紙の本
オールドレンズの神のもとで (文春文庫)
著者 堀江 敏幸 (著)
色のない世界から色のある世界へ−。色と記憶をめぐる「オールドレンズの神のもとで」など、記憶や風景に抱かれたシーンを繊細に描き出した、彩り豊かな18篇を収録する。【「TRC...
オールドレンズの神のもとで (文春文庫)
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商品説明
色のない世界から色のある世界へ−。色と記憶をめぐる「オールドレンズの神のもとで」など、記憶や風景に抱かれたシーンを繊細に描き出した、彩り豊かな18篇を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
堀江敏幸さん『オールドレンズの神のもとで』が文庫になりました。
物語が生まれる瞬間の光を閉じ込めたような、色鮮やかな作品集。
文庫化にあたって、18の作品がどんな依頼の元に書かれたかを解説する、文庫版あとがきが書き下ろしです。
↓【立ち読みできる短篇「窓」についての文庫版あとがきを特別に抜粋!】
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冒頭の「窓」は、「読売新聞」大阪版(2007年9月11日付)に掲載された。400字詰め原稿用紙10枚の短篇を発表後、書き手自身がそれについて語る「よみうり読書 芦屋サロン」という企画の一環だった。通常はひとりのところ、その回は特別にふたりの書き手の作品を同時に掲載し、たがいにそれを読んでどう感じたかを読者の前で語り合うことになっていた。相手は小川洋子さん。小川さんとの共著『あとは切手を、一枚貼るだけ』(中央公論新社、2019年)の企画は、このときのやりとりに端を発している。
(「記憶が薄れる前に――あとがきにかえて」より)
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【商品解説】
日常を一時停止させる小さな事件たち、しずかに痛む記憶、いつの間にか開く別世界の扉。短篇小説の名手がおくる18の至高のピース。【本の内容】
収録作品一覧
窓 | 10−17 | |
---|---|---|
樫の木の向こう側 | 18−25 | |
杏村から | 26−27 |
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書店員レビュー
いままで見えなかったやわらかな日常がみえる
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
読み終えた後もふとした瞬間に脳裏に色彩豊かな情景と登場人物たちの言葉がよみがえる18篇の作品集。
表題作「オールドレンズの神のもとで」には男たちの頭部に代々孔があいているという一族が登場する。モノクロの世界に生きる彼らは一生に一度鮮烈な色を体験する。ある写真集に着想を得たという本作、モノクロの世界で人々を魅了し続けるその写真家の作品を知らずとも作中の情景の数々に引き込まれずにはいられないだろう。写真家の作品を知る人は不思議な既視感を味わえる。写真家が気になる方はぜひ巻末で確認を。
「杏村から」はわずか2頁ながら語り手の「わたし」への伯母の愛情と想いがこもった言葉が心に残る一篇。
「果樹園」ではひょんなことから犬の散歩係になった主人公をとりまくやさしい交流が描かれている。よりそう二頭の犬のオクラとレタス、飼い主夫妻との出会い、散歩係になった主人公、つながる縁と身近な存在への思いやりにやわらかな気持ちになれる作品。
日常のささやかな出来事のきらめきの描写がこんなにも優しい気持ちにさせてくれるのかと驚きの連続の一冊。