皇太子の結婚 虐げられた令嬢は帝国の太陽に溺愛される （レジーナブックス）

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投稿者：S910　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

継母と異母妹に虐げられていた令嬢が皇太子に見初められて幸せになる王道シンデレラストーリー。

生家から助け出されるまではなるはやで終わるんだけど、皇宮に迎え入れられてから語られた皇帝と皇太子、ヒロインの父侯爵三人の打ち明け話がギャグすぎて声出して笑っちゃった。
前妻を愛するあまり前妻そっくりの娘が他の男に嫁ぐのが嫌だったとか打ち明けた侯爵の前で息子との縁談を進める皇帝と、話しながら自分の気持ちを自覚しちゃったから「申し訳ないが悪い知らせだ」とかいってその場で求婚の許可を得るヒーロー面白すぎたでしょ！
その後も初恋で暴走するヒーローが面白かったし、虐げられたせいで自己肯定案がないヒロインに自信をつけさせようと画策する皇后第二妃の母二人もとても良かった。

だからこそ、たぶん書籍で追加されたんだろう結婚後の後日談短編が惜しい。
悪意に負けず奥向きをとりしきる必要があるから、皇太子対処は手出し無用っていうのもわかるけど、皇后達と違って主人公はその境遇から社交にも人を使うのも頼るのも慣れてないんだから、母代わりとして助言くらいしても良かったと思う。
偶然真相がわからなければ関係が壊れていてもおかしくなかったと思う。
そして、本編で勝手に執務室におしかけてきた義妹を不敬罪で拘束さえしたのに、悪意をもって皇族を貶めようとした侍女に同情したとはいえ無罪放免はどうだろう？
それに、子どもができたから恋心を諦めるかどうかっていうと、近くにいたら再燃しかねないでしょう。
乳兄弟にするのは悪手なんじゃないかなぁ？
この短編のせいで読後感が非常にモヤモヤしてしまった。
本編はめっちゃ楽しく読んだのに非常に残念だった。