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- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/07/27
- 出版社: KADOKAWA
- サイズ:20cm/522p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-04-112159-7
紙の本
よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続 (三島屋変調百物語)
著者 宮部 みゆき (著)
神田の袋物屋・三島屋で行われている風変わりな百物語だが、2代目の聞き手・富次郎はおちかの出産を目前に休止することに。最後の語り手の夫婦が語るのは…。学芸通信社の配信により...
よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続 (三島屋変調百物語)
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商品説明
神田の袋物屋・三島屋で行われている風変わりな百物語だが、2代目の聞き手・富次郎はおちかの出産を目前に休止することに。最後の語り手の夫婦が語るのは…。学芸通信社の配信により『高知新聞』等に掲載したものに加筆修正。【「TRC MARC」の商品解説】
江戸は神田三島町にある袋物屋の三島屋は、風変わりな百物語をしていることで知られている。
語り手一人に聞き手も一人、話はけっして外には漏らさず、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」これが三島屋の変わり百物語の趣向である。
従姉妹のおちかから聞き手を受け継いだ三島屋の「小旦那」こと富次郎は、おちかの出産を控える中で障りがあってはならないと、しばらく百物語をお休みすることに決める。
休止前の最後の語り手は、商人風の老人と目の見えない彼の妻だった。老人はかつて暮らした村でおきた「ひとでなし」にまつわる顛末を語りだす――。【商品解説】
収録作品一覧
序 | 4−5 | |
---|---|---|
賽子と虻 | 7−207 | |
土鍋女房 | 209−340 |
著者紹介
宮部 みゆき
- 略歴
- 〈宮部みゆき〉1960年東京生まれ。「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞、「理由」で直木賞、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、司馬遼太郎賞を受賞。
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紙の本
宮部みゆき 時代小説
2024/04/02 21:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなりの分量のある本でした。
けれども、読みごたえがあり読後は、怖い話ばかりなのですが、味わいがあるのです。これが不思議。
紙の本
聞き手が富次郎に代わって3作目。語られる話がよりダイナミックに。
2023/09/30 23:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
神田の袋物屋・三島屋の白黒の間での百物語も語られ聞き捨てられて、もう8作目。聞き手が、初代おちかから、従兄弟で三島屋の次男富次郎になって3作目。
本作では、嫁いだおちかが出産まじかで、しばらく百物語もお休みにするとか。だからかどうか、三島屋を中心とした暮らしの変化みたいなものも丁寧に描かれているような気がして、心地よかった。
語られた物語は、3つ。特に表題作「よって件のごとし」が圧巻。パラレルワールドによる異世界が描かれ、そちらの世界では、人々がどんどんとゾンビ化してゆく地獄絵図が。その解決と救出のために、あちらとこちらの世界の行き来が始まり、気づけば、そうして結ばれた男女の物語に昇華されていて、その構成もみごとだった。
紙の本
三島屋シリーズ
2023/03/31 20:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は百物語だけでなく、三島屋の周りの変化も書かれていて楽しく読みました。百物語はこのまま続くのか、心配のような、うれしいような。
紙の本
秋がくる表現が絶妙!
2022/10/21 21:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は三つの話。何ともやっぱり文章がいい上手いなあと思いました。秋がやってくる表現が絶妙。『夏は・・消える時には挨拶もない。そして秋は忍者のように気がついたらそこにいる』全く今の季節をうまーく表した表現。さて、今回は不思議話もさることながら、三島屋、伊一郎、富次郎、そしておちかを巡るところで、いろんな動きがありました。本論と違いますが、以前よりも最近は挿絵が多くていいです。標題作はまさかのゾンビもの。タイトルが絶妙。この内容の話とタイトルとが、どうつながるのかと思っていたら、そうきたか!という感じでした。次作にも期待ですが、物語同様、少し休みなのでしょうか?
紙の本
理不尽の向こう側
2023/07/15 14:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
「賽子と虻」
とにかく徹底して理不尽なエピソード。
餅太郎も気の毒だが、抗う事もできずに命を奪われた人々を思うとやりきれない。
神様に人の理屈が通じないのはわかるが、神さえ殺してみせた新藩主は…
神様の理よりも非寛容な苛政のほうがより恐ろしかった。
「土鍋女房」
土鍋の中の女房よりもムキになって事態を悪化させる美春の性根のほうが怖い。
嫁ぎ先でも何かやらかしそう…
「よって件のごとし」
宮部みゆきによる異世界作品でゾンビ作品。
そして異なる世界を繋いで結ばれた男女の物語にして勇気と義侠心の物語。
北の貧しい村で起こる惨劇というと「荒神」の焼き直しかと思ったが、さまざまな要素を盛り込んで読者を飽きさせない作品に。
災禍によって滅んだ世界に無数のひとでなしが佇む風景を想像すると寒気がした…
三島屋の百物語はいったんお休み。
次はおちかのお産。
無事だといいが。
おしまがついているから大丈夫だよね?
紙の本
大著だが一気読みをさせる話
2023/06/03 13:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:.ばっは - この投稿者のレビュー一覧を見る
7月発売だったから秋に向けての描写もあったのだろうが
図書館数か月待ちでようやく順番が回ってきたのは梅雨前。
まぁそれはさておき今回の三話、怖くもあったが
読後の安堵感も少しはあった。
しかし最終的にどの話も報われない結末が残念でもある。
・賽子と虻
神といえども人が崇めなければ成り立たない。
神を蔑ろにした者どもに神罰が下れば良かったのに。
・土鍋女房
あの女が来なければ兄は異界に連れていかれることもなく
妹は辛い思いをせずに済んだだろうか。
・よって件のごとし
半人半牛の予言ではなく最後に題名の謂れがわかる。
この話だけは原因が人知の及ばぬところにあり本当に怖い。
「繋がる縁なら、どんな困難だって乗り越えて繋がる。
繋がらなかったのは縁がなかったんだ。誰も悪くない。」
とあるレビューに
「P.41に半端な行替えに見える部分があって、
なにかイラストでも入るような空白にも思えるのだが。」
確かに訳ありでイラストが入らなかったよすに見える。
紙の本
一旦休憩?
2023/01/16 14:04
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
他の人の感想を読んで、暗すぎたら嫌だなと読み始めましたが、生き生きとした登場人物が多かったのでそこに救われました。宮部みゆきさんが描く人物は(特に時代ものの)根っこが明るくたくましい人が多いですね。
3編の物語には人ならざる存在が度々出てきますが、一番好きだったのはサイコロのキリ次郎。話し方になんとも言えない愛嬌があり、最後まで餅の事を心配してて泣けました。このお話しは終わり方が不完全燃焼でしたが…。餅太郎が懸命に逃がした弥生さんが生き延びていたらいいのに。
表題の物語は確かにゾンビですね。ゲームっぽい感じも受けました。映画なら最後に生き残るのは主人公だけだろう、そうなったら嫌だなぁと思いながら読み進めましたが、後味の悪い終わり方でなくて良かったです。
紙の本
ゾンビ!
2022/12/05 13:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンデッド!
時代小説にまでゾンビが登場するとは。
大事なのは、胆力と知力。
百物語、しばらくお預けかな?
いろいろと良い意味での動きがあるようで。
紙の本
ちょっとマンネリ化してきたか?
2023/11/11 09:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きなシリーズなので今回も読みましたが、少し冗長な感じがして(特に最初の短編)原稿のページ数を稼ごうとしているのか?と思ってしまいました。最後の話は、なぜ語り手の妻や同じように移住した人達の体調が悪くなるのか全然謎に迫れておらず、ただ小旦那が聴いて終わりで(元々聞き捨てるだけという趣向ではありますが)物足りなかったです。
紙の本
怪異と人の絆
2024/03/11 20:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸の商家で語られる百物語、今回は三篇の話が語られていきます。
話の間にも貸本屋の瓢箪古堂へ嫁に行ったおちかが妊娠して、三島屋では皆がその心配をして女中のおしまが押しかけていくことになったり、百物語の聞き手である富次郎の兄が三島屋に帰ってくるというので縁談が持ち上がったりとほのぼのとした商家の様子も出てきます。
そんな生活感ある話と百物語で語られる異次元の話が対比されているのも面白い。
最初の語り手は餅太郎と名乗る年齢不詳の不機嫌そうな男だった。
足が弱いらしくよろけていたし髪も薄くなっているが、声を聞くと実はずっと若いのかもしれない。
そんな餅太郎は「十一の時に笑い方を忘れました」と自己紹介して、その笑い方を忘れるような出来事を語っていきます。
餅太郎の故郷は上州の畑間村という麻と木綿で布を織る産業が盛んな山中の村だった。
餅太郎の自慢の姉は糸繰歌が上手い働き者の美人だったが、そんな姉に玉の輿の縁が持ち上がる。
だが姉は虻の呪いにかけられたとやせ細って返されてきた。
その呪いを引き受けようと虻を飲み込んでしまった餅太郎が迷い込んだのが、畑間村の「ろくめん様」という神様がつくった賭博場だった。
そこで下働きをしながら村へ帰れる日を待つ餅太郎が目にする不思議な出来事が語られていきます。
続く「土鍋女房」は、三笠の渡しの船頭の家系に生まれたおとびという名の女性が語る話だった。
一年前に亡くなったおとびの兄は腕利きの船頭だったが、どうしても嫁をとろうとしない。
弟のところに子供がいるからもういいと本人は言っていたが、なかなか断れそうもない縁談が持ち込まれる。
それでも首を縦に振ろうとしない兄の秘密に気づいたおとびの語る話に引き込まれます。
三話目は富次郎の父親くらいの年齢の風格ある男性と、その妻らしい盲人の女性がつれだって三島屋を訪れた。
彼らが語るのは、奥州で紙作りや染料となる草木の栽培、鱒や鯉の養殖といった産業を興してまっとうに稼いでいた結果豊かに潤っていた藩の中の村での出来事だ。
男がまだ少年から大人になろうかという年齢の頃、立冬の日にいつもは凍らない池が凍るほどの寒波が来た。
池が本当に凍り付いているのか確かめるために竿でかき回してみると、見知らぬ男の死体が上がってくる。
しかもどう見ても死体だったはずの土左衛門が立ち上がって襲いかかってきたのだった。
土左衛門に噛みつかれた若者が化け物変化してしまうに至り、村は緊急事態となる。
池の底からやってきた少女の話を聞いて池の向こう側の世界を助けに行った男たちの武勇伝が語られていきます。
どの話も妖しさに満ちていて面白かった。
次の巻ではおちかに子供が生まれるだろうし、どんな話が語られていくのかも楽しみだ。