紙の本
『乱鴉の空』
2024/01/03 21:53
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
信次郎の屋敷に見慣れぬ同心が探索に入り、伊佐治は大番屋に連れて行かれてしまう
清之介は救い出した伊佐治とともに信次郎が身を隠した理由を探っていく
剣呑な気配を放つ臨時廻り同心
火傷の痕のある死体
遠野屋をたずねてきた手妻師
信次郎はなぜ役人に追われるのか
果たして信次郎の行方は
《男と男の感情がうねり合う
これがあさのあつこの金字塔!》──帯のコピー
累計100万部突破!!
3人の男を軸に江戸の巷をスリリングに描くあさのあつこの人気時代小説“弥勒”シリーズ11冊目、2022年8月刊
「遅かったな」
このひとことが文句なしにかっこいい、極上のミステリー
紙の本
真実を追う
2023/06/04 12:51
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの厄介な木暮様が失踪…親分さんは牢に。
この出だしが衝撃的。
そして大女将の「自由になっていい」発言。
この言葉は今後響くのかもしれない。
南雲様
親分さんから木暮様の女性関係を聞いた時の反応が面白かった。
これをお仙さんが聞いたらどんな顔をするのか(笑)
不可解なお上の動き、その背後にいる危険な目をした男、土左衛門、巾着切り、八卦見の女
これらの散りばめられた要素がひとつにまとまった時に見えてくる真実。
陰謀絡みで動いていた人間たちの中でも上のほうにさは届かないまま終了。
最後のタネ明かしがあっという間に終わるので少々物足りない。
木暮様、遠野屋さん、親分さん
この三人、「真実」を追うためならなんだかんだ言って仲がいいんだよなあ。
こう言ったら本人たちは怒るだろうが(笑)
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ニヒルな同心木暮信次郎。元刺客の商人遠野屋清之介。
累計100万部を突破した「弥勒」シリーズ最新刊は、捕り方に追われ、ある朝忽然と消えた信次郎の謎を追う。いったいどこへ? いったい何が?
江戸に蔓延る果てない闇を追い、男と男の感情が静かに熱くうねり合う。
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弥勒シリーズ最新刊。
信次郎宅に捕り方が来たが、信次郎は忽然と消えた。
一体何があったのか、どこにいるのか。
信次郎がいないまま、伊佐治と遠野屋が謎を追っていく。
散りばめられた点と点がラストに繋がっていくのだが、やはり信次郎がいない展開はちょっと物足りない。
新たに表れたまれ吉の存在、義母・おしまが清之介に言った言葉、これが今後にどう繋がっていくのか、続きが待ち遠しい。
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弥勒シリーズ第十一弾。
信次郎が行方不明になり、伊佐治も捕らえられてしまうという、不穏な幕開けの本巻。
清之介の尽力で伊佐治は解放されますが、消えた信次郎の行方も意図もわからないうちに、手に火傷のある死体が発見されて・・。
今回は、終盤まで信次郎不在で話は展開しますが、それでも存在感を放っているところが流石といいますか、心憎いですね。
結局、居ても居なくても信次郎に無駄に心乱される清之介と伊佐治の図というのは変わらない感じです。
そして、安楽椅子探偵よろしく信次郎によって真相は明らかにされるわけですが、巨悪が絡んでいる犯罪の闇は深そうで、今後もこの件は引きずるのでしょうか。
さらに〈遠野屋〉の番頭・信三の成長をやたらに強調しているところと、清之介の義母・おしのの“いいかげん楽になっても・・云々”の台詞は、清之介が商いから離れる暗示?と、つい勘繰ってしまいます。
今回登場した源庵の手の者・まれ吉も、今後何らかの役割を果たしていくのか・・等々、色々気になりながら本を閉じた私でした。
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新作が待たれるシリーズがいくつかあるが、これもその一冊。
何と今作は冒頭から、不穏な事態で幕が開ける。
木暮信次郎の屋敷に彼を捕らえんと捕り方が訪れるが、彼はすでに行方をくらましており、さらに伊佐治も大番所に引き立てられてしまう。
遠野屋清之介の計らいで、伊佐治は無事に戻るが、信次郎の行方は謎まま。一方で、次々と身元不明の男の死体が出てくる。
清之介と伊佐治の二人で、探索に乗り出すが、この事件の裏には大がかりな闇が潜んでいた。
終盤まで信次郎が顔を出さない筋書きに新鮮さ(笑)を覚えながら、読み進む。
気になるのは、遠野屋の大女将と清之介が会話を交わす場面。
「だからね、もういいんじゃないかえ、清さん・・・清さんは、引きずり過ぎてるのさ・・・何もかも背負い込まなくても、捨てられるものは捨てちまって好きに生きるそういう道もあるんだよ。・・・『遠野屋』を畳んじまってもいいんじゃないかい」とまで、大女将が。
この言葉が、清之介のこころに折に触れ、蘇る。
何かこの「弥勒」シリーズの終焉が近いような予感。
遠野屋清之介と木暮信次郎、この二人の特異な関係の結末はどうなるのだろうか、ますます目が離せなくなるこのシリーズ。
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ずっと読み続けているこのシリーズ。一筋縄では行かない登場人物が、みな剣呑としているが、魅力的。初回から人物紹介がなくても、背景まで想像できるようになってきた。次回作も今から楽しみ。
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最終章までに沢山の殺人事件が発生しているがその裏には巨悪が隠されている。それをどう解決するのか、結局完全解決にはいかなかった。最終章を何回も読み返してしまった。続編に繋がっていくのかな?
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姿を消した信次郎、捕らわれた伊佐治親分。何が起きているのか分からないまま物語が進む。ちりばめられた点と点が繋がって線になる終盤、息を呑む。
私の心のオアシスの伊佐治親分が無事でようございました。
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まあ布袋に包まれた贋金を袂にしたのが現場ならば、ただ居座っていたわけじゃあない。とはいえ、他者はまったく気づかぬ、伊佐治でさえ悟れぬ僅かな証跡から闇を見抜き、あとは安楽椅子で不敵に解き明かす。相変わらず余裕のおとぼけながら、今回は相手が公儀とあって、さすがの信治郎も隠れ芝居で保身する。人徳のかけらもないようで、諜者に遣う御菰の従順さ。清之介でさえ、このところすっかり操り人形と化している。とにかく数多の伏線回収が痛快だ。シリーズが進み、孤高の信治郎はいつしか一家を引き連れている。おしばめ、見事な役者だった。
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今回はのっけから小暮信次郎の雲隠れ,伊佐治親分の逮捕と不穏な空気が漂う.遠野屋の温かい空気に和みながら自分の行く末を考える清之介.最後の最後で手妻のような謎解き.いつもの二人の研ぎ澄まされたやりとりは少なめだったけれど,お互いを認めつつ信頼もありそうなのに相容れない頑なさ,そんな二人の会話が面白い.
新しく登場したまれ吉もこれから活躍しそうだ.
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シリーズ第11作。
ちょっと安定してきたかなというところでの変化球。
信次郎の失踪で幕が開く。
今回は信次郎が表に出て来ないので、清之介と伊佐治による探索がメイン。見え隠れする手がかりを清之介が結び付けていく。
巨悪相手なので、例によって幕切れは呆気ない。表に出る「真相」をもどかしく思うのは、真面目な伊佐治と町人として生きたい清之介で、信次郎は冷徹な目で時代を見すえて面白がっている。
信次郎が隠れていた場所にしても、真相にしても、目新しいものではないのに、キャラの魅力でうまく読ませてくれる。それにしても、清之介が信次郎の用心棒みたいになってていいのかと思うけど、それも見せ場になっているんだよね。
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信次郎がいなくなったところから話が始まる。今までにない展開に、この巻だけで事件(何が起きているかわからないので事件とは言えないのかもしれない)に片が付くのかと思ったほどだったけれど、最後はきっちり締めてくれます。さすがです。
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今回は私の推しメンの信次郎がほとんど出てこなくて、彼と久々に会えることを楽しみにしていた私には少し物足りなかったのです。
最後の遠野屋の始末、みたいな、のはちょいとゾクっとしました。
この作品は場面の切り替えが秀逸。視点、語り部がすっ変わって自然と物語が進む。それが全く新しいシーンではなく前の人からのバトンを引き継いだような繋がり方するのがすごいと思う
2023.4.16
64
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大好きな弥勒シリーズ11作目
同心の木暮信次郎が失踪していて、伊佐治親分が大番屋に連行されて取り調べを受ける、というとんでもないスタートに驚かされる。
遠野屋が前任の町奉行に働きかけて伊佐治は解放され、信次郎の失踪に関わりがありそうな鍛冶職らしい連続殺人事件を追うが謎は解けない。
清之助の故郷から来て遠野屋に逗留するまれ吉の手品から、信次郎は最初から自宅に隠れていると気づいて、清之助と伊佐治は監視されている同心屋敷に乗り込み、信次郎に会ってから事件の全貌を聞くのだが、信次郎が全てを語ってしまうこの展開はとてもつまらない。結末も清之助が剣で解決すると見えてしまう。
事件は前任の町奉行が絡む偽金鋳造なのだが、小判の重さを殆ど変えずに金の含有量を半減させるという鋳造技術=金と同じ程度の質量で安価な金属を作る錬金術?を持つ鍛冶集団というトンデモ咄になってしまってちょとしらける。
シリーズで一番つまらない。