紙の本
お子さんの実際の珍解答に失笑し、そして成長を感じました。
2022/07/27 12:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひらがなや漢字、感想を書くなど、著者の実のお子さんが国語のテストで実際に書いた珍解答の画像を惜しみなく掲載し、こどもはこうして試行錯誤しながら文字・言葉を覚えていくことを学べる1冊です。
本当、お子さんの珍解答が面白く、何度も失笑してしまいました。ですが一方で、子どもが必死に文字・言葉を会得しようと必死に頑張っている姿、そして会得して成長する姿を感じ、素晴らしいと思いました。
ぜひとも多くの方々に読んでいただきたい1冊です。
紙の本
言葉の獲得
2022/08/26 21:33
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投稿者:ぱんだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間が成長しながら言葉をどう認識するのか、改めて学ぶことができました。
子どもの間違いこそ、発見の宝庫。
筆者のお子さんの協力に読者からも感謝です。
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webちくまに連載していた(更新を楽しみに読んでいた)「宿題の認知科学(全12回)」の一部をベースに内容を大幅に追加したもの。実例たっぷり最新の実験結果なども興味深くおもしろくぐいぐい読ませる。
第1章:言語習得とその先(習わないのにわかっていることば)
第2章:文字の認知(逆さま文字、何が逆さま?)
第3章:目的語、関係節、主語などの文法関係をめぐって(英語に在って日本語にないもの?)
第4章:文理解と曖昧性(日本語って難しいの?)
第5章:特殊モーラと音声知覚(小さい「っ」の正体)
第6章:語用論(なぜ会話が通じるのか)
第7章:メンタルレキシコン(頭の中の辞書を引く)
と、音、統語、意味、語彙、コミュニケーションといった言語学のトピックを広く網羅し、小学生の誤用や試験の珍回答を俎にのせ、最新の研究も援用して分析していく。巻末には文献案内(芋づるの先)もついていて、言語学のいい入門書にもなっている。
第3章あたりを読むと、日本語の文法と英文法のギャップ(文の要素の定義など)が両方の文法嫌いを生みだしているのであろうけれど、なんとももったいないと改めて思う。そのうへんを逆手に取った言語を楽しむ授業を受けられれば、母語も外語学習ももっとおもしろくなるかもしれない(この本にでてくる言語学的知見は、知っていれば日常の言語活動であれこれ役に立つものも少なくないし、あるていど専門的に勉強したことあるような親しか本格的におもしろがれないなんてほんとにもったいない)。
算数に関する内容のものは、並行して準備してきた岩波科学ライブラリー「ことばと算数 その間違いにはワケがある」(近刊)のほうにまとめたとのこと。(そちらも当然読む)
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同時進行で「ことばと算数」も読んだ。結論は、もっともっと読みたい本が見つかったということ。これはもう読みだすときりがない。今年はずっと文学の読み直しをしているのだけれど、時間がいくらあっても足りない。うちの子どもはもう成長してしまったから、子育てから得られる知見はないけれど、まあ日々子どもたちと接しているわけで、国語のテストもまあまあ採点するので、笑えない珍答と出合う機会は多い。理科での漢字間違いは「初期徴(微)動」「水(膵)臓」他にもいっぱいあるのだけれど、とっさには思い出せない。これは僕の脳内の問題。1回だけ出合ったのは、「へそのう(緒)」と「白(百)葉箱」。いろんな間違いがある。僕自身の言い間違い、書き間違い、もうこれは頻繁。本書で扱われたものとはちょっと違うが、しゃべりながら黒板に字を書いていると、つい先に言おうとしている文字を書いてしまう。それから名前の呼び間違い。これは本当に気まずい。先日も「松尾さん」というべきところを「中尾さん」と言ってしまった。また、みんな無反応でシーンとしている。「うん?なんか変だな」と思って気がついた。平謝り。入江さんの方を向いて小西さんと言ってしまうことなども多い。2人が脳内で交錯している。そうやって考えると、著者の子どもさんのことを「ひどい間違いが多いなあ」と思っていたが、自分の頭も似たり寄ったりかも知れない。それと、メンタルレキシコンについて。読んで何となく分かるということばと、自分で使えるということばにはちょっと差があるように思う。「人口に膾炙する」なんて使えたらいいなあと思うけど今のところ無理。さて、まずは今井むつみ先生の算数の本、それから川原繁人さんの娘さんとの本。うーん、どこから手をつけようか。とりあえず、ツイッターのフォローはした。
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子育てママ研究者が分析する言葉の発達
主に音について
語彙、音韻、意味、統語等の観点から、子どもの言い間違い・小学校のテストの間違いを学術的に分析する構成。個人的には日本語学に疎いため、第4章の日本語の関係節、第6章語用論は勉強になった。私も日々子どもとの関わりの中で、生徒の間違いを著者のように楽しんで分析できるようになれればいいなと思った。決して理不尽に不機嫌になるのではなく。
また、一文が長く(ときには5行以上)になることもあり、主語述語が掴みづらくなる箇所が多々あった。
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『「超常現象」を本気で科学する』(石川幹人)を読んでいた時に【認知科学】の文字が出現。
何だこれはと思って関連書探しヒットした『子どもに学ぶ言葉の認知科学 』(広瀬友紀)。
ホラー&オカルトとは一切関係がないものをチョイスしました。
【認知科学】とは「人間の知覚・記憶・思考などの知的機能を司るしくみに迫る研究分野」で、
心理学、言語学、計算機科学、芸術学などさまざまな視点からのアプローチが含まれるそうです。
「科学」と聞くとフラスコと試験管使って薬品グツグツ…とイメージしてしまうのですが、
調べてみたら「一定の目的・方法の下でさまざまな事象を研究する認識活動、およびそこからの体系的知識」とあり、
薬品だけに限らないんですねアホですいません。(恥ずかしい話、【化学】との違いもわかっておりません)
今回読んだこの本で、
【認知科学】を、というより、【母国語である日本語を子どもや外国の方に教える事の難しさ】をメチャクチャ感じました。
「日本語と英語は文の構造や発音が違う」というお話はよく耳にしますが、ちゃんと知ろうとしたのは今回が初めてです…笑
頭で理解はしました。が。
私からは「聞いて言って繰り返して慣れて」としか言えない…。
そして…
日本語に慣れぬ外国の方に「警察官が中学生をカツアゲしたヤンキーに説教した」的な、日本人でもわかりにくい事は言っちゃアカン事は理解しました。
そして…
「ぶぶ漬けでもあがっていかはりますか」を久々に目にして、
【語用論】もっと知りたくなり、こちらも関連書探しております。
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子どものテストの珍答案を経て、言語の認知科学へ……面白い。
「のび太とのび犬問題」!
@以下、コピペ
小学生になった息子の珍解答は続く。さらに巷の記事・絵本さらにTシャツのロゴ・町の看板まで、題材はあらゆるところに広がっていくことに。「これ食べたら死む?」「のび太vs.のび犬」「ニンジンは、ヤギ・ヒツジも食べてくれるよ♪」ヘンテコな答えや言葉遣いの背後にある、子どもの、あるいは人間一般の心の働き、認知のしくみ、言葉の法則や性質について、楽しく学べる一冊。
目次
第1章 習わないのにわかっていることば―言語習得とその先
第2章 逆さま文字、何が逆さま?―文字の認知
第3章 英語にあって日本語にないもの?―目的語と関係節、そして主語?
第4章 日本語って難しいの?―文理解と曖昧性
第5章 小さい「っ」の正体―特殊モーラと音声知覚
第6章 なぜ会話が通じるのか―語用論
第7章 頭の中の辞書をひく―メンタル・レキシコン
@
目次
まえがき
第一章 習わないのにわかっていることば──言語習得とその先
「死む」は言い間違いではない
大人の模倣ではない証拠
過剰一般化
いつごろまで「死む」って言うのか
ちゃんとやすらないと手を切ります
大人よりも複雑な構文?
言語を観察する力 ツッコミ能力?
構造的多義性
小学校英語教育の現場に平野レミ先生を!
第二章 逆さま文字、何が逆さま?──文字の認知
鏡の中は逆さまなのか
鏡文字の謎
文字の分解と組み立て
のび太とのび犬問題
パーツ認定とその構成
文字同士の配列──ターャジスとケブンッリジだがいく
第三章 英語にあって日本語にないもの?──目的語と関係節、そして主語?
修飾戦線異状あり?
目的語ってないの?
日本語のほうが自由だ?
子どもがわかるように
人食いニンジンの恐怖
あなたはウナギなんですか
関係節って英語で出てくるやつですよね?
これ本当に関係節なの?
第四章 日本語って難しいの?──文理解と曖昧性
ガーデンパスでどんでん返し
英語に直してみる
大事なことをなぜあとに?
自由とひきかえに……
全部読んでも結局曖昧なとき
こじらせた曖昧性
略しても、好きな人
主語関係節vs.目的語関係節はホットな話題
曖昧性が明らかにしてくれること
第五章 小さい「っ」の正体──特殊モーラと音声知覚
小さい文字はちょとむずかしい
小さい「っ」の正体は?
イタリア語にも小さい「っ」ってあるんですか
イタリア語話者と日本語話者は似て非なるものを聞いている?
失ったのではない。手放したのだ
聞いてる時点でカタカナ英語?
ここも特殊だ日本語は
小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」(ねじる音・拗音)
しりとりでわかること──音節を使う子どもたち
第六章 なぜ会話が通じるのか──語用論
「語用論」ってなんだ
文字通りじゃないよ、のサイン
言葉通りの意味と語用論的な意味
2は3に含まれる?
象のなかには哺乳類であるものもいる……マルかバツか?
言葉の上級者コースへようこそ
第七章 頭の中の辞書をひく──メンタル・レキシコン
メンタル・レキシコンの検索
意味のネットワーク
意味つながりが検索を速める
意味情報で混乱
音つながり「ご近所さん」の競争
音つながりのメリット──言いたい語を検索する場合
概念に対応した語を捜すときと、入力から語を割り出すとき
正真正銘言い間違いについて
言い間違いの単位
アクセントの情報は?
統語や意味
あとがき
文献案内
@@@@@
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言語学教授の筆者が、小学生になった息子の珍回答から日本語の認知について解明していく。「ちいさい言語学者の冒険」では3〜6歳だった息子さんも、今や中学生。その息子さんの小学校の(主に)国語の珍回答を題材にしている。もちろん、息子さんの了解のもと。でも、あとがきによると、了解を取ったのは母親ではなく担当の編集者だぅたようだ。そのほうが本人も納得できるのかも。
珍回答ぶりに教育ママとしてイラツク気持ちを押し殺して、その間違いを科学的に解明していく母親に拍手!
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以下、引用
人間が文を読んでいる際の視線を計測してわかることのひとつとして、我々の眼は一文字ずつ律儀に注視するわけではなく、ある程度の区間ごとに視線の停留、次の地点(文字システムによって異なるが、少なくとも数文字以上先で、単語を超えることも)まで瞬間移動、また停留、瞬間移動、を繰り返しているという事実があります。なのでやはり「逆さスジャータ」は普通の人間には難しいと思われます。
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子どもの言語習得過程を実際に観察して、言葉を使いこなせるようになるステップを考察しているが、学者と実際の学校での指導方法の考え方が微妙に食い違っているのが面白かった.英語を含めた考察も楽しめた.学生時代、国語の学習は嫌いだったが、本を読むことは好きだったことを振り返ると、国語自体の指導方法の見直しが必要な感じがした.
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非常に興味深く読みました。
子どもの成長過程に応じた言い間違いから何が読み取れるのか。面白い研究をされている方がいるのですね。
私は昔から、子どもが抽象的な言語を体得するのはいつか? どういういきさつで? と疑問に感じていました。子どもを注視していると、2歳くらいまでは"今"しかないように見受けられます。これが少し成長すると、"昨日"とか、"明日"を理解するようになる。どうやって?
自分の子どもを気をつけて見ていたのですが、残念ながら判らずじまいです。この問いに答えてくれるような本に出会いたいです。
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子供の言い間違いや書き間違いから、人間の言葉に対する姿勢が見えてくるという話。
今まで子供は大人の模倣をしてお喋りをしていると思っていたのですが、そうすると「来ない(きない)」などの説明がつかないな…!?と気がつけたのが一番大きかったかもしれないです。
外国の言葉と日本語を比べてみる章では、やっぱりこれだけ音節や文法が違かったら取得するのも難しいよな〜と改めて思いました。
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時間のある春休みのうちに新書にチャレンジしたいと思い、図書館で借りた一冊。
1回目は少し読みにくさを感じたが、こどもや外国の人が感じる日本語の難しさ、そして言語の奥深さを感じた。言語に関する研究が数多く行われていることも興味深く、もっと知りたいと思った。
こどもの言葉の間違いを「面白いね」で終わらせず、「なぜこのような間違え方をしたのか」
「こどもはどのように言葉を捉え、習得していくのか」という視点から分析しているのが面白かった。こどもは周囲の人が話す言葉をそのまま模倣しているのではなく、自分の知っている語彙を一般化したり活用しているということに驚いた。自分が想像している以上に、こどもは学ぶ力や物事を吸収する力を持っているのだと感じた。