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商品説明
多元的なアイデンティティが絡み合う現代台湾が立ち現れる小説集。2は、台湾の新世代作家・邱常婷による怪奇的で幻想的な表題作をはじめ、王定国「戴美楽嬢の婚礼」など、中篇全3篇を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
原色の、台湾文学。
「ほんとうの悲劇にはいつも滑稽な要素があるのよね」
大学生の主人公は、乗っていた車に自分からぶつかり飛ばされた謎の少女・品琴に興味をひかれ、調べていくうちに、バナナ畑のなかで暮らす彼女の家族とある宗教団体の関係を突き止める……。新世代作家の期待の星による、家族の秘密をめぐる怪奇的で幻想的な表題作のほか、中篇全三篇を収録する小説集。【商品解説】
目次
- 邱常婷「バナナの木殺し」
- 王定国「戴美楽嬢の婚礼」
- 周芬伶「ろくでなしの駭雲」
収録作品一覧
バナナの木殺し | 邱常婷 著 | 1−65 |
---|---|---|
戴美楽嬢の婚礼 | 王定国 著 | 67−155 |
ろくでなしの駭雲 | 周芬伶 著 | 157−250 |
著者紹介
呉 佩珍
- 略歴
- 〈呉佩珍〉1967年生まれ。国立政治大学台湾文学研究所准教授。
〈白水紀子〉1953年福岡生まれ。横浜国立大学名誉教授。放送大学客員教授。
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書店員レビュー
自然と人間
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
中篇全三篇を収録する小説集です。表題作は、バナナ畑のなかで暮らす少女の家族とある宗教団体の関係について探っていく主人公の様子が描かれますが、主人公の車に突然ぶつかってきた少女が話す言葉はどれも寓話のよう。どの言葉も全てこの世のもののようではなく、また、彼女を取り巻く家族も、同じように感じます。
飛ぶ真似をする少女。幽霊になると言って出ていった祖母。懺悔の歌。
少女は、「倫理には差別意識が伴う」といった意味のことを主張します。それは、彼女が置かれた宗教団体が行ってきた仕打ちあってのものです。結果、なぜ、死ぬことを恐れるのかと問うまでになります。しかし、身近にいる人間がことごとく死んでいくことを経て、少女は「自然の中で、生を切り開く」ことを選択します。
太陽にさらされた暑さやアスファルトの匂い、バナナ畑に降る大雨。日本とは違う濃い自然の中で、少女の声は高らかに響き渡ります。彼女がもし日本に生まれていても、そうだったであろうか。人間だけでなく囲まれた自然にも、人を変える力があるように思うのです。
紙の本
中篇3作の選択が素敵
2023/02/02 10:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
台湾文学ブックカフェ全3巻のうちの2巻目、1巻目の女性作品集「蝶のしるし」は既読。今回の2巻目は中篇作品集、3作品が収められている、まず「バナナの木殺し」のチウ・チャンティンは訳者の池上氏の解説によると、1990年生まれで怪奇小説に力を入れている人だという、品琴という女性について、その得体の知れなさは底が深い、まさに怪奇。次はワン・ティンクオ氏の「載美楽嬢の婚礼」、この売春組織の主人公二人をどう応援しようかなと最初は戸惑ったのだが最後はすんなりと応援することができた、そして最後のチョウ・フェンリン氏の「ろくでなしのハイウン」、この作家の小説は「散文式小説」と呼ばれ、どこまでがエッセイでどこまでが小説か読者は戸惑うらいい、ジェンダーのことも本当のことも虚実のこともあるらしい、でも面白い作品だからどうだっていい
紙の本
南国の
2022/08/06 12:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
だれにでも、どこででも起こりうる不幸な出来事も、台湾の南国の日差しを思い浮かべた時、闇の濃さがより深くなるような気がします。