紙の本
気軽に読み進めています
2022/04/23 14:40
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投稿者:tkm - この投稿者のレビュー一覧を見る
高名な池谷先生が著者の一人として名を連ねていらっしゃいます。先生の研究分野が脳とAIの融合だそうですが、本書は専門知識が必要な内容ではなさそうで、気軽に読んでいます。
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脳と人工知能をつないだら人間の能力はどこまで拡張できるのか
著作者:紺野大地
発行者:講談社
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
脳AI融合の最前線
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「AI vs 教科書の読めない子どもたち」を読んでAI大したことないじゃーんと思ってたらそんなこともないっぽい。
特に面白かったのが、地磁気チップを埋め込んだネズミが迷路を解けるようになる話。脳の適応力の凄さよ。
あとイーロン・マスク、どんだけ手を拡げてんねん。
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高度に発達した科学は魔法と区別がつかないーー
この言葉が表すように、あまりにも未来すぎる話題は、何故そうなるのか理解ができない。科学技術そのものへの理解もそうだし、また、その技術が普及した社会も同様だ。
本書で言及されてる世界もまさにそうだ。
脳に直接チップをつないでコンピュータを制御するNeuralink、脳に情報を直接書き込むBMI、ノーベル賞を取るAIや、指示された通りのAIを自分でプログラム可能なAI等々。
本書中では「マトリックス」「攻殻機動隊」「ソードアートオンライン」など、現代人が馴染みやすいSF作品になぞらえていたけど、どこまで理解できただろうか。
凡人たる私たちには想像もつかない未来の話だけど、確実に言えるのは、AIやディープラーニングなどはすでに我々が関わりを持っているということだ。
我々が日常的に使い始めているSiriやAmazon AlexaはAIそのものだし、また、彼ら(彼女ら?)への問いかけや、Webサービスに入力している情報は、ことごとく彼ら彼女らへの知識として蓄えられている。要するに、私たちは日常的に未来のAIを育てているのだ。
本書に書かれた未来の世界が、未来であるうちに目を通しておいて間違いはない。
いまが旬の一冊でず。
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SFアニメなどで、視野の中にみているものの情報が直接表示されたりというようなアイデアがあったり、「ソードアートオンライン」に代表される脳に直接働きかけて疑似世界のなかに生きているようなゲームが描かれたりする。また「攻殻機動隊」ではネットワークの世界に意識をダイブさせたり、タチコマのように人工知能搭載した戦車が互いに通信して自分の得た情報を共有したり互いの情報をもとに議論する。挙げ句の果てはネットワークの中で生きる人格がでたりする。
本書では、そういった世界がサイエンスフィクションでなく、ノンフィクションになりつつある事が描かれている。先ずは脳とAI融合技術の過去・現在の事例が紹介され、そこから著者たちが取り組んでいる池谷脳AI融合プロジェクトの紹介を中心に「未来」がえがかれる。
〇脳情報の読み取りと情報の脳への直接的な書き込み
〇神経・精神疾患治療への応用
〇赤外線、紫外線、放射線、磁気などの画像情報による新しい知覚の獲得
さらに人工知能研究の進歩が描かれている。
ビックデータと人工知能を用いることで複雑な現象を直接モデル化することができる。しかしながらそこから導かれる知見の有効性は検証可能であるが、そこにいたるプロセスは人間には理解する事ができない可能性が高い。ディープラーニングによるブラックボックス問題といわれているものであろう。
本書で一番面白いと思ったテーマは、囲碁や将棋といったゲームで人工知能が人間を打ち負かす時代になってきているが、今話題の藤井聡太四冠が人工知能ソフトで自分の気づかなかった手や判断を示されることがあり、将棋の新しい可能性を拡げてくれるという主旨のことのいっている。人類と人工知能とが互いの強みを活かして、どちらか一方ではたどり着けないところまで行くことができる可能性があると言うこと。
『脳が人工知能とともに進化できれば、人間が持つ「脳の限界」自体がどんどんアップデートされていくかもしれません』単純に便利な人工知能をつくるのではなく、それによって自分たちの脳も限界をどんどん拡張させていく。脳科学恐るべしである。
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<目次>
はじめに イントロダクション~2XXX年の未来予測
第1章 脳とAI融合の「過去」
第2章 脳とAI融合の「現在」
第3章 脳とAI融合の「未来」
<内容>
池谷裕二の名はあるが、書いているのは紺野大地。池谷教授のプロジェクトのメンバーは、脳と老化、それにAIを組み合わせた研究をしているが、その一環として、世界の脳AI融合研究を紹介している(ブログやメルマガなど)。紺野は自分のライフワークとして、それを挙げており、この本もその流れで書かれたようだ。
大変読みやすい文章で、脳研究やAI(人工知能)研究を教えてくれる。通して読んでいると、21世紀、特に2010年代後半から急速に進化しているように思える。近い将来に、AIが意思を持ったりする可能性も見える。一方で、医療現場でのAI活用も真実味を増している。以前読んだ『NEO HUMAN』が、その時は小説のように思えたのだが、真実になのだと実感できるようだもあった。
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人工知能や脳科学、そして、脳と人工知能融合の現状をおさらいした上で、著者の脳と人工知能融合研究プロジェクトを解説し、更には脳とと人工知能融合の今後についてもその展望を描きます。
著者の研究は、脳に新しい情報を与える脳チップ移植、脳ができないことをサポートする脳AI融合、脳と環境をシームレスに繋ぐインターネット脳、個体間の情報共有を目指す脳脳融合の四つでありAIと表記されていなくてもAIがそこでの重要な役割を担ってます。
また、脳研究における次世代の三つの目標としては、高い精度で「脳情報の読み取り」と「脳への情報の書き込み」を行う技術の開発、ブレインマシンインターフェースを用いた神経・精神疾患の治療、そして赤外線、紫外線、放射線、磁気などの新たなモダリティ(感覚)の近く獲得の三つを挙げてます。
冒頭の2XXX年の未来予測でも描かれているように、人間は最終的に脳の情報が全てなので、そこに直接アクセス可能になると現状のメタバースはもはや子供だましで、栄養のバランスがとれた錠剤を飲んで、脳には美味しいステーキを食べた情報が与えられる世界ってもはや仮想世界マトリックスと同じではないのかな。科学者の先生がSFと同じことを語るとは凄い時代になったものです。
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新しい情報が盛りだくさん。
倫理的な警鐘は忘れていないものの、技術至上主義的で、新たな気付きは無い。
「脳が感じる=脳に電気刺激を与える」と随所にあるが、今後の人工知能のブレークスルーは、本文に言及されているとおり、「身体性」が肝だろう。
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多くの著作をお持ちの池谷裕二氏の監修の元、プロジェクトメンバーの紺野大地さんが丁寧な筆運びで最新の脳科学-人工知能の研究論文を短い単元で紹介してくれています。紺野さんが年下というのが少し衝撃を受けたのはともかく、昨今トレンドの渦中に渦巻いているテーマに関して大局的に学ぶことができましたね。
MBIのテーマではかのイーロンマスクが新会社を設立してこの分野で多大なリソースを投資して技術発展に寄与しているなんて、まったく知らなくて驚き。サイファイでしか疑似体験できなかった世界が、現実に迫っているのをひしひしと感じました。特に四肢麻痺や精神・神経疾患の患者をサポートする技術応用は、明確な社会的意義を見出せているし、何となく夢物語とロマンの狭間でむんむんする科学者たちを想像してたけど、現実利益とマッチングも存分に可能性あるんだなーと。
最終章のオッカムのカミソリと人工知能によるダイレクト・フィットのジレンマ。人間の能力を凌駕する心理に対して、人間は理解できずに受け入れることはできるのか、壮大な論点です。紺野さんは今までも脳がアップデートされてきている実例を頼りに、明るい未来を提示してくれていて、2050年ごろには(まだ生きてると信じたい)今と全く違った世界が広がっているのかなーと夢想に耽るのも悪くない。ディストピアだけは勘弁と思う気持ちもありますが、人間の好奇心・探究心はノンストップなのさ、ふふん。
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“もしこの先、人工知能がさらに進歩して「感情や優しさ」をも身につけるようになったとしたら、次は「人間が人間たる理由」はどこに求められるようになるのでしょうか?”
“「人工知能が君主へと変わる”
“このような未来を恐ろしく思う一方で、「自分よりも自分のことを深く知る人工知能」に救われる人も数多く現れることは間違いありません”
私が思うのは、単純に人工知能は良い面もあるだろうけど、発展させすぎたりすると、人間は自分でやることがなくなり、怠け者になり、人工知能任せになり、破滅していくのではないかと思う。
また、人工知能は悪用もされ、全人類に都合の良い人工知能だけではなくなる。すでに戦争でも使われている。
人工知能が支配して人間が滅亡するのが早いか、
人間が肉体なしに意識のみで宇宙を自由に移動して生きられる者になる方が早いのか(2001年宇宙の旅みたいな)
そういうところに行き着くと思ってしまう。
発明というのはやりすぎてしまうと、悪用できるものや破滅させるものにも変身できる。
脳を刺激してうつ病が治る、認知症が治る。副作用がなければ、そういうのは良いかもしれないなぁとは思う。
バーチャルでできるものの発展も、例えば寝たきりで動けない人が、旅行に行きたいというのを仮想空間で体験させたいというのならわからなくもないけど、発展しすぎたら微妙。バーチャル空間で買い物して着飾って仕事して?
とりあえず、どんな発展の仕方をするのかわからないけど、子供の将来の世界が人間として生きる意味がなくなるような世界、やりたいことや人としてやるべきことが奪われるような世界にはならないでほしいなぁと思う。
そんな世界の前に先に核戦争で…って可能性もある時代だから、先にそっち心配しないといけないだろうけど。
人工知能の良い面(悪魔の囁きを含む)ばかり見ていたら、危険だと思うけどねぇ。
英語。なんだか、日本は英語話せるように!みたいに躍起になってきたけど、いろいろ今更感。
そのうち、英語の授業があったことすら、古い話で無駄な授業してたんだなぁって時代がくると思う。
どんな国の言葉でも同時通訳で聞こえる時代がくるでしょうに。そうなれば、世界共通語、英語至上主義なんていう認識はなくなるだろうに。
いや、もっと人が発展して意識だけで動くようになれば、言語もいらんかもしれない。(しつこいけど、2001年宇宙の旅みたいに)
そんなふうに思う。
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脳科学の最近の研究テーマや成果・技術がザクッと紹介されている。難病で体が動かせなくなった人の治療に使えることはあるかもしれないが、健常者が脳に電極を埋め込んで気分を良くするとか何かするというのは非現実的な妄想。
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脳の可能性の限界を,人工知能を用いて探る研究が平易に紹介される.延命のための医療進歩と一線を画し,生命の持つ知的能力の限界を探る点は極めて興味深いが,一方で,将来得られる知見が道具化すると,道具なしの状態で知的活動を行わない(行えない)ヒトが益々大勢を占めそうで恐ろしい.
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久しぶりに小説以外の本。
脳とはまだまだ解明されていない分野だとは知っていたけど、それをAIとつないだらどうなるか、という側面で描かれた本。
こんな研究が進んでいるのかとか、
AIがここまでできるようになってるのかとか、
知らないことがいっぱいあった。
その中で、人間らしいとは、AIには出来ないことはなんだ?とか考えてたけど、AIも人間しかできないと言われている領域に踏み込んできていることが描かれていて、驚いた。
人間しかできないこと、というよりは、いい所をもらって、刺激してもらって、より良くなっていくという未来の話は、映画のようだと思った。
この本で書かれている内容が50〜100年後には実現してるかと思うと、科学ってすごいと思った。
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抜群に読みやすく、この分野を知らない人にとってこれ以上にない心オドル本である。
ただし、人工知能や脳に常日頃関心がある人にとっては少々常識的な有名な話が多い印象。
著者独自の研究成果や思想がもっと書いてあるとオリジナリティのある内容になると思う。
ノーベルチューリングチャレンジで最初にAIが取る賞のジャンルは文学賞だろうという読みは鋭いし、同感である。
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脳科学と人工知能の最新の研究動向、この2つの分野の融合研究に関して、有名なトピックを数多く含む幅広い分野について分かりやすく解説がされており、現在の研究の全体状況を概観できる内容となっている。
全体として素晴らしい内容であったが、一つ疑問に思ったのは、作者が「ここまでの話を聞いて、みなさん自身はNeuralinkの電極を脳に埋め込みたいと思うでしょうか?」と、リスクを負って電極を脳に埋め込むことを多くの人が拒否するだろうと考えている点である。
私自身は、多少のリスクがあっても、若い頃の記憶力や頭の回転を取り戻せるのならトライしてみたいし、手術をすれば、誰でも簡単に東大に入れる頭脳が手に入るとなれば、多少の危険はあっても希望する人は多いのではないだろうか。
美容整形のように、誰でも簡単に優れた頭脳を手に入れられるのであれば、むしろ手術をしない方が不利という状況も出てくるのではないか。
スポーツにおけるドーピングや肉体改造のように、技術的には可能でも、手術を実施するのは規制しないといけない場合もあるだろうし、「果たして、そのような技術(頭をよくする技術)を開発すること自体許されるのか」という倫理的な問題さえ呼び起こす恐れがあると危惧される。