川のほとりに立つ者は

投稿元：

レビューを見る

出てくるみんながみんなとても不器用。でも、気づいてゆく成長してゆく清瀬を好もしく読んだ。
人間関係に正解はないけれど、自分がどうしたいか、どうありたいかを考えて生きていくしかないのだろうな。

投稿元：

レビューを見る

カフェの店長をしている清瀬。
恋人の松木が歩道橋から友だちの樹（いつき）と共に落ちて怪我をした。病院に行くと二人とも意識不明の重体。
そこに、樹の恋人の「まお」が歩道橋の上で二人が殴り合っていた。松木がより多く暴力をふるい、そのせいで二人とも落ちたと警察に証言する。
二人の間に何があったのか？

清瀬は恋人であったにもか変わらず，存在は知っていたけど樹とは会ったことがなかった。
そして最近、どうも部屋に入れてくれない。
行った時は嫌にがらんとしたものの少ない部屋だった。
入院していふ松木の身の回りのものを用意するため、松木の部屋に行くとその、がらんとものの少ない印象だった部屋が全然違う。
ホワイトボード，机，ノート3冊、色々書いたもの。
松木の美しい文字で書かれた、ラブレターのような文章。その相手だろうか？たくさん『菅井天音』と書いてある。
そして、松木の文字では決してない，小さい子が書いたような、みみずが這うような文字もたくさん。
これは、なに？
松木は一体，私に秘密で何をしていたんだろう？

東京に住む松木の親に怪我の事を電話で知らせると、親はそっけない。
そして、松木を暴力的な人間だと言う。
でも、清瀬の知ってる松木は優しく笑う、暴力を的な人じゃない。

樹の恋人が言うように、松木は本当は？

そして、二人が歩道橋から落ちた真相は？

ってお話。

途中でてくる「夜の底の川」と言う本の「川のほとり立つものは水底に沈むの小石を数を知りえない」と言うフレーズから、表題が使われています。
川の淵という近いところにいて、分かってるつもりでも
その中身まで知ることは出来ていないと言うこと。
それを人間にも当てはめられる。
そんな話でした。

投稿元：

レビューを見る

名前、気付かなかったよ、が繰り返さたり、勝手な決めつけをする主人公に乗れない展開。人は違ってそれで良い。

投稿元：

レビューを見る

齢を重ねるに従って、他人を理解できたと思うことがどんどん減ってくる。
私がそう思うだけで、この人は別のことを考えているのでは？
私がわかった気になっているだけで、実は何にもわかってないのでは？などとつい自問自答してしまう。
人は驚くほど一人一人が違う存在で、
同じ人の中にも多種多様な面がある。
そんな、考えてもどうしようもない問題を
考えすぎてしまった主人公の清瀬。
それでも彼女は相手を理解しようと
光の射す方を選び前に進んでいく。
人と人、全部わからなくていいのかも。
わかりたいと思う気持をちゃんと抱いてさえいれば。

投稿元：

レビューを見る

コロナ禍真っ只中の2020年が舞台の話。発達障害の人が自然に登場するのだけど、無知の罪、という言葉が心に残った。気を使うのも違う気がするし、と思うとわたしは未だに公言している人との対話に悩む。それを再び考えさせられた。川のほとりに立つものは水の底に沈む石の数を知り得ない、当事者でなければわからない、という言葉、忘れたくないなと思った。優しさという名の違った方向の自己満だけの行為をしないように。

投稿元：

レビューを見る

本屋大賞ノミネート作と聞いたので。
ホンワカイタい、という大胆予想、ほぼ当たり。今どきのDVネタ、発達障害ネタ、恋人と喧嘩別れをしそうなアラサー女子ネタ。

一気読みしてしまってなるほどと思うこと、そりゃ無いわ！と思うこと、いろいろあって、そういう意味で他の多種多様の悩みを抱えている大人にもお勧めしたい～という本でした。

投稿元：

レビューを見る

キレイな文章と端的にすぱっと絶妙な表現を重ねるお話。あー苦しいなーと思わせられるのに、登場人物達の素敵ポイントをぐんぐん引き出すような。人の心がこれだけ見えたらいいのになとも思わせられた。年末に来てかなりの良書を読めて嬉しい。
正直、このページ数でこれだけの読後の感情と情報の振り回され感ってどうやって？と思わされる満足度だった。

投稿元：

レビューを見る

字の下手さとかロッカーの汚さとか、それが「障害」と呼ばれるものなのか怠慢なのか、他人からはわからない。
そしてわかったところでどう対処するのが良いのかもわからない。うぬ。