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紙の本
南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学 (中公新書)
著者 杉山 慎 (著)
【講談社科学出版賞(第38回)】日本の面積の約40倍に及ぶ南極氷床が、地球温暖化により急速に失われつつある。急激な海面上昇は現実化するのか。危機を回避するためにすべきこと...
南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学 (中公新書)
南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学
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商品説明
【講談社科学出版賞(第38回)】日本の面積の約40倍に及ぶ南極氷床が、地球温暖化により急速に失われつつある。急激な海面上昇は現実化するのか。危機を回避するためにすべきことは。氷床研究の第一人者が、謎多き「氷の大陸」の実態を解き明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
江守正多さん(国立環境研究所地球システム領域副領域長、IPCC第5次・第6次評価報告書主執筆者)推薦!
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「地球温暖化で南極の氷は増える」って? そんな説もあったが今は昔。実は南極研究はものすごい勢いで進化している。人類が直面する海面上昇の危機、そのカギを握る南極の最新動向を第一線の専門家が語り尽くす!
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仲野徹さん(大阪大院医学系研究科教授)激賞!
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全編、とても平易な解説で、密度、重力、質量など、中学校で学ぶレベルの物理、じゃなくて理科の知識があれば十分に理解できる。さらには、数年に一度は研究のために南極へ行かれるという著者、北海道大学低温科学研究所の杉山慎教授の「南極愛」があふれているのがとてもいい。
(HONZ「おすすめ本レビュー」より)
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日本の面積の約40倍に及ぶ〝地球最大の氷〟こと南極氷床。極寒の環境は温暖化の影響を受けにくいと言われてきたが、近年の研究で急速に氷が失われつつある事実が明らかになった。大規模な氷床融解によって、今世紀中に2メートルも海面が上昇するという「最悪のシナリオ」も唱えられている。不安は現実のものとなるか。危機を回避するためにすべきことは。氷床研究の第一人者が、謎多き「氷の大陸」の実態を解き明かす。【商品解説】
著者紹介
杉山 慎
- 略歴
- 〈杉山慎〉1969年愛知県生まれ。北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程修了。同大学低温科学研究所教授。博士(地域環境科学)。共著に「低温環境の科学事典」など。
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紙の本
気軽に読める「南極入門書」です
2021/12/20 11:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
南極という未知の世界について学べる、いわゆる「南極入門書」です。
表紙すぐには南極のカラー図やカラー写真が掲載されています。
文章の体裁もカジュアルで、中公新書としてはかなりラフな作りになっているのが好印象でした。紙幅も200頁未満で、気軽に読める内容です。
紙の本
知られざる南極氷床の今
2021/12/14 22:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:第一楽章 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道大学低温科学研究所の教授により、南極氷床の研究の最先端が非常にわかりやすく解説されています。一般的な世界地図では下の端に白っぽくあるな、くらいの南極ですが、その氷床は世界最大の氷の塊です。面積は日本の国土の37倍、2番目に大きなグリーンランドの氷床の約8倍。氷の厚さは平均で1940メートルで、氷の体積は琵琶湖の100万倍もしくは日本海の20倍に相当し、これは日本で消費される生活水の200万年分とのこと。そして、途方もないボリュームの氷が全て溶けると、世界全体の海水面は58.3メートル上昇すると見積もられています。地殻変動による『日本沈没』より、南極氷床の融解の方が、よほどあり得る危機です。
南極の氷床に関する科学は日進月歩で、観測・測定技術の進歩に伴い、新しい発見とそれによる知見の更新が今も続いているそうです。2機の人工衛星の距離の伸び縮み(トム&ジェリーという愛称)で氷の質量の変化を測ったりなど、驚きの連続でした。そして人工衛星の観測が進歩しても、やはり現場での観測が欠かせないのです。
そして、こうした最新の科学を、簡単な言葉で解説する筆者の筆力にも脱帽です。氷は水に浮くこと・冷たい水は温かい水より重いこと・塩水(海水)は淡水よりも重いこと、くらいを押させておけば十分に通読できます。たいてい、分かりやすさと科学的な正確性はトレードオフになるのですが、この本は非常に高いレベルで両立させています。
紙の本
氷床
2021/12/18 21:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
南極の「氷」がどのような状態か?、またどのような危機を迎えているのか?、といった事項について基礎から学べる良書。南極の氷が溶けた場合の海流への影響など連鎖的な作用は驚きでした。
紙の本
未来の予測
2022/06/29 17:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
気候変動、温暖化の問題は地球環境にとって焦眉の急であると言われている。IPCCのレポートは年毎データの更新整備、新しい観測方法の出現等により解析結果も充実してきたようだ。
南極の氷床とその変動は、地球全体の気候問題と強い相関関係を示している。そのメカニズムについて、著者は南極での各国の調査活動からの解析結果を説明しながら将来未来を展望する。とはいえ、自然のメカニズムを実証データで解き明かすことはなかなか難しい。温暖化の基本事項である、気温についてはその測定方法を精査しないと測定値の吟味はできないとする指摘もある。
南極の氷床の調査研究はここ10年間で大きく成果をあげているそうだ。それは人工衛星による観測技術の導入が大きく、気候変動問題と大きく関わることから各国の調査グループが南極で活動し、成果を発表している。南極の存在は氷床や周辺海洋を含めて地球環境に及ぼす影響は大きいという。
過去80万年の地球環境変化をみると、10万年サイクルで推移し、気温とCO2濃度、海水準はほぼ比例関係にある。サイクル上、現在は10万年の温暖期に当たりこれからは寒冷化に向かう位置にある。その約10万年間(12万年)の海水準と氷床の変動も図化されている。サイクル上、いずれ寒冷化へ向かう流れだが、氷床の変動から海水準の上昇速度が大きくなると推測されている。
100年先、500年先の未来の話だが、その変化に対応していかなければ人類も生存が危ういことになろう。
未来を予測するに際して、3つの不確定性があるという。温室効果ガスの排出量、気候モデル、氷床モデルだ。人類が制御可能なのは温室効果ガスの排出量なので未来の地球環境を選択するのは人類自身にかかっているという。
地球環境問題は多くの要素要因が絡まっており、解きほぐすことは簡単には進まない。本書の研究内容も相関関係は抽出できてもその因果関係を明解に説明できていないようだ。今後の研究に期待したい。
紙の本
理科の知識で理解できた。
2022/09/12 07:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み進めるにつれ、他人事ではないのだとヒシヒシと感じるようになってきた。
南極の氷のことなんて、日頃は気にしていなかった。
気にかけよう。