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- カテゴリ:一般
- 発売日:2021/12/17
- 出版社: 集英社
- レーベル: 集英社新書ノンフィクション
- サイズ:18cm/295p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-08-721195-5
紙の本
シングルマザー、その後 (集英社新書 集英社新書ノンフィクション)
著者 黒川 祥子 (著)
子どもの自立後、シングルマザーを待っているのは一層苛酷な現実だった…。調停マニアと化した前夫と闘う女性やセックスワーカー等、国から見放された女性たちの痛切な叫びに耳を傾け...
シングルマザー、その後 (集英社新書 集英社新書ノンフィクション)
シングルマザー、その後
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商品説明
子どもの自立後、シングルマザーを待っているのは一層苛酷な現実だった…。調停マニアと化した前夫と闘う女性やセックスワーカー等、国から見放された女性たちの痛切な叫びに耳を傾け、制度の不作為を告発するルポルタージュ。【「TRC MARC」の商品解説】
雇い止めや学校の一斉休校、家庭内トラブルの増加。
コロナ禍で一層、シングルマザーの生活困難が深刻になっている。
「早く子育てから解放され、自分の人生を謳歌したい」。
だが、将来を夢見て耐え忍ぶ彼女たちを待つのは、一層苛酷な現実だった……。
子どもを何とか自立させたものの、雇用や社会保障から見放された双肩には老親の介護がのしかかる。
調停マニアの前夫と戦う女性やセックスワーカーなど、国から見放された女性たちの痛切な叫びに耳を傾け、制度の不作為を告発するルポルタージュ。
【本の内容】
目次
- はじめに
- 第一章 子育ての後に、待っていたもの
- 第二章 一九八五年──女性の貧困元年
- インタビュー 一九八〇年代以降の無策がシングルマザーを苦しめている 宮本みち子(千葉大学・放送大学名誉教授)
- 第三章 老後などない
- インタビュー 福祉は恵んであげるもの、という誤解 神原文子(社会学者)
- 第四章 世界はシングルマザーをどう見ているのか ──フランスと韓国の場合
- インタビュー 日本のシングルマザーはなぜ、ワーキングプア状態に陥るのか 畠山勝太(比較教育行財政/国際教育開発専門)
著者紹介
黒川 祥子
- 略歴
- 黒川 祥子(くろかわ しょうこ)
ノンフィクション作家。福島県生まれ。東京女子大学文理学部卒業後、弁護士秘書、ヤクルトレディ、業界紙記者などを経てフリーランスとなり、事件や家族の問題を中心に執筆活動を行っている。
2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待──その後の子どもたち』で第11回開高健ノンフィクション賞受賞。その他の著書に『県立!再チャレンジ高校』(講談社現代新書)、『8050問題』『心の除染』(集英社文庫)など。
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紙の本
厳しい現実だが
2022/01/16 14:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
シングルマザーは身近にも多くて、その大変さはある程度理解しているつもりだったが、元々足りていない「福祉」のセーフティーネットから外れる、「子どもが18歳以降」が大変であることまでは、考えが至っていなかった。
シングルマザーも多様だ。
仕事も能力もあり、夫がいない方がかえってストレスがないと言っている人もいる(ワンオペのワーキングマザーの方が気の毒なケースもある)。だが、ひとり親世帯の貧困率(特に母子家庭)を見れば、多くの人がどういう状況に置かれているかは想像できる。
シングルになる理由もさまざまで、死別もあれば離別もあり、離別の場合はモラハラ含む夫のDVなど、本当に、本人の力ではどうしようもないケースもたくさん見受けられる。ただ、そうしたケースが「自己責任」として片付けられてしまうのが現状だ。
本書は、当事者たちのインタビュー、専門家のインタビュー、フランス、韓国などの事例などで構成され、それらから、日本の女性施策、ひとり親支援の問題点を、指摘している。厳しい実情、理不尽さは想像以上だ。
しかし、狙いはよく分かるのだが、読んで何だか不快な気持ちになる。
当事者たちの元夫たちがあまりにもひどすぎる事例ばかりだからなのかもしれないが、著者の書き方が、終始、糾弾調で、少々荒っぽいからかもしれない。
インタビュー部分はもっと客観的であるべきだと思うが、かなり著者の思い(男への恨み?女性も分断され、共感してもらえないことへの怒り?)が出ていて、肝心な当事者本人の自然な言葉が聞けない。
せっかくインタビューしているのに、社会に批判的に事実関係を語らせるのみで心情などが伝わらず、共感が半分になってしまう。登場したシングルマザーの口調が、すべて同じようだ。本当はそれぞれ顔が違うように、事情も、醸し出す雰囲気も違うのではないだろうか。著者が言いたいことのために、集められた言葉のようで、実際にはもっと個々に言葉があるはずなのに、それが伝わらず、
厳しい実情や、女性・シングルマザーをめぐる構造的な暴力はよく分かったのだが、著者自身の当事者としての感情があちこちに顔を出し、せっかくの企画の良さを損なっている気がした。残念だ。