紙の本
『勇者たちの中学受験』
2022/12/08 21:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2月1日は午前にサレジオ、午後が山手学院、2日は鎌学と中大横浜、3日が本命の浅野で、4日に2度目のサレジオを受験するアユタ(サピックス)
灘、開成、筑駒の「三冠」確実と言われて受験に臨むハヤト(早稲アカ、スピカ)
本命が香蘭で、普連土、恵泉、三輪田に挑戦するコズエ(うのき)
2022年2月の中学受験に挑んだ3人の小学6年生とその家族を描いた、実話をもとにした創作
ただし、受験に関する事実関係(学校名、塾名、合否結果など)は事実のまま
受験生とその親が、中学受験という魔物に飲みこまれ、翻弄されていくさまがリアルに、生々しく描かれている
〈納得できる合格を手にする志望校選びから、入試本番期間の親子の壮絶な心情、塾業界の光と影までを、気鋭の教育ジャーナリストが克明に描いた衝撃のノンフィクション〉──帯の紹介文
中学受験を考え始めた2年生、3年生の親はもちろん、入試本番目前(まさにいまこの時期!)の子を持つ親まで、納得のいく受験をするための必読書
副題は「我が子が本気になったとき、私の目が覚めたとき」
2022年11月発売とともに大きな反響が起き、3週間で4刷、5万部の大増刷
アマゾン「総合2位」も獲得した話題の本
※p.75〈中学受験対策した〉⇒〈中学受験対策をした〉
※p.78〈まわりたくさんいたことに〉⇒〈まわりにたくさんいたことに〉
投稿元:
レビューを見る
ジャーナリストのおおたとしまさ氏が送る、実話に基づく体験談的小説。
と言っても、創作部分は台詞と心理描写の部分のみで、事実関係は全て実話そのままとのこと。
3つの過程の中学受験・最後の三週間が描かれる。
一つは、「中学受験について詳しい・理解がある」はずであった父が主導する家庭。
二つ目は、天才児を授かってしまったばかりに、過度の期待を押し付けて子の個性を潰してしまった家庭。
三つ目は、長女の時の手痛い失敗を次女の際に上手くいかせた家庭。
著者はたまたまこの3家族に取材したというが、気持ちいくらい著者のかねてからの主張、「偏差値に振り回されない受験こそが幸せな結果を生む」を傍証するかのようなラインナップ。
1つめのエピソードは、散々「受験は結果が全てではない」という助言を吸収してきたはずの父が、最終的には完全に偏差値だけで結果の良し悪しを受け止めているさまが生々しい。そして、肝心の我が子の望みが、父の視点からすっぽり抜け落ちていたことを最後に思い知らされる。
2つめは完全に偏差値至上主義の業界の闇に飲み込まれてしまった話と言える。外ヅラだけを気にする中学受験を経て、天才肌の我が子を勉強嫌いにさせ、夫婦関係は破綻する。そしてそれを煽ったのは、受験塾であるとはっきり描かれる。
3つめは、進学先だけ見れば上記二つの子よりも完全にしただし、チャレンジした第一志望校にも合格していない。にも拘わらず、間違いなく最も幸せな中学受験をした家庭として描かれる。
「中学受験を家族にとってのいい経験にできるかどうかは、子供の成績や第一志望合格よりも、自分たちの歩んできた道のりに納得感を得られるかどうかにかかっているのかもしれない。」
なぜ我が子に中学受験を勧めたか?
単に高偏差値の学校に入れるためか?
でも何のために?
きっと各家庭、それだけが理由ではないという所が殆どのはず。でも、最後まで家族全員でその信念をもって、偏差値信仰に踊らされずに走り抜くのは、想像以上に難しいのかもしれない。
きっとこの本は、我が子が塾に通い始めたタイミング、そして6年生になるタイミングに読み返すべき一冊なのだと思う。
投稿元:
レビューを見る
中学受験を検討する家庭は両親ともに読むべき本。3件の実際の受験例(塾名や学校名も実名)を読んだ上での最後の後書きが秀逸。中学受験をどう捉えるか、評価するか。受験で家族が壊れる例も、子どもが成長できる例もあるということ。「落ちても、してよかったと思えるのが成功した中学受験」というけれどその境地に達せる家庭がどれだけあるのか。筆者は中学受験はカルトというが、本当にそうだなと思うなど。
投稿元:
レビューを見る
試験というのは努力がそれなりに反映される競技のようで、大学でも高校でも中学でも更には小学校や幼稚園の入試でも家族の数だけのストーリーが生まれる。特に関東圏の中学受験は思春期にもならない子供と親たちが偏差値という数字で自分たちの社会(中学受験という狭い世界の)の中での位置付けを突きつけられて、世の中の厳しさを知ることになるし、その中での生き方を見出していく一大イベントになってしまっている。一つ一つの家族が主人公になる物語なのでそれを乗り越えた後も懐かしく振り返ることができるし、筆者の言うようにカルト化している部分も確かにあると思う。家庭崩壊だけはしないように。
投稿元:
レビューを見る
中学受験は親の受験と言われるが、様々なパターンがあることがわかる。そして、本当に子供にとって良い受験にするために、塾の思惑に乗らず、総合的に良い受験にするため、さまざまなものを使いこなすことが大切なのだとわかった。あと、早稲アカはイメージ通り。
投稿元:
レビューを見る
勇者たちの中学受験~わが子が本気になったとき、私の目が覚めたとき
著:おおたとしまさ
人生には、結果よりも大切なことがある。傷つくことを恐れず挑戦すること、努力すること、支え合うこと、感謝すること、自分の信じることをやり抜こうとすること。こられがすべて親子の誇りとなる。結果によってもたらされた地位や名声は失うことがあるけれど、過程によってもたらされた誇りは誰にも奪われないし、何年経っても色褪せない。
中学受験は、12歳にしてそんなことを学ぶ絶好の機会でもある。結果はどうであれ、中学受験という選択を通して、そう思える境地迄辿り着く親子は、毎年たくさんいる。本書ではそんな経験をした家族3組のエピソードが紹介されている。
不確実で先が見えない現状において、どれが正解なのかはわからない。中学受験をするしないに対しても、多くの意見があり、どれもその立場から言えば間違いでもない。最終的には本人の意志ではあるものの、決断をする当事者が小学生であれば、決断をするための材料や一緒に考えることも時には必要となる。
今までの関わり方やこれからの関わり方等を見ても関与度は変わり、成長度合いによってもそれは個として変わってくる。
自分たちが後悔しないためではなく、我が子が後悔しないためという視点で我が子の立場で寄り添いながら答えを出すことで正解を求めていきたい。
投稿元:
レビューを見る
中学受験に挑む3組の親子を描いた、実話に基づくフィクション。
途中まで戦々恐々とするばかりだったけど、3つ目の話を電車で読みながら、涙が出た。温かい涙だった。
1つ目の話や2つ目の話は背筋が凍るような心地がしたけど、自分が親の立場だったら、同じように取り憑かれてしまっただろうと思う。
だからこそ、もし中学受験を経験する立場になることがあったら、この本を傍らに置いておきたいなと思う。
自分は地方出身で中学受験の「ち」の字も知らなかったけど、それでも登場人物を身近に感じながら、時にハラハラ、時にあたたかな気持ちでのめり込むように読んだ。
良い本だった。
投稿元:
レビューを見る
二月の勝者、ドラマも漫画も読んで更に手を伸ばした一冊。やはり首都圏で受験に乗り出す勇気はないわ。地方民だけども。やるかどうかは小4から考えましょう。
投稿元:
レビューを見る
正直、著者は好きじゃない。この人の考えが好きではない。
だから、後書きはイマイチ。登場人物の心情表現も後からたしたものだそうで、嫌だった。
でも、それを抜きにしてもすごくいい企画だと思った。いっきに読んだ。著者は嫌いとか言っておいてなんだが、続編が楽しみ。
第1話について。
自信過剰お父さんの話。もうやりようがないほど完璧にやったと言ってしまうところが、課題すぎる。
第2話について。
天才児をこけさせてしまったお母さんの話。マウントすぎる。マウントし続けて、反省して自分に矢が向いたかなと思ったら、最後の最後でまたマウントしていて、人が変われないとよくわかった。
「ハヤトを馬鹿にする奴は許さない」
と著者が書いているが、誰もハヤトは馬鹿にはしないでしょ。親のせいなんだから。
早稲アカディスがすごかった。
第3話について。
中学受験で家族ごと幸せになった話。多少紆余曲折はあるものの、一番フツーだった。たぶん、こういう家庭が多いんじゃないの?
3家庭ともに言えることは、そんなに偏差値が上がらないの?ってこと。塾にも問題あるでしょう。第3話目は、塾を礼賛しているけれど、一番肝心な学力をあげることはできていない。それってダメじゃない?
文句たらたらな割に、楽しんでる。いろいろ言いたくなるのはいい本だと思う。もっといろんな家庭を覗き見したい。
投稿元:
レビューを見る
今こそ読むべき本だったかも.
良い本を見つけられて良かった.ウチの中学受験が正しいか正しくないかはわかりませんが,呑気でとびきり頑固で変人な息子のおかげで,「悪くない」道を歩んでるんじゃないかなぁ,と思う.僕たち親を育ててくれてるのは,間違いなく,長男だって,そう思えた一冊.これからの人も,ただ中の人も,過ぎ去った人も,親なら一度は読んでおいて損はない本かな,と.
投稿元:
レビューを見る
あんまり面白い本でもない。
自身も中学受験をしたし、子供二人の中学受験も親として経験した。
ひとり中学受験だけに限ったことではなく、何か依存するものに狂う人っていうのは、一定数存在するんだろうし、そうした変わった、というか極端な人にフォーカスを当てられても、共感することなどはなかなかできるものではない、のでは。
イマイチかな。
投稿元:
レビューを見る
塾関係者からすると目新しい話はなく、いずれも「さもありなん」。
それでも、真摯に中学受験について取材・表現をしてきた評価のあるおおた氏が、この内容を発表し、多くの読者を得たことには一定の価値があるように思う。
投稿元:
レビューを見る
7年前に中学受験を経験して、大変だったなぁと懐かしくなって手に取ったのだが、私の想像していた内容ではなかった。
うちは王道の大手塾で、結果も成功しているからだろうが、その経験した結果によって、この本の感想はガラッと変わって来ると思う。
まあ受験なんてものは結果が全てだから。
うちは大手塾だったけど、担任がよく電話をくれたり、面談も何度となくあった。息子も学校よりよっぽど楽しいのか、友人もたくさんできて、朝から晩まである特訓にも嬉々として通っていた。
どっちかっていうと、筆者は大手には否定的なのかなとの印象を受けた。
投稿元:
レビューを見る
塾名、学校名ともに実名であることからリアリティを感じた。また感情移入できるヒューマンストーリー。流石おおたとしまさ先生!
【都内在住者は中学受験との葛藤で永久に悩む〜中受記事ランキング@私投稿】
https://note.com/ruly_yasuka/n/nc33d9b5a1e2b
投稿元:
レビューを見る
読み物としておもしろかった。実話に基づいているとのことなので、小説より奇なり、との言い得て妙だと感じた。我が子のことと思うと胃が痛くもなるが。
某大手塾がカネの亡者のように描かれているのが気になった。我が家を見るとそんなに悪いとは思わない。