- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/07/17
- 出版社: 梓書院
- サイズ:19cm/247p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-87035-744-0
読割 50
紙の本
データが示す福岡市の不都合な真実 180万人都市にするために必要な5つの処方箋
著者 木下 敏之 (著)
福岡市を180万人都市にするには? 九州で最も子供が生まれない「超少子化」の町。市民一人当たりの所得は30年間ほぼ横ばい…。データが示す本当の姿から目を背けず、福岡市のポ...
データが示す福岡市の不都合な真実 180万人都市にするために必要な5つの処方箋
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商品説明
福岡市を180万人都市にするには? 九州で最も子供が生まれない「超少子化」の町。市民一人当たりの所得は30年間ほぼ横ばい…。データが示す本当の姿から目を背けず、福岡市のポテンシャルを活かす5つの政策を提案する。【「TRC MARC」の商品解説】
福岡市は本当に地方最強か?!
福岡市の人口は、このままなにも対策を講じなければ、
2035年には165万人で頭打ちになると言われています。
しかし、一人でも多くの人が福岡市の問題に気づき、
十分に実行可能な政策を実現できれば、
2050年に人口180万人を超えることも夢ではありません。
問題に気づき、今から対策を打てば、180万人都市は実現可能!
福岡市は、九州で最も子供が生まれない「超少子化」の町。
福岡市民一人当たりの所得は、30年間ほぼ横ばい。
貧困児童の割合が政令指定都市中、最悪……。
データが示す福岡市の「本当の姿」から目を背けず、
福岡市のポテンシャルを最大限に活かす5の政策。【商品解説】
目次
- [第1部]データが示す福岡市の不都合な真実
- 1.福岡市民の所得は年間横ばい。実質的に減少/2.子供が生まれない福岡市/3.福岡市の経済は全九州を相手に卸売・小売業で稼ぐ内需型/4.低下し続けている福岡市の国際的地位/5.2070 年まで激増する65 歳以上
- [第2部]福岡市民の所得を増やすための政策提案
- 第2部のはじめに
- 1.自社の消費のうち「毎年1%を地場産に切り替える5年計画」の策定/2.福岡市版こども保険の創設 2050 年に福岡市の人口を180 万人に/3.福岡市の国際的地位と都市としての魅力を高める対策とは/4.何歳であっても働きたいシニアの仕事を作る/5.南海トラフ 首都直下型地震を利用する
著者紹介
木下 敏之
- 略歴
- 福岡市南区在住。福岡大学経済学部教授。
担当科目:九州経済論、起業戦略論。
【ブログ】
木下敏之の「九州経済論」
【学歴】
東京大学法学部卒業
ラ・サール中学・高等学校卒業
【メディア出演】
KBC「アサデス。ラジオ」木曜日コメンテーター
TNC「記者のチカラ」コメンテーター
【経歴】
1984年 農林水産省入省
1993年 環境庁水質保全局水質管理課
1999年 佐賀市市長に全国の県庁所在地の市長の中で最年少の39歳で初当選
2003年 佐賀市長再選
2012年 福岡大学経済学部産業経済学科教授に就任
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紙の本
福岡市は最強でも、スゴイわけでもない。
2022/08/19 07:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は題名が示す通り、九州の中核となる福岡市についての解説。第1部「データが示す福岡市の不都合な真実」、第2部「福岡市民の所得を増やすための政策提案」の2部構成となっており、いわゆる福岡市の現実の偏差値、通知表だ。折々、コラムが挟み込んであるので、250ページ弱の一冊は気軽に読み進むことができる。
従前から、福岡市は九州全域を視野に入れて考えなければ経済成長はありえないと言われる。そのことは第1部の第3章「福岡市の経済は全九州を相手に卸売、小売業で稼ぐ内需型」がデータで示している。現在の福岡市は、地域外の自治体に対し、関心が低すぎるのではとの批判があるが、経済成長を視野に入れるのであれば福岡市は九州各地との連携を考えるべきだ。このことは、出生率もさることながら、賃金の伸び悩みを解消することにもつながる。示された数値による解説に、唖然とするしかなかった。
福岡市に対する域外の方々の印象は、「自然に恵まれている」「食べ物が美味しい」「お祭りがたくさんあって楽しそう」という好印象で語られる。しかし、マスメディア情報に安堵はできない。ある方は、「世界一、幸せな都市」と揶揄する。その背景には、熾烈な競争をせずとも、そこそこの努力で飯が食える都市だからとの事。穿った見方をすれば、誰が首長に座っても、さしたる不満が起きないということだ。
ところが、近年、不満が少しずつ表面化している。まず、公共交通機関での地下鉄の在り方。延伸工事が、出たとこ勝負で陥没事故を幾度も起こした。開業が遅れる事での税金との費用対効果が見えない。循環線が無い。JR九州との相互乗り入れはあるものの、西鉄電車との相互乗り入れがない。これは、第2部の第3章「福岡市の国際的地位と都市としての魅力を高める対策とは」にも関連することだが、九州全域を視野に入れるという発想が欠如しているからだ。
更に、大型のクルーズ船が停泊できる港湾施設はあっても、観光による税収という純利益を生み出す体制にはなっていない。港湾、道路などの公共設備の保全に税金を投入するだけで回収するという発想がない。このことは、福岡市内の観光をと思っても、大型バスを駐車できる場所が少ない。まったく無いところもある。これでは、海外はもとより、国内からの観光客を呼び込むことは不可能。せっかく、見学希望者が多い福岡市西区生の松原の「元寇防塁」だが、近隣には駐車スペースがないのだ。
また、本書で幾度が取り上げられた志賀島だが、博多駅や天神からのアクセスが不便。そうであれば、能古島フェリーのように車両を乗せるフェリーの方が利便性は高まる。志賀島を訪れる方も増えるのではないか。
少子高齢化という人口問題も含め、読み進みながら、幾つも、幾つも、不満が浮かび上がる。この不満、将来への不安はどこにぶつければ良いのだろうか・・・。誰が、この潜在リスクを解消してくれるのだろうか。