読割 50
紙の本
地政学入門 (角川新書)
著者 佐藤 優 (著)
米の対タリバン戦争敗北、激化する米中の覇権争い…。帝国化する時代を読み解くには、地政学が大きく有用な鍵となる。無批判に受容してはならない政治理論のエッセンスを、具体例を基...
地政学入門 (角川新書)
地政学入門
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
米の対タリバン戦争敗北、激化する米中の覇権争い…。帝国化する時代を読み解くには、地政学が大きく有用な鍵となる。無批判に受容してはならない政治理論のエッセンスを、具体例を基に解説する。〔「現代の地政学」(晶文社 2016年刊)の改題,再編集を行い加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
世界を動かす「見えざる力の法則」、その全貌。地政学テキストの決定版!
アメリカの対タリバン戦争敗北は、地政学を軽視した結果である。
地政学は帝国と結びつくものであり、帝国は国民国家を超える。
帝国の礎にはイデオロギーがあり、それは「物語の力」が核となっている。
地政学はナチスの公認イデオロギーとなっていたがゆえに封印されていた、危険な「物語」でもある。
危うい物語が浸透していくと、世界は知らぬ間に大きな危機を迎えることになる。
無批判に受容してはならない政治理論のエッセンスを、国際政治の具体例を基に解説していく珠玉の講義。
対立が激化する米中、イランを筆頭に勢力圏の再編が進む中東、混迷の中央アジア、ブロック化と理念維持の狭間で苦闘するEU、反日と反韓の疑似戦争が続く東アジア。
世界はいまだ、グローバルでなくインターナショナルのせめぎあいが中心となっている。
帝国化する時代を読み解くには、地政学が大きく、有用な鍵となる。
■宗主国なき帝国、植民地なき帝国
■何が島で何が岩か、暗礁か
■「イスラム国」は「原因」ではなく「結果」
■琉球占領の計画もあったアメリカ
■中国西側が「イスラム国」化する危険性
■信頼醸成サミットの目的
■国旗・国歌が制定されても民族は形成されない
■宗教は重要な地政学の要因
■十字軍が再び
※本書は2016年7月に晶文社より刊行された『現代の地政学』を改題のうえ、再編集を行い、加筆修正したものです。
【目次】
新書版まえがき
まえがき
第一講 地政学とは何か
第二講 ハートランドの意味
第三講 ヨーロッパと中東
第四講 海洋国家とは何か
第五講 二一世紀の地政学的展望
あとがき
参考文献一覧【商品解説】
世界を動かす「見えざる力の法則」、その全貌。地政学テキストの決定版!【本の内容】
目次
- 新書版まえがき
- まえがき
- 第一講 地政学とは何か
- 最も危険な理論/ユーラシアとは何か/地政学とは「物語の逆襲」/インテリジェンス機関の最悪情勢分析/物語が持つおそるべき力/貨幣という物語/贈与と返礼/地政学とファシズム/ユーラシア主義とは何か/第二次世界大戦前夜の日本/二・二六事件という茶番/スターリニズムはいかにして生まれたか/回教徒共産主義者同盟/宗主国なき帝国、植民地なき帝国/危険な物語に対する予防接種 etc.
- 第二講 ハートランドの意味
- 複数パラダイムの同時進行/ギリシャ哲学の方法論は「観察」/錬金術師は人の無意識を支配する/着想、理論、証明/プレモダン、モダン、ポストモダンの混在状況/時代が変わっても、変わらないのが地理/ロシア人の国境は「線」でなく「面」/緩衝地帯の重要性/ハートランドを制する者が世界を制す/領海はどうやって決めるのか?/何が島で何が岩か、暗礁か/日本は中国の人工島を非難できない/地政学の組織論的側面/革命のプロセス etc.
- 第三講 ヨーロッパと中東
- パリでのテロは今後も続く/「イスラム国」は「原因」ではなく「結果」/人間が人間社会を治めるのは不遜/トルコのダブルスタンダード/ロシアとトルコの緊張がトランス・コーカサスに波及/北のハートランドと南のハートランド/ウア・ゲシヒテ(原歴史)/アラビア半島の地理的重要性/国民としてのアイデンティティよりも強いもの/アルメニアの悲願/アメリカとイランが急速接近/イデオロギー対立がなくなり、地政学が前景化/ロシアでは子どもに戦争をどう教えるか etc.
著者紹介
佐藤 優
- 略歴
- 〈佐藤優〉1960年東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。作家・元外務省主任分析官。「国家の罠」で毎日出版文化賞特別賞、「自壊する帝国」で新潮ドキュメント賞等受賞。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
佐藤優さんの地政学
2023/08/31 14:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
講義の文字起こしは読みやすくて、案外サクッと入ってくることも多くて好きなのだが、個人的に気になっている地政学の本だということもあって、面白く読むことができました。佐藤さんの強みである宗教と地政学を結びつけようとする試みが良かったです。
紙の本
日本でイスラム原理主義のテロが起きるとしたら新幹線の中だって・・・
2022/02/27 01:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
晶文社から2016年に出た
「現代の地政学」の加筆修正版です。
博覧強記の著者が興味深い話題を
次々に持ち出すので話の筋が見えにくく
なりがちですけれど、基本的には、
原書房から出ている「マッキンダーの地政学」を
教科書にして著者がおこなった、
5回の講演をまとめたものです。
紙の本
地政学の概説書にあらず
2021/11/27 21:18
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は2016年発行の『現代の地政学』(晶文社)を改題の上、再編集・加筆修正したものである。本書は『マッキンダーの地政学』(原書房)をテキストにして、「現代の地政学」と題した5回にわたる著者の講座の内容を取りまとめたものである。このテキストの原題は、『民主主義の理念と現実』(1919年発行)ということで、著者のマッキンダーは地政学という言葉をこの本の中で1回も使っていない。著者は地政学とは、<地理的要因が政治にとって決定的な制約要因になるという考え方だ。具体的には、海と川は人々を近づけるのに対して山脈は人々を遠ざけるという考え方である。>と解説しているが、本書の内容は地政学の概説ではない。2016年頃の世界情勢、早期教育のもたらす効果、ドイツにおけるネオナチ活動に関する報道の意味するところ、東方見聞録は日本人が人食い人種と断罪している書籍、伊豆諸島にある孀婦岩という岩より小さい沖の鳥島を島だと言い張っている日本、2023年フランスがイスラム化する?、ロシアの義務教育では5年間で分厚い歴史や文学の教科書を丸暗記させる、西南戦争で明治維新政府は南北戦争で余った武器を大量に購入、など多岐にわたる。著者の博学を有するが故に多くの事例が扱われ、本論がやや見えにくくなっている面はあるが、この博学に触れるのも一興である。著者は最後に次のような可能性に言及している。「イスラム国のテロは日本でも起きる可能性が高く、その場所は新幹線の車内。韓国は本気で核開発に乗り出す可能性がある。そうなると日本の外交も深刻な局面を迎える。」これが、現実とならないことを願うばかりである。