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紙の本
現代文解釈の基礎 着眼と考え方 新訂版 (ちくま学芸文庫)
著者 遠藤 嘉基 (著),渡辺 実 (著)
半世紀近くにわたって読み継がれた現代文教本。数々の小説や評論を題材に、重要な箇所をどのように見分けるかを、実演を織り交ぜながら徹底的に解説する。高校教科書の定番教材も多数...
現代文解釈の基礎 着眼と考え方 新訂版 (ちくま学芸文庫)
着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕
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商品説明
半世紀近くにわたって読み継がれた現代文教本。数々の小説や評論を題材に、重要な箇所をどのように見分けるかを、実演を織り交ぜながら徹底的に解説する。高校教科書の定番教材も多数収録。〔初版:中央図書出版社 1963年刊〕【「TRC MARC」の商品解説】
書かれた言葉の何に注目し、拾い上げ、結びつけ、考えていけばよいのか――59の文章を実際に読み解きながら解説した、至高の現代文教本。解説 読書猿半世紀近くにわたって読み継がれた、至高の現代文教本がここによみがえる! 「文章を読む」とは、書かれた言葉の何を拾い上げ、それらをどう関係づけることなのか――。数々の小説や評論を題材に、重要な箇所をどのように見分けるかを、実演を織り交ぜながら徹底的に解説する。本書は、「文学的な文章」「論理的な文章」の2パートに分かれ、高校教科書の定番教材も多数収録。読者は、目の前にある文章について、内容や表現だけでなく、その表現を選んだ書き手の感性や想像力までも、つかめるようになるだろう。解説:読書猿【商品解説】
目次
- ■文学的な文章Ⅰ 解釈の基本1 主人公の輪郭 ―主人公はどのような人物であるか― 解釈上のポイント〈主人公の輪郭のとらえ方〉 2 主人公をめぐる人間関係 ―お互いに相手をどのように意識しているか― 解釈上のポイント〈主人公をめぐる人間関係のとらえ方〉 3 構成を調べる―事件の中で最も大きく変化したものは何か― 解釈上のポイント〈構成の調べ方〉 4 全体の主題 ―全体から訴えてくるもの― 解釈上のポイント〈全体の主題のとらえ方〉 Ⅱ 登場人物について1 人物の性格 ―登場人物の発言や行動から性格を読む― 解釈上のポイント〈人物の性格のとらえ方〉 2 人物の心理 ―登場人物の心理の起伏を追求する― 解釈上のポイント〈人物の心理のとらえ方〉 3 人物の思想 ―登場人物の思想を知る― 解釈上のポイント〈人物の思想のとらえ方〉 Ⅲ 構成・表現について1 主題をつかむ ―「どんなことが」書かれているか― 解釈上のポイント〈主題のとらえ方〉 2 意図を解釈する ―「どのようなものとして」書かれているか― 解釈上のポイント〈意図のとらえ方〉 3 文体を解釈する ―「どのように」表現されているか― 解釈上のポイント〈文体のとらえ方〉 Ⅳ 作者について1 発 想 ―作者が書くときにとった根本的な態度― 解釈上のポイント〈作者の発想のとらえ方〉 2 想像力 ―作者の想像力のはたらき― 解釈上のポイント〈作者の想像力のとらえ方〉 3 感 覚 ―作者の感覚のはたらき― 解釈上のポイント〈作者の感覚のとらえ方〉 〈付〉 近代・現代の詩について 解釈上のポイント〈詩の読み方 〉■論理的な文章Ⅰ 解釈の基本1 一語一語の内容 ―難解な語を理解する― 解釈上のポイント〈一語一語の内容のとらえ方〉 2 一文一文の内容 ―一文一文の内容をおさえていく― 解釈上のポイント〈一文一文の内容のとらえ方〉 3 段落の要旨 ―段落の要旨を一つ一つおさえていく― 解釈上のポイント〈段落の要旨のとらえ方〉 4 全体の論旨 ―全体としてどういうことが論じられているか― 解釈上のポイント〈全体の論旨のつかみ方〉 Ⅱ 論の重点について1 指示詞の実質内容 ―コソアドの指し示すものの内容を正しくつかむ― 解釈上のポイント〈コソアド(指示詞)の実質内容のとらえ方〉 2 具体的事例と抽象的見解 ―引き合いに出された実例― 解釈上のポイント〈具体的な事例と抽象的な見解のとらえ方〉 3 語句の照応 ―繰り返されているもの・対比されているもの― 解釈上のポイント〈語句の照応のとらえ方〉 Ⅲ 論の構成について1 段落の設定 ―接続詞をつかまえるだけでは不十分― 解釈上のポイント〈段落の句切り方〉 2 判断の論拠㈠帰納を中心に ―わかりきったこととして書かれていない判断に注意―解釈上のポイント〈判断の論拠㈠―帰納―のとらえ方〉 3 判断の論拠㈡演繹を中心に ―前提から結論が導き出されるときの法則を知る― 解釈上のポイント〈判断の論拠㈡―演繹―のとらえ方〉 Ⅳ 論者について1 価値の置き方 ―論者がどういうものに価値を置こうとしているか― 解釈上のポイント〈論者の価値の置き方のとらえ方〉 2 考え方 ―論者の根本的な考え方を理解する― 解釈上のポイント〈論者の考え方のとらえ方〉 3 物の見方 ―論者の世界観・人生観を探る― 解釈上のポイント〈論者の物の見方のつかみ方〉 索 引練習問題〈考え方〉解答解説(読書猿)
著者紹介
遠藤 嘉基
- 略歴
- 遠藤嘉基(えんどう・よしもと)1905(明治38)~1992(平成4)年。鳥取県生まれ。京都帝国大学文学部卒業。京都大学名誉教授。国語学・国文学専攻。訓点語研究を中心に国語史研究を行った。専門の著書に、『訓点資料と訓点語の研究』(京大国文学会)、『新講和泉式部物語』(塙書房)、高校生向けには『現代文解釈の方法』『古典文法要覧』(中央図書)などがある。
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わかりやすい。
2022/03/07 10:13
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さるけろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
名文を読み、理解するのに、最高の指南書だと思う。説明が読みやすいし、理解しやすい。入試の対応の基礎と思う。
紙の本
読むこと。わからない部分を省略したり、置き換える、AI翻訳のようにして、母国語を理解してる人は少なくない。
2022/02/11 13:19
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学校の国語は、勉強せずとも成績が良かったので、漢字の書き取りのほか何も学んだ記憶がないのですが、(その漢字を書くこともあらかた忘れた)ひとまず、国語についてきちんと確認しておこうと思い、読書猿さん推薦のこの本を読み始める。読んでいる、学ぶではない。
文章の捉え方の基礎について、あまりにも当然なことが書いてあるのですが、ふと、こうして身につけたものは、果たして読解力だろうかという疑問がわいてくる。
成績優秀でもパズルの解き方を覚えただけで、理解してない可能性があるのではないか。
なんとなく教師の必要性、対面の必要性が了解されるとともに、教育の重大な欠陥を感じてしまう。
子どもの頃から感想文を評価されることに違和感を感じていたのですが、今読んで見てみても、その点を感じる。
教科書の定番『走れメロス』ここに正解としてして示される読解は、筋は通っているのですが、太宰にしては明るい、しかも熱血な、この翻案ものには、笑いの要素が紛れていないだろうか。
もちろんそれは主題ではないとするのは、わかるのですが、わざわざ全裸での笑いを結末に据えたことは、(感動の名場面はフルチンであった とたねあかしすることは)意図的なものであることは間違いなく、結末とは、結論に似たものだ。
教科書的な健全な読みに対して、太宰は、感動すること、偽善の欺瞞を、戦時体制のお題目のようなものを感じていたのではないか。
もちろんこの感想が、正解ではない。
私の「個人的」な感想以上のものではない。
しかし、読解のあり方として教科書が示すことには、限界があり、それも極めて低い位置にあるのではないだろうか。
杓子定規な教師が担当であった場合、正解があり得るのかすら怪しい、感想や読解にたいして、特にペーパーテストでは、一つの限定したものの見方のみを評価してしまうことにつながらないか。
感想という単語にこだわってしまうのだが、感想に正解を設定することは、思考の範囲を狭めてしまう危惧がある。
感想よりも長めの要約を書かせる方が、ペーパーテストの採点には無難であると思う。
文章の脈絡や、文字が読めているかは、それでわかると思う。
読み進めると、要約することについての文章がある。
たぶんこの教科書はとても正しいし、おそらくこの教科書を足場にして、この教科書自体を批判することも容易。
教育ってなんでしょうね。ひとつには手口を教えるもので、職業訓練、社会性の涵養、その他諸々、おまんまを稼ぐことなんでしょうが、それだけではないって部分は、教科書で伝え切れるのだろうか。
芸術や宗教と教育の関係、文学にできることなどを、国語教科書から(都合の悪い?)文学を取り除こうとする、保守派の策動などと合わせて、考えてしまう。
パズルを解くことと、想像力の領域は一部重なっている。
想像力は学べるものなのだろうか。
元々古い書籍なので価値観的に古い部分があります。