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ブラッドランド ヒトラーとスターリン大虐殺の真実 下 (ちくま学芸文庫)
【ラルフ・ワルド・エマーソン賞】【ヨーロッパ理解ライプツィヒ図書賞】【ハンナ・アーレント政治思想賞】【米国芸術文学アカデミー文学賞】【グスタフ・ラニス国際図書賞】ウクライ...
ブラッドランド ヒトラーとスターリン大虐殺の真実 下 (ちくま学芸文庫)
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商品説明
【ラルフ・ワルド・エマーソン賞】【ヨーロッパ理解ライプツィヒ図書賞】【ハンナ・アーレント政治思想賞】【米国芸術文学アカデミー文学賞】【グスタフ・ラニス国際図書賞】ウクライナ、ベラルーシ、ポーランド、バルト三国。第2次世界大戦時、ドイツとソ連に挟まれた地で敢行された民間人の大量虐殺。その事実はなぜ封印されたのか。犠牲者たちの手紙や日記を掘り起こし、真実を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
民間人死者一四〇〇万。その事実は冷戦下で隠蔽され、さらなる悲劇をもたらした──。圧倒的讃辞を集めた大著、新版あとがきを付して待望の文庫化。
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強制収容所で殺害された人の数は500万とも600万とも言われる。だがナチスとソ連、二つの全体主義国家に侵略されたこのブラッドランド(流血地帯)では、収容所の外で数層倍の人間が殺された。ヒトラーが死に、戦争が終わってもなお人々は翻弄されつづけた。戦勝国ソ連は「大祖国戦争」の名の下に、この地で起こした大量殺人の隠蔽を図った。そのための粛清と、吹き荒れた民族浄化の嵐はさらなる犠牲者を生んだ。国家権力が引き起こした未曾有の惨劇は、いまなおこの地に暗い影を落としている──。アーレント賞ほか数々の国際賞を受賞した傑作歴史ノンフィクション。
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【目次】
第7章 ホロコーストと報復と
第8章 ナチスの死の工場
第9章 抵抗の果てに
第10章 民族浄化
第11章 スターリにストの反ユダヤ主義
結 論 人間性(ヒューマニティ)
著者あとがき──新版に寄せて
数と用語について
要旨(アブストラクト)
参考文献一覧
原註(下巻)
地図リスト(下巻)
索引【商品解説】
目次
- 【目次】
- 第7章 ホロコーストと報復と
- 第8章 ナチスの死の工場
- 第9章 抵抗の果てに
- 第10章 民族浄化
- 第11章 スターリにストの反ユダヤ主義
- 結 論 人間性(ヒューマニティ)
- 著者あとがき──新版に寄せて
- 数と用語について
- 要旨(アブストラクト)
著者紹介
ティモシー・スナイダー
- 略歴
- ティモシー・スナイダー(Timothy Snyder):イェール大学教授。1969年、アメリカ合衆国オハイオ州生まれ。専門は中東欧史、ホロコースト史。著書に『ブラッドランド──ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実』(筑摩書房)、『赤い大公——ハプスブルク家と東欧の20世紀』、『ブラックアース──ホロコーストの歴史と警告』、『暴政──20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン』、『秘密の戦争──共産主義と東欧の20世紀』(いずれも慶應義塾大学出版会)など。
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世の中は上手く行かないもので
2022/11/22 08:53
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
エーリヒ・フォン・デム・バッハ-ツェレフスキーSS大将のような悪名高い「騎士十字章に輝く英雄」が「零時」の後、連合国側に協力したのでソ連やポーランドに引き渡されもせず、第11軍司令官当時にユダヤ人の虐殺を命令した「ドイツ軍最高の戦術家」エーリヒ・フォン・マンシュタイン元帥のようにアメリカがうるさいので英軍が渋々と戦犯裁判を行った事すらしなかった。なのでワルシャワ蜂起での役割が「有名」なハインツ・ライネファルトSS中将はフォン・デム・バッハ-ツェレフスキーを表に出さない為に裁きようがなかった。これも当時の現実だ。ワルシャワ蜂起の際に国内軍は緒戦では捕虜にしたドイツ兵を虐殺し、途中から国防軍所属のみ捕虜として扱うようになり、ドイツ軍が派遣した軍使を殺したのだが、これも現実だ。
ナチや共産主義に協力したら悪の権化みたいな書き方だが、中間色はないのだろうか。躓きの石はユダヤ人限定ではなく、第22歩兵師団長時代にユダヤ人の虐殺を命令し、オーレンドルフの行動部隊Dと密接に関わっていたが、ケルチ半島で後退したので軍法会議で有罪となり7月20日事件のとばっちりで死刑になった「騎士十字章に輝く英雄」であるハンス・フォン・シュポネック将軍の名義のものがかつてはあったのだから。
文庫化にあたってウクライナやウクライナ人の固有名詞をウクライナ語読みにしたと思うが、どこかのマニア向けの本が「騎士十字章に輝く英雄」だと礼賛したSSの将軍を「カート・フォン・ゴットベルク」と名前だけ英語読みしたままだ。
このクルト・フォン・ゴットベルクSS大将という「騎士十字章に輝く英雄」が片脚を失ったのは「飲んだくれ」とあるから酔っ払い運転でもして「自家用車を運転中に果樹に衝突し」た結果、一時的にSSから追われる立場になったそうだ。つまり、フォン・ゴットベルクは実のところは「知られざる傑出した野戦指揮官」どころかオスカー・ディルレヴァンガーと似たような立場だったわけだが、この男を「英雄」視する本には一切出て来ない。本当の事は仮に知っていても書けないだろうけれど。こういう男を「騎士十字章に輝く英雄」として売り出す本の著者は、次は「ブラッドランド」にも出て来る「柏葉付騎士十字章に輝く英雄」であるSS大将フリードリヒ・イェッケルンを売り出したら、どうだろうか。彼は1941年にフェーゲラインのSS騎兵旅団によるプリピャチでの虐殺に関わっているから、無理だろうが。