紙の本
読みやすく解りやすい
2022/02/28 10:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
鎌倉時代の150年を仕切った北条氏について本郷史観で説いてゆく、わかりやすく、おもしろい本だ。
何故?、と疑問に思うような事項について著者の見解を加えて明解に説明している。北条氏と鎌倉時代の幕府や朝廷の武士の暴力を加えた権力闘争の様子が思い浮かぶようだ。名目上のトップには決して立たず、それなりの人を神輿に担いで実質的支配を行う政治体制が150年続いたという。現代でも似たようなことがあるがこれほどは長続きはしてはいない。
紙の本
わかりやすいです。
2022/03/11 19:25
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投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほっ!なるほど…と思いながら読んでいます。
かなり読んだのですが、いささか疲れまして、元寇の辺りからは少し日を置いて読もうと思います。
学校の日本史で習ってすっかり忘れていたこと、元々よくわかっていなかったことを学べて、助かります。
紙の本
読みやすい
2022/01/18 12:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史で習ったきり、すっかり興味も薄らいでいた鎌倉時代。大河ドラマのおかげで、関心が湧いて、購入してみた。
目次にあるように、北条氏の人物ごとに順を追って、この時代が易しい言葉でつづられており、歴史を習い始める小学校高学年の子どもくらいから、読めそうだ。
単なる解説ではなく、ところどころ本郷先生の見立てが示され、理解を助けてくれる。
大河を見ながら、気になった人物の部分を再読する、といった読み方もできるだろう。
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視点が違うので比較するのはオカシイのですが
最近読んだ呉座さんの”頼朝と義時”よりこちらの方が
読みやすく面白くかったな。
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北条時政から鎌倉幕府の滅亡まで辿るので、鎌倉時代の通史も知ることができる。大河ドラマは色々と研究の成果と史実に基づいていたんだな。鎌倉時代は日本史の大きな転換点で、それまで西高東低だった日本史だけど東に基礎を置いた。そして辺境の無名の北条氏が日本を動かすリーダーになった。
時政は当時の武士には珍しい文書が書ける人物だった。文書で行政が動いており、幕府の文官は貴重な存在だった。敵を殺し、実行犯も消すという北条氏の手口。承久の乱で戦争放棄した天皇。所領の分配で土地を保証する存在となった北条氏。義時の御家人中心主義と世論を納得させる力。六波羅探題として京から政治手法を学んだ泰時。他にも後代の北条氏と日蓮宗や禅宗、元寇、特政令等にも触れられている。
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NHK大河ドラマ〝鎌倉殿の13人〟では、<北条義時(小栗旬)>が鎌倉幕府の執権を司り「承久の乱」の戦後処理に注力するなかでの病死、続いて頼朝の妻<北条政子(小池栄子)>が亡くなるまでのドラマ化が予想されるが、鎌倉時代を中心に日本中世史が専門とする著者が、血生臭さと人間臭さのただよう陰謀の時代の通史として、鎌倉幕府滅亡までを分かりやすく解説されている。〝北条一族を滅ぼせば、北条のもつ土地が恩賞として与えられる〟あまたの戦いの歴史は、人間の悪の論理に塗り込められた不条理の証しとして、今も何ら変わっていない。
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大変に興味深く、紐解き始めて頁を繰る手が停まらなくなり、素早く読了した一冊である。
所謂「“鎌倉時代”というのは何?如何いう感じ?」というようなことを、その鎌倉時代の様々な史料を突き詰めて精読する研究活動を続ける著者が、実に「判り易い!」という感じで説くのが本書であると思う。
“鎌倉時代”というのは、台頭した鎌倉幕府が世の中の主流を占めたと見受けられる時代である訳だが、その草創期と充実の時期と衰退の時期とでは様々な違い、変遷も在るのだと思う。そういうことを含めて「“鎌倉時代”というのは何?如何いう感じ?」というようなことが判り易く説かれているのが本書だ。そして、その“鎌倉時代”に幕府の枢要部を占めていた北条家の活動に着目して紹介している。
鎌倉幕府が鎌倉に登場したような時点で、既に京都の朝廷の権威が日本国内の主流であった。その主流であった権威に対し、関係する武士達、“御家人”の互助的な機構として一定の権威を有してそれを揮う幕府が現れた。その幕府の中で、抜きん出て君臨するのでもなく、「互助会の中の筆頭幹事」という具合の位置を築き、掴んで行くのが北条家だ。時代を経て、様子が色々と変わっても、この原理原則は変わらないようで、例えば北条家の人が抜きん出て高い官位を得るというような例、他の人達の上に君臨するかのような例は一貫して登場しなかったようである。
その北条家は、争いを勝ち抜き、他方で独自の権威を確立して行く。鎌倉幕府が衰退するような頃に至ると、何やら北条家そのものが矛盾めいたモノを抱えるようにもなって行く。何か“組織”とか“機構”というようなモノが、起こって、充実し、それが何やら形骸化、劣化して行くという「一般論」がこの「北条家を核とする鎌倉幕府の歩み」という中に詰まっているかもしれない。
本書は、類例が思い浮かび悪い程に鮮やかに、その北条家の変遷を判り易く説いてくれる一冊になっている。これは実に素晴らしい!!
本書を読んで凄く強く思ったのは、鎌倉幕府は源実朝という3代将軍の頃、実朝を梃子に鎌倉幕府を傘下にして権威と強権を振るおうとした朝廷と、さり気なく実朝の暗殺までしながら鎌倉幕府体制の独立性を護ろうとした北条家との抗争たる<承久の変>を経て、以降は後醍醐天皇の討幕活動への緩慢な流れなのかもしれないということだ。
本書の著者は、日本史の研究者として興味深い話題を一般読者向けに広く提供する本を多く著している方だと思う。その著者が、御自身の主要専攻の鎌倉時代を語っている本書なので「読まなければなるまい」と思ったが、その判断は間違っていなかった。北条家が台頭しようとする頃から、歴代の北条家の人達、鎌倉幕府に関わった様々な人達の史料から読み解くことが叶う「活き活きとした物語」というようなモノが本書には在る。
個人的には「鎌倉の文物」というようなモノが何となく好きで、古く、自身の学生時代には鎌倉を訪ねて親しんだ想い出も在る。本書で、その鎌倉で展開した様々な出来事等の話題に触れると「鎌倉…行ってみようか…」という興味まで沸き起こってしまう。
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<目次>
第1章 北条時政~敵を作らない陰謀術
第2章 北条義時~「世論」を味方に朝廷を破る
第3章 北条泰時~「先進」京都に学んだ式目制定
第4章 北条時頼~民を視野に入れた統治力
第5章 北条時宗、北条貞時~強すぎた世襲権力の弊害
第6章 北条高時~得宗一人勝ち体制が滅んだ理由
<内容>
さすがに本郷さんの本職部分。わかりやすく、的確な史料が出てくる。解釈は相変わらずアバンギャルドだけど。ただ時宗のあたりは、納得の仕上がり。最近元寇の評価もかなり変わってきているので、鎌倉時代の再確認にいい本でしょう。
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歴史の面白さを再認識させてくれた本郷先生のご専門である鎌倉時代を、特に北条氏を軸に読み解く一冊。
大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」時代から続く、政治システムとして機能した北条氏の解説書。
さまざまな文献、歴史書を基に、詳に解説される鎌倉時代はとてもリアル。
ぼんやりと認識していた、将軍頼朝と北条の関係をとてもクリアに学ぶことができる。
新書ではあるが、情報量が多すぎて、何度も読み返す必要がありそう。
読んでから買う本認定。
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鎌倉幕府の勃興から滅亡まで、北条氏の執権たちを主軸に鎌倉時代を通史として概観する。ポイントを押さえ込み入った人間関係もわかりやすかった(読み終わると頭から抜けてしまいましたが) 今まで永井路子さんのをおもに読んだが勃興期のものが多かった。こうして滅亡までを通史的に読んで印象に残ったのは、滅亡期だった。
鎌倉幕府、北条氏の滅亡は1333年5月22日、14代執権、高時は討幕軍に囲まれ菩提寺の東勝寺にこもり自害する。ともに散ったのは「太平記」には283人とあり、北条一門か御内人(得宗本家に仕える人)ばかりで、一般の御家人はほとんどいないという。
北条氏はライバルをたおし、その領地を奪って肥大化してゆき、滅亡時点では日本のほぼ半分の国の守護職を持っていたとされるが、滅亡時には御家人たちには見捨てられていた。御家人ファーストで始まった鎌倉幕府だが、しだいに「得宗ファースト」「御内人ファースト」になっていて御家人たちの不満が高まっていた。
足利尊氏は御家人であり北条守時(16代最後の執権)の妹が正室でありながら、北条家を裏切り討幕軍となったが、本郷氏は、後醍醐天皇に共鳴したのでもなく、「北条氏中心の幕府を終わらせて、自分が中心となった新しい武士の政権を作ろう」とひらめいただけのことだったとする。その「裏切り」の決心を促したのは御家人たちの「世論」だとする。
時政、義時、泰時の3代は新しいものを作る草創期。人間にたとえるなら青年期だ。5代時頼は壮年期か。元寇にあたった時宗、その次の貞時は、「強すぎた世襲の弊害」との見出し。それまでの執権は実力で執権を勝ち取ったのに対し、時宗は得宗家の嫡男に生まれた、生まれながらにして執権を約束されていた世襲のリーダーだ、というのだ。それが滅亡への序章となる。
北条時政~敵を作らない陰謀術
北条義時~「世論」を見方に朝廷を破る
北条泰時~「先進」京都に学んだ式目制定
北条時頼~民を視野に入れた統治力
北条時宗、北条貞時~強すぎた世襲権力の弊害
北条高時~得宗1人勝ち体制が滅びた理由
高時の子、時行は陥落の中逃れる。諏訪に逃れ2年を過ごす。この間に建武の新政が始まり、1335年、高時は挙兵。北条残党や新政に疑問を持つ者達が合流。7月25日に鎌倉に入る(中先代の乱)。が尊氏軍の前に敗走。その後も諦めることなく戦い続け、決起と敗北を繰り返し1353年に足利軍に捕らえられて鎌倉龍ノ口で処刑。これが漫画「逃げ上手の若君」になっており本郷氏が解説を担当。
2021.11.20第1刷 図書館
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筆者独自の解釈、共感できる部分が多かった。
時宗の評価はまさに言う通りかなと思う。
複雑な人間関係を現代に置き換えて分かりやすく説明されていて、理解が進んだ。
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2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に先立って、その予習需要を狙って2021年の秋に出版された本書ですが、「鎌倉殿~」を全話視聴した後で復習の意味で読んでみました。本書は北条氏が執権を務めた時政(初代)から高時(14代目)まで、鎌倉時代をざっと通して北条氏がどのように権力を握って行ったのかを描いています。ですので、「鎌倉殿~」のキャストやシーンだけではなく、この時代を採り上げた大河ドラマ「太平記(1991年)」での北条高時(演:片岡鶴太郎氏)、赤橋守時(演:勝野洋氏)などのシーンも思い出しながら読みました。
鎌倉時代というのは日本史を高校できちんと勉強していないと、イマイチ理解が浅く、歴史上の位置づけがあいまいになりがちです。そのせいもあって「鎌倉殿~」を視聴しているときも理解に苦しむ場面が結構ありました。そういう人にとっても本書は各人物の言動や判断を分かりやすく追っているので、時代の流れをつかむ程度であれば丁度良い内容です。著者は「平清盛(2012年)」の時代考証を担当しているだけに情報量も新書1冊にしてはボリュームもあってお勧めの1冊だと感じました。
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文藝春秋社の「本の話 メールマガジン」に応募したら、この本が当たりました。
日本中世史(鎌倉時代)を専門とする本郷教授の執筆なので、応募したのですが、たまたま今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とぶつかりラッキーでした。NHKとしてこの時代をテーマにした大河ドラマは2012年の「平清盛」以来です。この時は低視聴率にNHKも悩まされたようですが、今回は汚名返上すべく豪華キャストで臨むようです。
本書は、当時辺境であった伊豆の田方郡を拠点とする平氏の在地豪族であった北条氏が、如何にして鎌倉幕府の中心的な地位まで登り、その後百年以上に渡り日本を動かす政治集団のリーダーに成り得たのか、かつ滅亡する原因は何であったのか等をリーダーシップのあり方を通じて論じたものです。
この本を読んで興味を引いたのは、以下の3点です。
1.北条氏の幕府内での地位
頼朝を支えた御家人を分類すると、
① もっとも重んじられたのが、頼朝の親族にあたる「下野の足利氏」「信濃の平賀氏」。 この一族は将軍になれる可能性があります。後の室町幕府を作った足利尊氏は、この一員です。
② 次に「家の子」と呼ばれる頼朝の親衛隊。北条義時や結城朝光等
③ 最後は「侍」。これは普通の御家人だが、この中でも大きな意味を持っていたのは、伊豆、駿河、相模、武蔵の南関東四か国の御家人で、ここの出身者であれば、幕府の中枢に入ることができた。北条氏、安達氏、三浦氏、和田氏、梶原氏、畠山氏、比企氏がこれに当たります。
北条氏もこの有力メンバーの一員ではあるが、飛びぬけて大きな存在ではなく、むしろ頼朝の伊豆時代を経済的に支えた比企氏の方が優勢で、頼朝は二代将軍となる頼家の妻をこの一族から迎えています。
そしてこの御家人の中から如何にして北条氏が抜けだしてくるか・・・は、省略します。
2.元寇の時の北条時宗は「救国の英雄なのか」
結論を言ってしまえば、著者の見解は、「外交能力の欠如した幕府崩壊の遠因となった無力なリーダー」というものです。詳細は本書に譲ります。
3.幕府の変遷という視点
① 鎌倉幕府1.0:頼朝の開いた幕府
② 鎌倉幕府2.0:承久の乱で朝廷を打ち破り西国進出
③ 鎌倉幕府3.0:元寇以降・・・幕府は、元寇による外からの脅威に対応した挙国一致体制を目指す「(オールジャパン)統治派」と「御家人ファースト派」との争いが続く。この争いは「御家人ファースト派」が勝利するのですが、その後の変遷を経て、執権職を誰かに譲ったのちに、北条本家の当主が権力を掌握し続けるという「得宗家ファースト」というべき偏狭な幕府に変わってゆきます。
しかも時代の流れでもある貨幣経済に上手く対応できないこともあり、御家人の離反を招き、その中から新しいリーダーとして足利尊氏が登場し、幕府の滅亡へと繋がってゆきます。
著者は「北条家の成長と安定、それに衰退の歴史を知ることは実に興味深い。足利氏も徳川氏も、家の歴史として見たときに、ここまでのダイナミズムはありません・・(略)・・私たちの視点からすると、なんだか不思議な一族。北条氏の足跡を追いながら、日本という国がもつ特質に思いを馳せて下されれば、書き手としてはこれに過ぎる喜びはありません」と結んでいる。
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【「大河」ファン必携の北条全史】源頼朝の鎌倉幕府をいつの間にか乗っ取り、その崩壊とともに消滅した一族。その勃興から最期までを第一人者が分かりやすく解説する。
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大河ドラマをもっと深く知りたくて読んだ。鎌倉幕府とは、北条氏とは、が分かり易く解説されていて、一層興味がわいた。