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「論文の書き方だけ」でない
2023/09/13 23:32
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投稿者:りん - この投稿者のレビュー一覧を見る
卒業論文執筆のために、数冊同様のHow To本を購入したが、この本が格段にわかりやすかった。
筆者がはじめに説明するように、本書は社会学や歴史学などの特定の分野においてどのように論文を書くのかということを説明する本ではない。
それ以前のこと、そもそも分野の違いとは何なのか、論文を書くとは何を意味するのかを、問答形式で噛み砕いて説明しており、腑に落ちる部分が多々あった。
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「型にはめて書く」論文の入門。Q&A形式も織り込み、分かりやすく解説しています。
「人間は不完全だから進歩する」
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「論文とは何か」から解き起こし、どの学問分野にも汎用性がある「論文の書き方」の基礎を解説。
450頁を超える大部だが、受講生との対話形式も交えた明快な内容で、すいすいと読み進めることができた。
学生時分などに既に触れたことのあるような情報も少なくなかったが、学問、研究とはどういうものかという根本的なことも含め、論文の書き方、いわゆるアカデミック・ライティングについて、自分の中で知識を整理することができた。
本書を読んで、やっぱり研究っていいなと感じ、また何か論文を書いてみたくなった。
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文系理系という違いだけではなく、文系でも経済学と法学、歴史学など、それぞれの分野の論文の違いが俯瞰できる貴重な1冊。理系でも、物理学と医学の違いなどにも触れている。
学術論文に少しでも触れている人におすすめ。こういった本は意外となかった。
本書を読んだあとに、最終頁の講談社現代新書の言葉を読むと感慨深い。
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これは凄い本でした。論文にご興味あれば、必読です。慶応の学生さんが羨ましい。学生で、これだけ論文の書き方を習えば、十分です。
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単なるマニュアル本ではなく、論文とはそもそもどのようなものか、さらには科学的思考法まで学ぶことができる。
文系・理系を問わず、すべての大学生にとって必読の本だと思う。
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アイザック・ニュートンの名言として「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。」というものがあります。どんなに偉大な発見も先人の思考の受け継ぐことによって生まれるって意味だと理解しています。学問というのは必然的に継続性の中で進んでいくものなのでしょう。一方、望月新一朗のABC予想の証明が論文掲載後も未だに議論されているという話題が、最近の数学ブーム(?)の中で取り上げられています。学問は開かれた場で徹底的に検証されるもの、ということの事例なのでしょう。学問というものが必要とされる歴史への接続性と誰も拒否しない公開性を成り立たせるツールが、本書が取り上げる「論文」という手段なのだと思いました。その「論文」作成の完全マニュアルがこの新書です。この春、仕事をリタイアした友人が大学院に入り直しているのですがなかなか研究というもののお作法に四苦八苦している、という愚痴を聞きました。なるほど、徹底的に科学的であろう、とすると守らなくてはならないルールがあるのだと推測します。しかし、その面倒くさいスタイル(本書では規律discipline」)が、スピードとか思い付きとか好き嫌いとかで、どんどんフェイク化した情報が溢れている社会の中で、ますます価値を持っているのだとも思います。なので、この本、学生のための実用書だけではなく、このフィルターバブル化していく社会で「対話」というものを成立させる必読書にも感じました。それにしても人文系科学の理系に対するコンプレックスは深いものがあるとも感じました。著者いうところの「科学ごっこ」…しかし、少子化による学生減に悩む大学は理系、文系という枠を超えた学部を新設が目立ちます。またデジタルの進捗によりデータの取り扱いが全領域に拡がっていることもきっと人文科学系の論文の書き方に大きな影響を与えていくのではないか?と思っています。この「論文の書き方」もアップデートされていくのでしょうか?
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いままでの論文の書き方として475ページもある最も厚い本である。対話形式でも説明している。厚い本を読んだことがない学生にとってはきついかもしれない。しかし全く論文の書き方を知らない学生にとっては自習書として役立つであろう。ただ、ゼミの先輩がいたりした場合には、この本を読むよりも先輩の卒論を読んだ方が早いかもしれない。この本はゼミの先輩もおらず、指導教員とも疎遠で、ひとり卒論に取り組もうとする学生にとってはいい本であろう。
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テクニック的なものかと思って、軽く手にしてみたが、良い意味で裏切られた。帯にも記載されているとおり、学問それも特定の領域や分野に偏らない本当の意味で普遍的な学問の型、それへの取り組み方を明確に示してくれている。長く今の仕事をやっているうちに我流の方法が身についてしまって、それでもどうにかやれてきているが、考えを改めさせられた。今から全面的に方法転換するのは難しいが、まだしばらくこういったことには取り組ませてもらえるだろうから、少しでも変えていきたい。これからも動的に変化はしていくと思うが、現時点に限定すると「研究の入門書」としてはベストな一冊であると言えるのではないだろうか。もっと早く出会ったいれば、私のキャリアも今とは違っていたかも知れない、ちょっと大袈裟だが。
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論文技法ジャンルの新定番になりうる。これまで同分野の書籍と比較して、論理明快、非常に具体的で役に立つ上に、とてもリーダビリティだった。読むだけで頭が良くなる本で大学生から社会人まで幅広くおすすめしたい。
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【星:♾】
いやー、読み応えがあった。論文の書き方の決定版と言ってもいいんじゃないでしょうか?
ここまで分かりやすく、基礎的なことを網羅しつつも奥深く論文の書き方を書いてくれる本はもうでないんじゃないだろうか?
論文の書き方は当然として、そもそも学問をするとはどういうことか、科学とはなんなのかということまで優しく語りかけてくれる。
さらにビジネスにも十分役立つ内容である。
本当に素晴らしい!!
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読みやすい。大学に入る前にこの本を読んでいれば……と悔やまれる。
そもそも学問における「論文」とはなんなのかを述べた上で、どんな文章で組み立てるか、を書いている。
確かに学生時代、「論文の書き方」みたいなプチ講座を受けたけど、大体、注釈の書き方とか参考文献の書き方、とかそんなことしか印象に残ってなかったので、なぜそれが必要なのか、が全く分かっていないままだった。
つまるところ、論文は「科学的思考」に基づいて書く必要がある。(お互いが共有する公理を前提にし、その上に根拠と論理を積み上げて論証し、追検証する。そして進歩していく。)主題がなんなのかをを明確にした上で、先行研究を探し、対象を絞り込み、根拠と論理を積み上げて、論証し、追検証出来るようにし、方法論を組み立て、必要な調査方法を使用する。そして、そのためにパラグラフライティングなどの技術を使用する。
随所で、理科の実験の例えや、料理の例えが出てくる事で、イメージしやすい。
あと、本書で筆者は大量の参考文献をあげているので、次に読みたい本がどんどん溜まっていく。筆者は、学問においての「プライマリ」「かかりつけ医」としての役割を学校で果たしているようだが、大学をすでに卒業した自分からしても、こんなに大量の参考文献をあげてもらえると、次にとっつくべき本がどんどん広がっていくので、まさに「プライマリ」の役割を果たしていただいた。
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2022年講談社現代新書。
理系の農学部出身から社会学に転じた学者が、そもそも論文とは何なのかというところから検討して課題の設定から参考文献の記し方まで、それこそ註を大量に記して丁寧に説く。良書だ。
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学生時代に読みたかった。今思えば何気なく書いた卒論も本書に記載されている構成で成り立っていると気付かされた。批判や追検証を通じてさらに論文を飛躍させることができたかもしれない。論文だけでなく、プレゼンなどでも応用可能な一冊。
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学問とは、論文とは、が何となくわかった。
学問は共通の前提や公理を元にして論理的に積み上げたもの。現代では現実をより説明できる学問が重要視される。論文は人を説得するもの。説得力を増すために今の書き方に落ち着いている。再実験や反証は大歓迎。
自然科学と比べて人文、社会科学はコントロールできない変数が多すぎて書き上げた論文は反証の余地がありすぎると思ってしまう。そのような論文に意味はあるのだろうか。
学生が卒論のテーマ決めたり研究室を選ぶ前に読むといいと思う。