会と都市空間」という本をベースにして、一般人にもわかりやすく書いたものであるらしい。
データを地図上で表現したものを豊富に掲載しているので、読むものにはわかりやすいが、東京の地理に詳しくない人にはいまひとつ十分な理解が進まないかもしれない。
23区といっても狭いようで広いので、著者のような街歩きをしていない者には、いろんな地域の歴史も知ることができて、訪れてみたいところも出てくる。
この本を読みながら感じたのは、小泉政権以来、延々と続けられた「グローバリゼーション」というのは、結局のところ、アメリカと同じように金融を中心とした富裕層を作り、国民間の格差拡大をしただけではなかったかという思いである。
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タイトルとちょっとイメージが違ってきちっとしたデータや研究に基づいていてとてもおもしろかった。
品川・大田編の北品川は品川駅の南にあるくだりは「ほんとそれ」という感じ
ずっと都内に生きてきているが、知らないこともまだまだ多く、これからのことも考えさせられる
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数字がたくさん出てくるので読んでいて疲れます。収入や年齢など様々な要素で地域を分析する発想は面白いと思いました。その解説で数字がたくさん出てくるのですが、表にまとめたり数字に頼らない説明が多ければ良かったなと思います。子供の頃から30代後半まで東京に住んでいたので懐かしく読めました。
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興味深い内容ではあったけど、表面を撫でて終わっちゃったなーという感じ。特に一般的な読者にとっては各区の分析が本書のキモだと思うので、そこにページを割いてもらいたかった。港区の意外な一面とか、杉並区内においても所得格差に西高東低が見られるとか、もっとセンセーショナルにぶち上げてもいいじゃん。ダメ?そしてそのあたり深掘りしたらいいじゃん。
下町と山の手の混淆という解決策も曖昧で、具体的にどうするの?って感じ。著者からすると新中産階級が下町に降りてきて混淆が進んでるのよね?よりフラット化することにならない?そうであるにもかかわらず格差は依然解消されていないように思われるけど。
とはいえ面白かったので三多摩バージョンも書いてくれないかなーニュータウンの盛衰とか分析してさ。