紙の本
表紙のイラストがよい
2022/01/01 06:07
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙のイラストや手ざわりがよい。日常のつらいことをしのいで、前を向いて生きるという後味のよい短編で、読んでいて楽しくなる。
紙の本
少しずつ元気になれるのがイイ
2022/03/08 18:34
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
リフレッシュ休暇を取ったけれど、毎日の仕事で疲れきってなにもしたくない。偶然録れているテレビ番組をただ見ている。興味も無い番組なのに、一日一日、明日はこれをやってみようかなと思えるようになる。
残り少なくなった残りの休みに旅行でも行こうかと思えて読んでる方がホッとした。
貧弱な今日の食事をSNSに投稿
資料室に籠城
こちらも癒される。
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『群像』掲載の短編8作。掲載時期も、書かれている設定もバラバラ。読み進めても今までのように抜き書きしたい文章もなく、表題作を取ったと思われる3作目もあまり自分には合わないかなと少し残念に思っていたが、4作目で突然ツボに。ティボー(本作ではティボと表記)・ピノが出てきたのだ。ピノというのがなんとも絶妙。雑誌掲載時(2015)ならフルームやコンタドール、ニバリがいたろうに。これで興に乗って残りを一気に読了。良かったのは「メダカと猫と密室」と「フェリシティの面接」。津村さんは会社ネタの話が面白い。「フェリシティ...」はミステリっぽいところがよかった。事件が起きたわけではないけど『アンジェラとラファエル 文書係の事件録』のような世界観。
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ちょうどリフレッシュ休暇の最中に読み始めたので最初の一行を読んでちょっと笑ってしまいました。
粗食インスタグラムが面白かったかな。
淡々と描かれていく感じがありますよね。津村さん。いろんな日常を垣間見たような感じになります。
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2012年から2021年まで群像に掲載された短編8篇。
刑事コロンボを自動録画していたはずが謎の料理番組やら人生相談、旅番組などが録画されていて、それを観ていくうちに無気力だった私が少しずつ…という「レコーダー定置網漁」。ロバの配送さんによって配られる便利冊子と風変わりなサービスが面白い「現代生活手帖」。この2篇が特にお気に入り。
搾取する側とされる側をA群B群に分類して描いた「牢名主」、粗食ばかりのインスタを載せ続けていたら…という「粗食インスタグラム」など、すべて書かれた年代も題材も異なるのだけど、どれも一歩前に出る力をほんの少し貰えるような作品で、いつもながら面白い切り口でした。
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離婚の報告をする料理研究家や割と本音を口にするアナウンサーが笑えた。
近未来風の「現代生活手帖」、洋物ミステリー風の「フェリシティの面接」
毛色の違うものもいいけど、やはりお仕事ものが面白い。
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台所の停戦
母の立場も娘の立場も経験している私は、
自分も同じような事があり、みんなそうなのか、と驚きました。
子供の頃、母がしている家事をほんの少し手伝ったら激怒された記憶。理解不能だったけれど、手伝われることは母の領分を犯し、家事が出来ていないと同義なのだと分かりました。
娘が料理をする時には、私が食事の用意をする時間と被らないように指示していたし、冷蔵庫内の娘が購入した食材は、自分の領地を犯されたような気分になります。
現代生活手帖
両手が不自由な人なら、テーブルをなめるなと思いました。
イン・ザ・シティ
マインクラフトがきっかけで友達になる2人は、共に男兄弟がいて、母親は自分よりも男兄弟を贔屓している点も共感できました。
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著者初読み。
ブクログのレビューを見て、読んでみたいと思った一冊。
かなり評価の高い作家さんで、「短編の名手」とのことだったが、個人的にはどの作品もピンと来なかった。
偶然録画された興味のない番組、冷蔵庫の陣地争い、映えない食事ばかりのSNS、資料室の籠城騒動・・・
忙しい現代社会に細やかな反抗とも取れるが、どの登場人物にも感情移入が出来なかった。
特に「台所の停戦」のイライラ具合が、心に響き渡って、そこで読むのを止めてしまいたいくらいだった。
心が元気じゃない時に読むのは、良くないのかもしれない。
それくらい心が疲れ切った人を描くのが、上手な作家さんなのだろう。
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短編集。
「レコーダー定置網漁」…仕事に疲れてリフレッシュ休暇をもらった私。TVでコロンボ警部を録画するはずが、地方局の情報番組を毎日録っていた。しかし出演するアナウンサーたちに励まされ?気力を取り戻していく。
「台所の停戦」
「現代生活手帖」…近未来?SF.自治体から配布される手帖。タウンワークのように、地域の便利商品も紹介されている。私が利用する配送酸はロバ。
「牢名主」…アドリアナ・スミス群。それは病的なまでに相手B群に執心してくるA群と、被害者B群のこと。B群になって逃げるために引っ越し、そこでリハビリグループに通う女性。
「粗食インスタグラム」
「フェリシティの面接」
「メダカと猫と密室」
「イン・ザ・シティ」
あらすじ、全編は書かないけど、最後の4編も好きで、ストーリー忘れないだろう。今作は地に足のついたというか、地味なSFっぽい話もあって、新たな津村作品が見られた。「フェリシティの面接」は、読んでる途中で予感がして、「もしやミスレモン?」とわくわくした。仕事で摩耗して、ボロボロになっている作品もあったけど、ほんとーにスローに回復していく様子は希望があったし、そこにもやはりユーモアがあった。この本も読んでておだやかな気持ちになった。
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相変わらずうまい、そつがない。
期待通りの読後感だが、退屈することはない。
「イン・ザ・シティ」が特に好き。中学生を書かせたらほんとピカイチ。
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津村さんのお話は、どこか自分の日常でなにげなく見過ごしてしまっている、やり過ごしてしまっている、とても大切だったはずのなにかを思い出させてくれるような、そっとしたやさしさを感じることが良くあります。
冷蔵庫の食品の配置だとか、上司のありえない指示だとか、他愛ない十代の果てしない想像力だとか。どこかいつか自分が触れたかもしれない、触れなかったかもしれない、そんな絶妙な親近感が、素朴なのにいとおしいような温かい気持ちにさせてくれるのかな、などと思ったりします。
大きな突飛な事件が起こるわけではない、悲喜劇のカタルシスがあるわけでもない。それでも人々はそっと不満を抱えたり抱えなかったり、絶望したりほのかに期待したり、ゆるりと日々を歩んでいく。歩んでいこう、と思わせてくれる、そんなお話たちばかりでした。
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今の人に刺さる内容ばかり。少々極端だとは思いつつも、共感してしまいました。ダークではありますが、誰もがどこかでそんな暮らしをし、そんな事を考えつつ生活してる人が存在しているのではないのか、とそんなふうな事を思いました。
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とても静か。いまからこの左側のソファの上で毛布にくるまって津村記久子の現代生活独習ノートの続きを読む。短編集で、最初の二つはすでに思い出せないくらい普通の生活を描いてたのに、三つ目はなにこれ星新一?となって驚く。今四つ目の途中なんだけど、これもどこか不穏。
読み中の津村記久子を閉じて、本中に出て来たフライパン焼き鳥を作る。作中の料理研究家が、離婚直後のやる気のない時にでも作れる簡単ごはんとして紹介していたもの。鶏もも肉と長ネギを適当に切って焼いて醤油と味醂と砂糖で味付け、15分で出来る。作ってみたら味が濃そうだったので久しぶりに冷凍ご飯を解凍して丼にした。今日はOKでパンを3つも買って食べ尽くしていたのに、美味しく食べ切った。
ああ、大丈夫じゃん。もう、なんでも美味しく食べられるかも。
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津村さんの書く小説は、働いている女性が出てくるものが多い。バリバリのキャリアウーマンというわけではなく、働いてはいて、それなりに会社に貢献もしているものの、どこかしらその職場に違和感を抱いていたり、働くのが嫌にならないほどの適度な邪魔物と対峙せざるを得ないような、そんな軟らかい硬直を抱えた女性の話が多い。また、大抵の場合その女性は人から咎められない程度に怠惰だったりもする。
その緩さというか、発展も急な堕落もしないが、果てしなく緩やかな下り坂をノロノロと降っていくだけのような労働という名の日常の中に、ちょっとけつまずく様な小石を見つけたり、立ち止まりたくなる様な路傍の花を見つけたりする話が展開する。
小石と言ってもけつまずくと痛いから、登場人物は時に激しく憤ったり、鬱憤を吐き出すために他人の悪口をノートに書きつけたりする、、、
そういう話が読んでいて楽しい。
と思っていたら、最後の一遍「イン・ザ・シティ」は女子中学生のちょっとキュンとする話だった。
こういう意外性もまた面白いんだよね。
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【収録作品】レコーダー定置網漁/台所の停戦/現代生活手帖/牢名主/粗食インスタグラム/フェリシティの面接/メダカと猫と密室/イン・ザ・シティ
仕事に倦み疲れながら、どうにか生き延びている人々の日常生活に焦点を当てた短編集。しんどい心に効く気がする。
「フェリシティの面接」は、ミステリ風味。フェリシティの正体(?)を考えると楽しい。