紙の本
設定がいい
2021/12/24 00:48
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投稿者:Amos - この投稿者のレビュー一覧を見る
この世界観の設定がすごく好きです
紙の本
物語のターニングポイント
2021/12/23 18:28
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投稿者:コンドル街道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
鳥子が裏世界で探していた人物であり、コトリバコや潤巳るなの件で、鳥子と空魚に被害や恐怖をもたらした閏間冴月。裏世界に取り込まれたと思しき冴月を「祓う」のが今作。
冴月との因縁は今作で一応決着となる。今回「祓った」冴月が、「裏世界との接触の果てに化物に成り果てた閏間冴月」なのか「裏世界が冴月に似せて作ったインターフェイス」なのかは不明。
「葬式は生きている人間の為に行うもの、生者が死者への気持ちに整理を付ける為に行うもの」という言葉がしっくりくる。
しかし、「冴月を探す」という目的を失った鳥子は今後どうするのか。その辺が次巻のキモだろう。
後、これでアニメ2期は閏間冴月絡みでいけるな、と思う。
電子書籍
裏世界の到達点!?
2023/03/18 15:30
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投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
裏世界とのインターフェースが怪談、という設定は前作までにもあったが、それにハッキング(!?)を仕掛ける、というアイデアに驚かされた。
元ネタの多くががネットロアでありつつ、『ストーカー』の設定を引用した本作だが、今回のアイデアはそれらをSFの方法論で取り扱った到達点と感じた。
物語的にも、ここまでのストーリー、登場人物を活かしきったひとつの到達点だろう。冒頭語られる文化人類学のアプローチ方法も研究者視点から見て興味深い。
参考文献の著者コメントまで含めて、サブタイトルを象徴する作品になっていると感じられる。
紙の本
意外な展開
2021/12/19 14:07
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
出た日に購入して、緊急読了。ええっ、ワシ、こんなにこのシリーズ好きだっけか、と意外に思うけど。てっきり冴月との対決がシリーズの最後かな、と思ってたんだが意外な展開。そしてまさか、るながチーム入りするとは。ビジュアルのインパクトがすげえな。シンボルのすげ替えとか、冒頭の文化人類学ゼミのシーンと呼応して、味わい深い。『枕草子』や『徒然草』からのエピグラフは初めて知った。まだまだ知らん事が沢山ある。楽しい世の中。
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ラスボスですらなかったようだが、一応重要登場現象についてケリはついた。
テーマをちらつかせながら、間延びする。日本人てのは、日常感がないと、続けられないのか。続ける必要があるのか。連載だから?
色々考えさせられる。面白いのは面白いんだけど。
この先どうなるんだろうかね。
図書館在庫分追いついた。当分保留か。
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閏間冴月との決着(?)をつける巻。
月の葬列の名の通り葬式をする話なんだが普通の葬式で終わるはずもない。ネットロアとか都市伝説とか怪談話を下敷きにして襲ってくるへんなものたちと戦う手段がこっちもこっくりさんで無理矢理名前をつけるとかそういうネットロアとかオカルトに頼っているのがおもしろい。いつもは銃とかで立ち向かうけど今回はまたべつの手段が示された巻だとおもった。
閏間冴月は人間であった頃から人でなしで謎の、多分危険な類いの人物だったけれど、小桜とかにとっては友人だったし鳥子は憧れていた。
人間の強い感情や何でもない美しい思い出は美化もされるし永遠にそこから消えやしないと思っているので、二人にとってこの葬式は悲しいとも切ないとも違う複雑な感情だったんだろうなと思う。
小桜が最後に空魚に言った一言がその感情を圧し殺したもののすべてだったのだと思うとちょっと切ない。
それはそうと、「お山」とかまた気になるワードが出てきたし、閏間冴月はひとまずの区切りを迎えたけれど空魚のことはまだ何も明かされてはいないので今後も気になる展開。でもとりあえず一区切りって感じもある。
あと地味にるなちゃん好きなので出て来てくれてよかった。敵ではないが味方ではない感じでこれからもちょいちょい出て来てほしい。
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閏間冴月。
鳥子の探してる人であり、小桜の友人であり、茜理の家庭教師であり、るなの崇拝する人。それが現実世界で空魚に接触してくるようになったため祓う事を決意する。しかし、既に裏世界の一部である冴月を祓うにはどうすれば良いのか?空魚は葬式をする事を提案して。
面白い。会話やテンポが良く楽しく読める。ネットロアを文化人類学と絡めてるのは興味深い。
この後の展開がどうするのかわからないが、まだ読みたい。
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本気で面白かったよ!!と誰かに言いたい。
小6姪っ子が待っているのでクリスマスプレゼントとともにまわします。
空魚が人間味出てきてるのも良かったし、空魚の大学生活がまず善きものですね。
ゼミでテーマについて話す空魚は現実世界にまだ未練はあって、裏世界に消えていくことはないねんなーって今回の7巻でちゃんとわかった気がした。空魚の探しているもの求めているものをたぶん閏間冴月は同じように手にしたかったし、自分は平気だと裏世界に挑んでのみこまれたんだとワタシは思った。結局冴月は鳥子や小桜を利用して裏世界に行くことだけを選んで空魚はそうじゃなくて全部を引き受けることにしたから、現象となった冴月に引導を渡せたんやとおもう。でもまだ終わりじゃない。赤い女のこととか回収されてない。はやく続きをお願いしまっす!!
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葬儀式場はこちらになります、な7巻である。
あらすじでも明示されているが、この巻はここまでの物語に大きな一区切りを置く一巻であり、6巻同様に一巻を通じて描かれる中編となっている。
章立ては以下の通りだが、これ自体にはあまり意味はないかもしれない。(少なくとも連作短編形式ではない)
ファイル21 怪異に関する中間発表
ファイル22 トイレット・ペーパームーン
ファイル23 月の葬送
誰の葬儀であるかは一応この感想では伏せるが、あらすじにも明記されているので特に意味のない配慮だろう。
表紙に登場した彼女は、物語上でもきちんとした形で登場している。
そのおぞましい存在感は読者にも伝わり、そのおぞましさゆえに祓うべく空魚が決意することになる、そうした物語である。
一つ述べておくと、この巻は前巻同様に「裏世界ピクニック」としてのニュアンスはほとんどない。
だが、それでもこの巻は名作回と言っていいだろう。
関係が深化したキャラ同士の絡みは面白く、シリーズで一番笑ったようなシーンも含んだコミカルさもある。
その一方で、メインとなる葬儀のシーンにおいては、描かれるべきシリアスがふんだんに描かれて、まさに葬送に相応しい密度の描写が置かれている。
百合ファンが喜ぶだろう内容も大いに含まれている。
またSFファンにとっても、今回の葬儀が持つ儀式的怪異対応は面白さがあるに違いない。
オールキャスト型の物語もまた魅力的である。
そして、すでに述べたように、肝となる葬儀が読ませる内容だ。
裏世界ピクニックという主題から外れていて、そこで減点しても、星六つ程度で評価したい一巻である。
率直に面白かった。良い読書をさせていただいた。
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今回も安定の面白さ。
シリーズ7作目だけど、飽きずに読ませる力量はさすが。
不気味な存在だった閏間冴月との決着。
葬儀、すなわち別れの儀式がもたらす効果。
空魚の大学での講義のシーンもよかった。
文化人類学のゼミでテーマを掘り下げていく様子はなじみがないから新鮮に感じた。
「そのテーマに興味を持った自分の情熱にも、同じくらい率直に向き合うべきかもしれない」
教授の言葉が、本巻の総合テーマにも思えた。
鳥子や茜理、夏妃、るなに対する感情に、空魚自身が率直に向き合おうとする。
人が人として存在し、かかわり、生きること。
空魚の生き方が変わっていくことと学問的興味とがリンクしていくのが面白い。
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書店の売り上げランキングの類いにはラノベに属される本シリーズですが、ハヤカワから出ていることもあってか、ラノベっぽさなどはほぼ感じられず、この7巻では特に比喩の表現がとても豊かで、月の葬送という耽美なタイトルに相応しいシリーズの中では屈指の美しい作品だったと思いました。それでいて空魚の戦国時代の人ぶりや小桜のセリフや説教のキレももちろん健在でとても楽しめた一冊になりました。ラストの空魚と鳥子はSFでも百合でもなくもう紛れもなく純文学でしょ、現代版ハヤカワ版花物語!しかし全くいい意味で次巻からの展開が全く想像つかない…こういう読後の感情を久しぶりに思い出しました。余談ですが書店特典のポストカードがとても良かったです、ファンの方、電子版で読んだ方も書籍版買う価値あります、自分は両方買いました!
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5巻はバリエーション豊かな短編集、6巻は番外編といった趣があって、更に前者は鳥子の気持ちに段々自覚的になる空魚、後者はそれゆえにちゃんと向き合おうと努力しようとする姿が描かれていたが、いずれも若干大きな跳躍へのステップのような感じがしていた。その待ちに待った跳躍が、今巻だろう。これまでばら巻いていた種が一気に結実するような爽快感と、一歩踏み込んだ空魚と鳥子の関係性。またその関係性も、新しい局面に突入こそするものの、一気に進め過ぎないのがもどかしくもあり、一方で素晴らしい点でもある。こっちは入り組んだ感情を解きほぐして、互いに一緒にいるためにはどうすればいいかを整理する過程が見たくて百合読んでんだ、これくらい丁寧にやってくれなくっちゃ。
ホラーとしても、初期の訳の分からないものに相対する怖さみたいなものが、盛り返して来ていて良かった。読んで怖いと感じるかはともかく、綱渡りで対処しなければならない緊張感のようなものは味わえるだろう。
その一方で、その訳の分からないものに対して、SF的なアプローチで分析をしかける魅力もまた、更に立ち入って描かれていたように思う。そこに付随して、攻勢に出た彼女らの、敵に対する対処法が民話的というか、宗教的なのも良かった。
こちらに戻ってくるための楔としての大学生生活においてもやや進展が見られるが、そこで講義という形で言及される文化人類学の思考枠組みの変遷は興味深かった。更に、空魚の研究テーマ(=学生生活の主題)と向き合うことが、とりもなおさず彼女が目を背けているパーソナリティに向き合うことと繋がっていて、本筋の進展と関わる要素になっているのも良い。
未解決の要素は決して少なくないが、空魚と鳥子の関係という面でも、ストーリーとしても(この二つはほぼ同義だとも言えるが)、ひとまずは新しい局面を迎えたと言えるだろう。次巻も楽しみだ。
ネタバレを含む詳しい感想は、コメントにて記す予定。
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前巻に引き続き、単体のエピソードを1巻通して描いている。
と同時に、これまでのエピソードを貫く大串だった部分に決着をつける巻でもある。
葬儀というモチーフも、そこで起きる出来事もしっかりと恐怖を感じられるものでありながら、積み上げてきた裏世界という存在が認識や感覚の概念から成り立っているという設定をしっかりと活かしており、面白かった。
しかし同時に、大きくストーリーをドライブさせていた要素に区切りがついたということでもあり、次巻以降どう広がるのか、あるいは畳んでいくのかが気になるところ。
あとがきに記載されていた汀のモデルは、あまり意識していなかったが言われればなるほどと思う人選だった。
故人の冥福を祈りたい。
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シリーズ第7弾!
1巻からの宿敵、閏間冴月
閏間冴月vs空魚、鳥子、小桜、潤巳
4人での弔い、お葬式
今巻は怖さよりも、切なく、そして清々しく開放された感じがする
それぞれの閏間冴月への想いを抱えて裏世界へ!
潤巳ちゃん……倒れちゃうなんて最後まで何か可哀想…残念な子?に感じてしまう苦笑
空魚ちゃん、人間に興味無いと言いつつ凄く人間らしく成長しているなって、良い方に変わってきてるなってとても思う
閏間冴月という人間との決別後、どんな物語が展開されていくのか気になってしょうがない
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明確な脅威として存在し続けてきた閏間冴月とついに決着。実際は閏間冴月本人とではなく、冴月の姿を取った裏世界の一端とではあるが、これは初めて裏世界に対して先制攻撃ができたのではないか?何やら綺麗な終わり方だが、まだまだ明らかになっていないことも多いし、紙魚と鳥子のこれからも気になる。