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非常に共感することが多かった。何より、一つの答えを示す、ではなく、様々な視点を提供している、読書や知性に対する謙虚さ、がそうありたいと思わせる。自分で考え、蓄積し、自分自身を作っていく、その楽しさを改めて感じた
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全体像を示さない、余白の中で何を見つけるか。
既知の問いの答えとして。
・具体から抽象を得て終わることが多い。さらに自らに引き寄せた具体化を意識する。
・「共有図書館」の位置付けという発想。この問いと答えはどこに位置付けられるものか。繋がり拡がる読書の期待。
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<目次>
序章 変化の時代、「終身エンタメチャンレジ」の扉を開けよう
第1章 なぜ今、本なのか?
第2章 どんな本を選ぶのか?
第3章 本を通して「問い」を育てる
第4章 「読書の病」を治療しよう
第5章 「読書が役に立つ」とは、どういうことか?
第6章 「本を読む」とは、自らを生きるということ
おわりに 「道を拓く読書」の本質
(付録)自分を作る読書
<内容>
Voicyで本の紹介をしている企業コンサルタントの本。かわいい挿絵も自ら描いている。哲学書や古典が次々と出てくるあたりが、並大抵のビジネス読書本を違うところ。このへんを読み込んでいたら、真の「本読み」と言っていいだろう(自分は読めないのでダメ)。第5,6章あたりの読み方紹介は役立ちそう。「スノードーム理論」のような感覚。「役立てよう」と読んでもそんなには見につかない。でも「懐疑」や「共感」を意識しながら読んでいくと、ある時フッと、沈殿していた知識が浮かび上がり、その場の話題や状況に「つながっていく」。納得のできる説明だった。哲学書の詠まないとだめだな、と感じさせた本。
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最近読書法の本が多く出されているが、それらの本とは一線を画す読書本
逆説の読書方というべき本
今出されている読書法の本はいかに本を解釈しアウトプットするかという
点に重点が置かれているいわば、ビジネス書的なアプローチをとっている。
それに対して本著書は、あえて遠回りな読み方を推奨している。
本の魅力とは「抽象的で魅力的ではなく余白を残している」点であると。
その点でもビジネス書のような即効性をもとめるのではなく、教養書的な長期的
な効用を求めているところに特徴がある。
一見抽象的な本は即効性がなく、ビジネス書のように具体性がないようにみえるがそれは否という。
そのポイントは以下の2点と思われる
・具体と抽象の往復を行う
・知の沈殿を行う
物事の抽象化を通して一見関係ない物事の共通項を探していく。
また、もやもやした言葉で解決できない言葉があってもあえてその場で解決せず
アウトプットして、何かのきっかけで解凍を待つという態度である。
このアナロジーで思い出したのは「アイデアの方法」である。
なにか分からないモヤモヤしたしたものをそのまま放り込んで、あるきっかけで
アイデアのスパークを待つ。
その意味でも読書の活かし方もアイデアの発露も本質的には同じなのかもしれない。
Voicyのどこかでビジネス書はカロリーメイトのようにすぐに栄養がつけられるが長期的な効用は少ない。一方人文書・教養書は噛み応えがあり、すぐに栄養がつかず、
即効性はないが、長期的な滋養となるものであるともいっていた。
抽象レイヤーでは読書も同様のことがいえる。
即効性のあるものはすぐに役に立たなくなる。即効性のないものは役に立たないというわけでない。むしろ自身の血となり肉となる。
まさに逆説の読書本といっても差し支えないのではなかろうか。
逆説には本質が含まれている。
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荒木先生による読書の本。多くの本を読んでいるので、より活用を深めるために読書。
メモ
・手段の引力。抽象化し本質を捉える力
・今を生きる私たちは自分の経験を踏まえつつ、本を通じて過去の先人たちの経験も借りることが自由にできる。
・本は非効率な媒体であるために、考える余白があるところが一つの価値
・本に向かう前にはまず過去を忘れて没入から入る。その次に自分の経験を使い解釈していく
・読書は余白があるからこそ読み手によって独自の作品に昇華していくもの。
・本選びの一つの観点。本が提示する問いが自分にとって新たなものか。回答が新たなものか
・問いも答えも既知領域の本は、できていないことをリマインドするためによむ
・抽象偏重タイプが行うこと。この概念は自分の身の回りで言えば、たとえばどういうことなのだろうか。たとえばを自分に向けて具体的に考える。
・完読する必要は必ずしもないが、その本の問いと答えの位置づけを理解し、頭の片隅にいれてこくことが大事。
・本のリバースエンジニアリングをしてみる。著者と同じテーマで自分ならどんな構成、どんなワーディングで話を進めるか考えてみる。問いを立ててみる。
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教育のパラドックス→わかりやすく、教えれば教えるほど、受け手は考えなくなる。
コンポーネント(部品)をランダムに見せて、全体像を見せない
ジョージ・ソロス グローバリゼーションと自由化 障壁のない巨大タンカー→船内の石油が転覆する恐れあり
ホチキス担当者の悲劇→この仕事は何を実現するための手段なのか?と問うのをやめてしまった。
抽象化する力はAIに真似できない。
組織を殺す怠惰な抽象化(俺の経験では…、バブル時代は…)
終身エンタメチャレンジの道を選ぼう!
どんな本を選ぶか?→問いの発見、答えの発見、既知のリマインド
問いの発見の本はそれなりに負荷がかかる。
読んだ冊数を意識しないこと→効率的に使いたいと言う気持ちは弊害が多くなる。あなたの答えを避けるようになる。冊数を気にするのは良くない。
質問者が置かれたシチュレーションと本のメッセージの本質的な共通点を見つける
アパレルと半導体のビジネス→タイミングこそが重要
共通項を探しゲーム→自分の問いの抽象度を高めることで、過去の叡智との航路を作れ P123
本を読む前に自分の問いの抽象度を高めておく(上司に報告しても否定される→本屋で×「話し方・コミュニケーション」系の本→他者との理解は?そもそも理解とは? 波多野一郎「イカの哲学」)
問いの抽象度→具体化→抽象度 細谷功
完読の病→本には相性がある・タイミング・自分にとって旬ではないと思ったら静かに本を閉じて、またいつか開く日を待てばよい。
共有図書館を構築する→もし世の中のすべての本を網羅した図書館があるとしたら、今読もうとしている本はその図書館のどの辺に位置づけられるかを知っていることが重要。実際にその本の細部を知っているかどうかは重要ではない。
その本の問いと答えの位置付けを理解して、図書館のしかるべき場所に置いておく。
コミットメントの病(1冊の本に没頭しなくても良い) 積ん読の病→ビオトープ(小さな生態系)積ん読を悪いことだと思い込んでしまうことが、病の正体・積ん読は、囲まれた人に力を与えてくれる存在
実践の病(ダンテ神曲、カラマーゾフの兄弟→読んでもすぐに実践できない)
×読んだら即実践→短絡的な読書サイクルから逃れる意識
読書時間不足の病
読書は役に立つか?という問いに意味はない
スノードーム理論(沈殿しているものが浮かび上がる) アイディアの回路を形成
懐疑を忘れた陳腐な悪の恐ろしさ 他人の頭で考える読書になってはいけない
アイヒマン 政治においては服従と支持は同じものなのだ。これが君が絞首されねばならぬ理由、しかもその唯一の理由である。
ダンテ神曲・完全版 河出書房新書・平川祐弘
カラマーゾフの兄弟 光文社古典新訳文庫・亀山郁夫
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「本を読む」「自分の頭で考える」という2つのキーワードに惹かれ、店頭で見かけて即買いしてしまいました。結論としては、購入して良かったと思っています。
この本に書かれている「読書とは著者との対話である」このことは出口治明さんの本をはじめ、読書論を紐解く本では必ずと言ってよいほど述べられている言葉です。自分も本を読むときは、著者に賛成・反対しつつ、自分の意見を持ち思考しながら読み進めることを意識しており、それが読書の楽しみでもあります。このことについて明確に意識できるようになったのはこの本の効能かと思います。
また、それ以外にも自分にとってこの本の大きな価値は二つあると思っています。
価値の1つは、アプローチを「問いの発見」「答えの発見」「既知のリマインド」という3つのラベリングで説明しているところにあります。
今の自分自身の読み方は「答えの発見」「既知のリマインド」が中心になってしまっていることに気づきました。すなわち、すでに自分の中に持っていた答えを確認し、安心感を得るための読み方が中心になってしまっていた、ということです。
今までのアプローチの仕方に満足し「問いの発見」への姿勢が足りていなかったのではないか…? 今後の伸びしろを増やすためには、問いの発見を得るために、興味の幅を広げてみる方が良いのでは? このことに気づかされた点だけでも、本書を読んだ価値があったというものです。
加えて、もう一つの価値として、(今まではあまり意識はしてこなかったが)「複数の要素の共通項を抽出して抽象化してとらえ、そこから得たものを自分の手元の具体論に落とし込んで理解する」という点が言語化されて説明されている、というものでした。
今までの私のアプローチは知識をそのまま本から字面を受け取り当てはめていくのみで、抽象化まで意識はできていなかったように思います。抽象化といっても難しいものではなく、本書では「他に応用するためにその本質を見出し、未知の世界に生かすこと」と説明されていますが、要は気づきと学びを得て他にも生かすことですし、本書を読むことで改めてきちんと意識できるようになったのではないかと思います。
もしかしたら、今後の読書ライフの転換点になるかもしれない。そんなことを思いながら読み終えた一冊でした。
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超相対性理論、book cafeの荒木さん著の読書本。
この本は、「前のめりに本に向かい合うことによって得られる読書の楽しさ」について書かれた本だと自分なりに解釈。
具体的には、
・一人称視点で本に向かい合うことで得られるものがある(これは仕事も人生も一緒)
・読書は他者の知見や経験を借りることができる、さらに抽象化することで自分のものにできる
・荒木さん自身を助けたアムロ読書法(アウトプットファースト読書法)
・熱狂と懐疑を整理する読書後のルーティン(私は①とりあえず要素を書き出す、②抽象/つまり?、具体/例えば?を整理する、③どこに納得し、どこに問いを持つかを振り返る)
読書の大切さ、面白さをリマインドさせてくれる1冊。
超相対性理論の渡邉康太郎さん、深井龍之介さんの話も出てきたことにもほっこりした。
渡邉さん→本を「演奏を待つ楽譜」
深井さん→メタ認知のポイントは常に「ここではないどこかの世界」との比較の参照点を持っていること
めちゃくちゃ面白い1冊でした。
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いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。
最近は “読書法”“読書論”といった類の本は読まないようにしているのですが、この本はちょっと切り口が違いそうだと期待して手に取りました。
著者の荒木博行さんが説く「本との付き合い方」や “「懐疑」を持ち「問い」を抱き続けよ” というアドバイスは、ネット社会での営みのウェイトが増加し、「同調圧力」とか「正常性バイアス」とかの発露が以前に増して顕在化してきた今日、とても大切な示唆だと思います。
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Voicyのbook café でも語られていることも多かったが、再確認の意味も含めて面白かった。
問いと答え、具体と抽象、熱狂と懐疑など、二項対立の行ったり来たりが読書なのかなと思ったが、要は、自分で考えながら読みたいように読むのが読書なんだ。正解はない。
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2023年一発目の読書は、コテンラジオから超相対性理論経由でファンになった荒木博行さんのこちら。
ファンになっていなくても、このタイトルを認知したならいずれ読んだだろうなぁ。
本の読み方は人それぞれ。
わたしはどちらかと言えば単に活字を読むのが好きなのと、知らないことを知るのが楽しいから本を読んでいる。
仕事に役立てよう!とか、
自分を変えたい!とか、あまりそういうモチベーションで本を読んでいない。
だから自己啓発本とかあまり読んでこなかった気がする。
この本で書かれている、
「問い」と「答え」については全然意識していなかったけど、
新たな「問い」の発見、既知の問いに対する新たな「答え」の発見、「既知のリマインド」という本の分類の仕方は、それこそわたしなりの新たな問いの発見に繋がってめちゃくちゃ興味深かった。
あの本とあの本とあの本はわたしにとっては問いの発見だったな、アレとあれとあのへんの本は答えの発見で、全編肯首しまくったのはあのあたりの本だ!
とか、自分の読んできた本を思い出しながら、時にはアレはどこに当てはまるかな?とか考えながら読んだ。
そして読みながら、多分わたしは問いを見つけるのが下手くそだし、抽象化することはできてもそこから具体に戻るのが
苦手なんだなぁということにも気づけた。
全編なんともゆるくかわいいイラストが掲載されていて、ほっこりする。
読みやすい文章、かわいいイラストからも荒木さんの人柄が滲み出ていて、ますますファンになった。
そんで嬉しいのが、この本にたくさん出てきた64冊もの著者の蔵書リスト。
読んでみたかった本もたくさん載っていて、今年一年は読む本探しに苦労しなさそう。
幸先の良い2023年の読書スタートが切れました。満足!
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教育のパラドクスとは、教える側がわかりやすく教えれば教えるほど、受けては考えなくなる、と言う矛盾。
どれだけ変化があろうとも、抽象度を高く意味づけることができれば、過去は連続的に捉えることができる。
ダイバーシティが強く叫ばれる時代において、性別や年齢、言葉や肌の色など「違い」ばかりが目に入るが、具体レイヤーの違いは、排除の思考が働く。そのため、共通項探しゲームで抽象化スキルを鍛える。
読書は頭の中の沈澱となって、何かの刺激的浮かび上がる。浮かび上がるように頭にストックするには、アウトプットして整理しておくとよいということで、私のブクログも未来の自分に役立っているといいなと思った。
さまざまな本の紹介の中で気になったのは、『ネガティブ・ケイパビリティ』。答えが出ないことを楽しむ生き方をしつつ、ただ読書を楽しめたらいいと思った。
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自分のこれまでの読書遍歴を思い返しながら読んだ。バカの坂を登る度にまた読もう。わかった気になったらおしまいだから。
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読書についてあれこれ
多読は、抽象化につながり共通項、普遍的内容をつかみ取れる VUCA時代には役立つ。
読書方法の一つは、読みながら抽象化、具体化を自分なりに行ったり来たりさせる 問いと答えを発見する 知識をリマインドする。
読書長所は、余白が持てる=考える余地が持てるのがいいところ。情報収集に終始することも多いネット、映像とは違う。
自分なりの必要性に応じて自由に読むのが一番。
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本の読み方の本だけど、ハウトゥーが書いてあるというより、本に対するスタンスが書かれている本です。随所随所で、著者の人柄が垣間見える表現があってそこも読んでいて面白かったです。本を読むことに迷走してるなと感じた時にまた読みたいです。
以下は、自分的に刺さったポイントと、感想など。
・本を読むにあたっては、その本の問いと答えを意識する。
・どの本も、読む人にとって、「問いの発見」をするものか、「答えの発見」するものか、「既知のリマインド」するものかに分類される。この3つをバランスよく本のポートフォリオを描くとよい。
(今まで読んできた本は、「答えの発見」や「既知のリマインド」に該当するものが多かったように思えたので、「問いの発見」になる本も読んでいこうと思った。)
・自分のペースで自由に読め、べき論に囚われるな。
・読んだ本を生きた沈殿にするには、刻み込む、冷凍保存する、つなげるをしたらよい。
∟刻み込む→自分なりにまとめてアウトプットする
∟冷凍保存する→意味はわからないけど重要そうな匂いがするものをそのままキープしておく
・自分の中に図書館を作って、今まで読んだ本にアクセスできるようにするとよい。