- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/02/14
- 出版社: 書肆侃侃房
- サイズ:19cm/141p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86385-507-6
読割 50
紙の本
イマジナシオン (新鋭短歌)
著者 toron* (著)
猫よけのペットボトルを胸のなか仕舞い込むから光ってしまう 枇杷をもぐように外した電球のそこから部屋に夜がひろがる 2018年頃から2021年半ばまでの作品を収めた歌集。【...
イマジナシオン (新鋭短歌)
イマジナシオン
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商品説明
猫よけのペットボトルを胸のなか仕舞い込むから光ってしまう 枇杷をもぐように外した電球のそこから部屋に夜がひろがる 2018年頃から2021年半ばまでの作品を収めた歌集。【「TRC MARC」の商品解説】
言葉で世界が変形する。
不思議な日常なのか、リアルな非日常なのか、
穏やかな刺激がどこまでも続いてゆく。
短歌が魔法だったことを思い出してしまう。
(山田航)
【5首】
いずれ夜に還る予約のようである生まれついての痣すみれ色
花びらがひとつ車内に落ちていて誰を乗せたの始発のメトロ
手のひらの川をなぞれば思い出すきみと溺れたのはこのあたり
おふたり様ですかとピースで告げられてピースで返す、世界が好きだ
海の日の一万年後は海の日と未来を信じ続けるiPhone【商品解説】
著者紹介
toron*
- 略歴
- 〈toron*〉大阪府出身。Twitterで短歌に出会い、ウェブサイト『うたの日』に投稿をはじめる。新聞歌壇、雑誌などへの投稿をしつつ、塔短歌会、短歌ユニットたんたん拍子、Orion所属。
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紙の本
喩と異化効果。
2022/03/05 19:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻末で、山田航氏が「直喩が多い」と述べているが、むしろ、隠喩や換喩が多いのではないか。むしろ、詩的な異化効果の方が目立っている様に感じられた。一冊を通底している主張は強く感じられない。むしろ、美的感覚、詩的感覚が強く感じられた。主張の強い短歌は、広い短歌の裾野のほんの一端にすぎない。この歌集は、性別さえ隠蔽している作者の、美的・詩的な感覚を最優先して編まれたものだ。一貫した詩的感覚とは、そんなに長続きするものではない。その意味で、この歌集を編んだことが、作者の力を高めるのに役立っているのではないか。年齢を考えれば、作者はまだまだ伸び盛りだ。一貫性の強い短歌に挑戦することは充分に考えられるし、是非実行してほしいと感じた。
短歌はここに記さない。一度手に取って御自身で確かめられることを望む。