電子書籍
人生と怪談の物語
2023/07/04 12:47
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投稿者:いつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
怪談の源流を遡るように、二人の女性が自分のこれまでの生き方を見つめ直し、変わっていく物語。
ジャンルとしては百合ホラーミステリで、シスターフッドに近い印象。ホラーだけれどそこまで怖くなく、むしろ二人の関係性の変化に注目が行く。
怪談についての物語、というメタフィクション的な構造で、それが探求型プロットとうまく組合わさっている。文章も巧いし構成も良い。新人賞デビュー作としてはほぼ完璧な作品だと思う。
紙の本
怪談は生きるために創られる
2021/12/13 21:38
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても面白いホラーそしてミステリー。主人公が怪談を語る怪談師なる職業であり、怪談を収集し、その真偽(?)を追いかける過程で、彼女を取り巻く人々の過去と現在が織りなす物語は上質なミステリである。人が死んだ後で、自分が生き残っていてもいいのだと分かる物語が怪談であり、それを知らず知らず私たちは探している。そう、怪談を創り、そして生きていこうとしているようだ。
紙の本
久しぶりにホラー小説が読みたくて。
2022/01/22 09:07
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投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラー要素はかなり控えめなのではないかなと思います。
とにかくゾッとするホラーが読みたい方には、物足りないかも。
人間ドラマがきちんとしていて、登場人物の変化や成長といった面がとてもよく描かれています。
楽しく最後まで読めました!
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ホラーミステリー怪談と三拍子揃った大賞作品です。「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」と言うモチーフが最後まで印象づけている。怖さ倍増で読めました。ラストの驚愕の終わり方はぜひあなたにも
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すごくよかった。
怪異というものは、人間にはどうすることもできなくて。
軽い気持ちで扱ったりしたらとんでもないことになるし、勝手に成長しちゃうし、変化しちゃうし。
そこがゾクッとさせてくれてよかったなあ。
とんでもない魚釣りの話だね。
それから、文章はすごく読みやすいのに割と読むのに時間がかかる。目がすべるところがない。
無駄が全然ないって思いました。アソビみたいのがほとんどなくて、全て丁寧かつ誠実にかかれた文章だと思いました。
最初から最後まで、余すことなく楽しめる本です!
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第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。
怪談が苦手だけど、彼女たちの過去と未来が気になって夜中に一気に読んでしまった。
本当に人が死ぬ怪談を探している三咲と、呪いか祟りで死にたいと思っているカナちゃん。二人の一致した利害がたどり着いた「見たら死ぬ魚」の怪談。とある川をさかのぼり追い続ける噂。
怪談を探し続ける二人の旅、少しずつあらわになる噂。そしてたどり着いた「真実」。
そこからの展開の見事さよ。
子どもの頃、誰もが怖がりながらも心惹かれた「怪談」の、その源にあるもの。
本当に怖いのは…
最初と真ん中と最後の、「ぞわ感」の変化にしがみつきながら読む。
ホラーのようでミステリ。トンデモ話のようで民俗学的、と思わせておいての伏線回収。
コワ面白いったらありゃしない。
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ホラーなのか、これは。
ホラーミステリーというジャンルだったので、ホラーは苦手でもイケるのではと思い購入。
結果、怖くない。ホラー苦手でも読める。
むしろどこがホラー?という気分。
読みやすかったし、3人の関係もなるほどねとは思うけど、もうひと捻り欲しかったな
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第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。
怪談師の丹野美咲は身元不明の自殺志願者だったカナちゃんが酔っ払って倒れているのを拾って、一緒に暮らしています。
美咲は車の事故で両親を中学生の時に亡くしその交通事故を起こした犯人を本当の怪談によって殺して復讐したいと思っています。
美咲とカナちゃんは狗竜川に現れるという釣り上げた人が死んでしまうという魚を探そうとします。
一方、カナちゃんもとある目的から、偶然ではなく美咲に近づいてきたことがわかります。
カナちゃんの目的はこの世に呪いが実在しないことを証明することです。
オカルトって本当にあるのか。あることを証明するより、ないことを証明する方が難しいとこの本にあります。私はオカルトはない方が絶対いいと思います。
前半の四分の三は魚に関する怪談と美咲とカナちゃんの関係などですが、後半の方はとある人物の過去が絡みミステリー的な展開になります。
私はオカルトやホラーよりミステリーの方が好みなので、後半の展開の方が断然面白く読めました。
後半のミステリーとホラーの絡みにはかなりぞっとしました。
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怪談をメインとした小説をあまり読んだことがなく、新鮮で面白かった。さくさく読むことができた。
目に見えない怪談を信じて真相を追っていく三咲とカナちゃん。一緒になって真実を追っている感覚でドキドキした。
怪談を追う理由が怪談を信じているからではなく、心の拠り所を求めている・復習のためなどというところになるほどと思わされた。後半では登場人物の関係が明らかになっていって面白かった。
タイトルの意味がやっとわかった気がする。
表紙とタイトルで衝動読みしたけど、良かった。
この小説がきっかけで、私も少し怪談に興味が出てきた。
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少し前に量子力学についてのコラムを読んだ。
量子と言うのは原子や電子、光子などの総称で物質を構成するとても小さな単位のことなんだそうだが、この量子、とてつもなく不可思議なもので、
通常の物理法則が当てはまらず、解っている事って現段階で全容どころか、例えば量子そのものの周りを漂う霞程度のものらしい。
量子力学に『二重スリット』なる実験があり、詳細はともかく、その実験から導き出される結果は『ある一点』以外完全に同じ条件下で行っても、全く性質の異なった結果になるという事なのだ。
そして、その『ある一点』とは、
『観測』されているか否かだと言う。
いきものではない量子が観測されている状況とそうでない状況では全く異なる結果を出すのだ。
それは何故か?
解っていない。
『虚魚』というこの作品を読み終えて、この量子の事が頭に浮かんだ。
物質の最小単位が人間の介在に呼応して性質を変えるのであれば、この作品の様な事は充分起こり得るんじゃないのか?と。
(知らんけど)
この手の話を端から否定して回る○槻せんせぇに代表されるお年寄り達は沢山いるけれど、何しろ相手は未開の分野である。
昭和から使い古した朽ちたものさしでは測れる筈もないのだ。
そういえば大○せんせぇって、なるほど『蛙』に似てる。海を見たことないのだろう。
先の量子を仮に2分割出来たとして、一方を太陽系の遥か彼方に追いやる。その状況で地球に残された一方に観測付きで同じ実験をすると、太陽系の端の一方も観測されている事がわかるらしい。
しかもノータイムで。
なぜか?
勿論、わかっていない。
着眼が秀逸で面白い作品だったが、個人的には怖さが少し足りなかった。
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さくさくと読みやすかったけど…ホラー小説という感じではなかった。
昔、子供の頃『こっくりさん』やったなぁ。
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怪談の出どころを探す。そんな中で登場人物の関係性が暴かれていく。
ホラーの要素もミステリの要素もあり楽しめました。
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2021年 横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。怪談を収集し、執筆したり、人前で語ったりする「怪談師」の丹野三咲は、本当に人が死ぬ怪談を探していて、呪いか祟りで死にたがっているカナと利害が一致(?)したことから、一緒に暮らしている。そして二人は、「釣り上げると死ぬ魚」の話を探るため、静岡、長野の各地を巡り、現地調査を行なうが・・・。それはまるで、民俗学のフィールドワークのような面白さ。三咲、カナとも、互いに隠している秘密があり、ホラーという枠組みだけでなく、ミステリのような妙味も。これからが楽しみな作家。
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実話怪談のような、都市伝説のようなものとミステリーが一緒になったはなし。
女ふたりでバディのように人が死ぬ怪談を探している。
実話怪談でひとが死ぬはなしってあまり聞かない。実話怪談は実話なのでそれを経験したひとは生きていないといけないのだ。
ひとは生きて死ぬ、死ぬまで生きている、それを誰かに途中で奪われてしまったらその思いはそこで消えてしまうのか、それとも残るのか。
そういうものが形になっていることが恐怖につながるのかもしれない。
この小説は残されたひとたちが生きていいのかその理由と肯定を探す物語でもあった。
最後まで読んだときにこのタイトルの意味が分かった。
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退屈だった。
小学生でも頑張ったら理解できる内容であると思います。怪談話を少し大人にした感じ。
私には合いませんでした。