つながり過ぎないでいい 非定型発達の生存戦略

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著者の長期にわたる綿密な自己観察と言語化の取り組みに圧倒された。
ここまで突き詰めずにいられなかった切実さを思うと胸が詰まる。
交際相手とのやりとりで「行くあてのない感情というものが人にはあるし、それを他人に向けて示してもいいんだという発見」をしたという記述。
同じ体験はあっても、私には言語化の姿勢がなかったので、記憶を改めて捉え直すことができた。
感情以前の身体感覚や、意図・演出の込められた感情表現なども、意識してみたら躓きが減るかもしれない。あるいはこれまでとは違う転び方をとれるかも。

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メモ→ https://twitter.com/nobushiromasaki/status/1631959026505482241?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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発達障害者が社会性を身につけていくための方法はネットでもたくさん見つけられるけど、そこになんとなく（できないことをできるようにしなければいけないと感じさせられる力に対して）違和感や反発を覚えてしまうとき、発達障害者が社会ではなく自分のためにどうやって生きていくかを考えるヒントは探しにくいと感じていた。確かに社会性を身に付ける努力でトラブルが減るとか収入が増えるとか得られるものも大きいから、そういう練習のやり方も知りたいんだけど、そればかりでなく他の考え方が書かれた文章も読みたかった。そういう部分でこの本の書きぶりは参考になると思った。

"「こういうふうにも考えられるのではないか」といったように、人はいろいろと考えることができてしまう。選択の広がりをもたらすように見えるけれど、それと迷いとの違いは本人には明確に区別がついているだろうか。"
"ふわふわしているとは、不安から逃れるために自分から目を背けている時に生じる浮わついた感覚だ。自分が散っていくような感じ。"
この部分は、延々ツイートをしてしまうときとか夜中に過去や未来について考え始めたりしている時間に、思考の断片が不安を呼び起こして、連想でたくさんの別パターンを思いついてはさらに不安に陥っていくような感じに身に覚えがあった。たしかにそういうときは頭だけが動いていて、感覚からは離れしまっているようだ。感覚から離れることは自分を見失うことにつながる。この指摘を見つけられたのがよかった。