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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新宗教のコミューンで起きた惨劇、当事者達の14年後の集結、謎の刺客。
しかし一本調子な感じで、ストーリーにもっと起伏が欲しかった。また展開が基本的にスローですが、コマ落としのように急な部分もあり。
期待したほどではなかった、というのが正直なところ。
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宗教団体「褻」で生まれ育ち、洗脳された子供たち。団体トップの石黒に命令されて大量殺人を引き起こした彼らは無罪とされたのにも関わらず、世間からは冷たい扱いを受けて生きていた。ある日石黒の死を知らされた彼らに、何者かが襲撃を仕掛けてくる。刺客に対抗するため、彼らは協力して策を練ると同時に、自らの過去にも向き合うことになる。重苦しい読み心地だけれど、スリリングなミステリです。
恐ろしい事件に「加害者」として関わったとはいえ、当時は子供でしかなかった彼らはたしかに「被害者」なのだと思いますが。しかし世間に受け入れられないという事情も仕方がない気がして。とにかく彼らの境遇が不憫でなりません。特に誰一人殺していないのに責任を負わされるって……それはない。忌避するだけならまだしも、事件にも何の関係もないのに叩く人たちの悪辣さが醜いです。関係のない人の不幸が娯楽だというのはまさしくそうなのかもしれないなあ。
味方になるのはお互いだけ、それでも完全には信じられず、世間の目と刺客に怯える彼らの先行きが非常に不安でした。未来に希望なんてまるでないと思えるけれど、必死に生き延びようとする彼ら。刺客の目的が何なのか、そしてそもそも刺客の正体が何者なのか。孤立無援で絶体絶命な彼らの運命に寄り添ううち、何としても彼らには生きてほしいし救いがあってほしい、と思えるようになります。つらい読み心地なのだけれど、読む手は止まりませんでした。
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新興宗教モノは鬼門なのに読んでしまったが、やはり愉快でない。登場人物の動機もイマイチだし、驚きも小さいし、結局良い人いないんじゃん!テーマは何。赦し?と不完全燃焼。
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かつて、新興宗教団体〈褻〉で、同団体の幹部、石黒望が、コミューンの住民30数名を惨殺するという事件が起きた。しかも、実際に手を下したのが、彼女により戦闘訓練を受けた5人の子どもであったことが明らかになり、世間は大騒ぎとなる。当時まだ未成年だった子どもたちは、罪に問われることもなく、大人になった今、一般社会でひっそりと暮らしていた。そんな彼ら〈生存者〉の日常が突然、崩されていく。SNSで身元をバラされ、次々とナイフで襲撃される。相手は素人ではなさそうだ。敵は誰なのか。彼らは生き残れるのか。
なかなか登場人物に感情移入ができないまま、終わってしまった。主犯者の動機も、過去の契機も、何もかもよくわからなかった。だからといって、まるでおもしろくないかと言えば、そんなことはなく、アクションを想像しつつ、B級バイオレンス映画を観るような楽しみ方で読んだ。
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2023/02/20 読了。
図書館から。
ほぼ一気読みでした。
凄惨な事件の当事者だが、司法では裁かれなかった
子供達。
被害者であり加害者であり社会ではうまく生きてはいけないし、受け入れられない。子供達それぞれの葛藤にも齟齬があり、ひとくくりには仲良くいかない。
みわちゃんのセリフが一番しっくり来たかな。
非情ではないけど、関わり合いがないなら、
そういう風にしか大衆は捉えないだろうなーと。
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のっけからいろいろなことが起こるので、結構、”引き込まれ”系なお話でした。場所が山梨だし、どうしてもオウム真理教のサティアンみたいなものがイメージされてしまいます。でも、宗教や洗脳の話じゃなくて。。(ネタバレになるのでやめます)
ところどころ予想外の展開もあって楽しめました。最後はどうなるんだろうと思わせる緊張感あふれる盛り上がり。(物語冒頭に出てきた)カオを最後にも登場させて締める、というのちょっと肩透かしな感じもしました、その人たちの貧困も一つのテーマとしてとらえているのであろうから仕方ないのかもしれません。
是非、わかばを菜々緒で映像化して欲しいところ。
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本格ミステリーだと勝手に思って読み始めてみたが、スラッシャー映画ぽい展開でがっかりした。宗教に翻弄される子どもたちの心情や内面の細かい機微を期待して読んでいたのに、どちらかというと一人の頭のおかしい女に洗脳されていた感じで、あまり宗教関係ない感じも期待と違う。結局、救いはどこにあったのか。もしくは、一切救いのない展開で強いメッセージ性があったならば、それでも良かったのかもしれないが、帰着点が中途半端な気がした。
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最初からバイオレスシーンいっぱいで不安を抱えて読み始めた。が、元テロリストにより、宗教施設と言う名目の場所で洗脳され、軍事的に鍛えられて育った子らの、当時と現在が、交互に描かれる。
あり得ない事件だが、不条理な現実が見え隠れして哀しかった。
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14年前山梨県の宗教団体が<祝祭>という暴力による大量殺人事件を執り行い33名の犠牲者が出ました。
やったのは石黒望という女性の首謀者とコミューンに捨てられていて、石黒が育て上げた12歳の夏目わかばら5人の子どもたちでした。
わかばたち5人の子どもは<生存者>と呼ばれ、まだ、子どもだったので罪に問われることはなく、でも世間の目には晒されながら逃げるように生きていました。
そしてとある事件をきっかけに5人が再会します。
後藤睦巳は光太という母親のない子どもを連れていました。
逆井将文は事件を逆手に取ってユーチューバーとして暮らし、川端伸一(旧名・長治)と斎藤彩香(旧名・弥生)は共同生活を送っていましたが、伸一は精神疾患を患い、彩香は勤めていた歯科医助手を辞めなければならない事態になっていました。
そして5人は自分たちが<刺客>と呼ぶ何者かに狙われて命が危ないことに気づきます。
宗教施設で5人が受けていたのは軍事訓練でした。
わかばは暴力をふるうと気が高まるという根っからの性質と立派な体格で戦闘要員。
将文は稼いだお金で銃を買いなかなかの腕前です。
睦巳も、わかばと同じ暴力性があり、つい光太を殴ってしまうことがあります。
伸一は<祝祭>の日本当は一人も殺していませんでした。
彩香も同じくその場にいただけで一人も殺していません。
そんな5人が再会した後、睦巳が<刺客>にさらわれ、わかばたちは、光太を連れてコミューンに来なければ睦巳を殺すと<刺客>からのメッセージを受取りますが…。
<刺客>とは果たして<祝祭>の被害者遺族なのか…。
<刺客>の真の目的は何か…。
八王子市から相模湖、コミューンのある山梨まで傷つきながら熊と闘い、雨にさらされながら山道を歩き続けるサバイバルゲームのような行動を強いられる4人と光太。
全部で500ページある力作ですが救いのもたらされることのない作品でした。
でも、なぜか心に5人のことが、残ってしまう。そんな作品です。
<刺客>の正体は意外性がありラスト数ページはミステリーとしては大変面白く読みました。
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熱い。逸木さんの最新作は、身も心も熱くなる活劇小説だった。
14年前に宗教団体〈褻〉で起きた惨劇。逃げ場もないまま信者たちが一人、また一人と狩られていく。5人の殺人者は10代の少年少女で、団体トップの石黒望に戦闘術を仕込まれていた。そして現在、彼らの命を狙う〈刺客〉が現れた……。
衝撃の冒頭から終幕まで、休む間もなく描き出される恐怖に圧倒された。彼らに罪はないのか。贖罪の意志はあるのか。犯罪者と犠牲者、狩る者と狩られる者の立場が入れ替わったとき、真実が現れる。
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腐った社会への怨恨で、そこまでしますか?子どもを兵士として育て…「自分と異なる考えを排除して自分と同じ価値観に染めるーそれが正義だ」気持ち悪さを押さえてなんとか最後まで読んだが、最後でまた外したか…「祝祭」も意味不明。
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新興宗教、褻(け)。そこで教育されていた子供たち。彼らの辿る壮絶な道のりとは。
前半部は緊張感が高まり不穏さが充満していくが、後半部はグダグダとしてしまうだけでミステリとしてははっきり言って退屈(そもそも本書はミステリではないが)。面白そうな題材だけにもう少しどうにかなるのではないかと感じた。
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タイトルに興味を抱き読み始めたが、登場人物の台詞や行動に引っ掛かりがあって感情移入出来なかった。《生存者》を育てた《石黒望》の最終目的が最後まで理解できず。文章のだぶつきも多かった。
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話の展開は嫌いじゃない
もっともっとグズグズなダークな宗教ものかと思ってだけど、意外と違った
途中から少しだけ機龍警察を読んでる気になった
気のせいです
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14年前、宗教団体が運営する施設内で大量殺人が行われた。
施設内ではトップの石黒望が、捨て子を引き取り森の奥で教育していた。
そして、子どもたちを操り殺害を命じていた。
洗脳されていた子どもたちは、加害者となりそれぞれ過酷な運命を生きていたが、石黒の遺体が発見され、彼らたちが何者かに襲われる。
終わったはずの過去に再び向き合うことになる彼らたちの行先は…。
すべては、石黒望の過去が起因する。
子どもを育てる方向性が、間違っている。
自分の復讐の手足に利用しているものであり到底許せるものではない。
彼らに安らぎというものがなかったことに大人の身勝手さがどうしようもなく許せなく感じた。