- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/11/10
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/135p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-529683-7
読割 50
紙の本
この世の喜びよ
著者 井戸川 射子 (著)
【芥川賞(168(2022下半期))】幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く“あなた”は、フードコートの常連の少女と知り合い…。表題作など全...
この世の喜びよ
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商品説明
【芥川賞(168(2022下半期))】幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く“あなた”は、フードコートの常連の少女と知り合い…。表題作など全3編を収録した小説集。『群像』掲載等を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
第168回芥川賞受賞!
思い出すことは、世界に出会い直すこと。
静かな感動を呼ぶ傑作小説集。
娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく芥川賞受賞作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。
ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。
最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。
二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(表題作「この世の喜びよ」より)
【商品解説】
収録作品一覧
この世の喜びよ | 5−96 | |
---|---|---|
マイホーム | 97−115 | |
キャンプ | 117−135 |
著者紹介
井戸川 射子
- 略歴
- 〈井戸川射子〉関西学院大学社会学部卒業。「する、されるユートピア」で中原中也賞、「ここはとても速い川」で野間文芸新人賞受賞。ほかの著書に「遠景」がある。
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書店員レビュー
何度でも世界に出会い直す
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
ショッピングセンターの喪服売り場で働く「あなた」は幼い娘たちと一緒に過ごしたその場所でフードコート常連の少女と出会う。幼い弟の世話を任される少女は、まるで日常から逃れるように放課後をフードコートで過ごしていた。あなたは少女に子守りのアドバイスを求められるが、いつも思い出しているはずの幼い頃の娘たちの姿さえ上手に語ることができなかった。
少女をはじめとするショッピングセンターの中のささやかな人間関係や、大人になった娘たちとの関係の中で、あなたはかつての子育ての日々を思い出していく。歳を取り、過去の出来事が曖昧になってしまっても、あなたは何度でも世界に出会い直すことができる。日々の生活の中で、想いを伝えられる人がいる喜びを確かな言葉で紡ぐ物語。
紙の本
読み手は選ぶかも
2023/01/11 19:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:moon - この投稿者のレビュー一覧を見る
俯瞰してる描写だからなのか、単純に自分の好みに合わないだけなのか、なかなか文体に馴染めずに没頭するまでには至らなかったです。
それでも今までにない視点で顔見知りから友人、そして擬似親子みたいな関係になっていく二人の過程が自然で物語の終盤が見えてくると終わってほしくないと思ってしまった。衝撃的なシーンがあるわけでも泣きどころがあるわけでもないので、読み手を選ぶかもしれません。
親世代には良さが伝わるが、独身者には響かないか。
紙の本
二人称の難しさ
2023/01/24 22:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作は、ショッピングセンターの喪服売り場で働く「あなた」が、少女と出会い、子育ての頃を振り返る。二人称で書かれている以外、目新しさないし、二人称で書く必要もない。この文体が却って、物語を面倒にし、読みづらくしている。如何にも最近の芥川賞受賞作らしくはあるけれど。
紙の本
女性の一生を優しく丁寧に
2023/01/13 18:41
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:carop - この投稿者のレビュー一覧を見る
あなたは
という一人称から読み手が少し錯覚を覚えながら、「死者の視点なのかも」とか「手紙を書いているのかも」という、時点として未来から一緒に作品を読み進めていく手法がとられていました。
回想シーンで「わたし」になったり、現在形の喋り方となったりと、ふわふわと思い出す行為を共有している感覚が新しく、読んでいて心地良かったです。
この物語ではいくつもの年代の女性が登場します。主人公が、多感な女性たちと女性ならではの視点で、常に悩みながら、伝える事もあれば、胸に秘めたままにする気持ちを、これは普段は絶対に知ることができないですが、この作品を通してまるで一人の女性の心の中を知ることができた感覚でした。
子育てがひと段落した女性であっても、決して完璧ではなく、心の内にはどこか少女らしさが残っていて、でもやはり親であって、という複雑で揺れ動く感情は読んでいて引き込まれました。
文体も好きでした。文章量も少なめでしたので続けざまに2回読んでしまいました。
思い出す、という行為が、後悔からなのか、美化された記憶を愛でているのかは解釈があるかもしれませんが、私は、全体としてどこか美しい思い出として語っている様に感じました。
小さな小さな物語なのでどんな方にでもお勧めできる訳ではないですが、綺麗な文章を求めているような方にはお勧めです。
電子書籍
読点馴染めず
2023/01/15 21:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだか読みにくい文体でした。この作家のファンの方は、こういう文体に、慣れておられるのでしょうか。表題作のこの世の喜びよは、喪服売り場勤務の「あなた」が、フードコートの常連の少女と知り合って……コレは、不思議な感覚。 マイホームやキャンプは、まだわかるが。