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2023/03/16 07:20
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつかまた映像化される作品が出てくるかもしれませんね!世界観を映像化するとかえって意味がわからなくなることが多いので、先に読んでおこう!
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タイトルからもわかるように、
ぼく、僕、あるいは私といった、
一人称で書かれた短編集です。
作者自身が過去を振り返り、
想い出の一場面を
ひとり語りするという趣向です。
お話の中に作家自身の名前が出てきたり、
仕事に関する事柄が語られていたりするので、
読み進むうちに私小説かと
錯覚を起こしそうになるものもありますが、
これはあくまでフィクション。
少なからず実体験がもとになっているものも
中にはあるのかもしれませんが、
おそらくほとんどは作り事、
虚構だと思われます。
その虚構にどっぷりと浸って、
騙されたふりをして読む・・・
それがこの一冊の楽しみ方ではないでしょうか?
容赦なく時が過ぎ去っていく、
つまり年齢を重ねるってことは、
やっぱりさびしく、
辛いことなのだなぁと感じました。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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単行本が20年の7月。確か同じ時期に猫を棄てる が出てて…そっちは読んだけどこちらは未読。
おはなしは、今までと変わらない種類の奇妙な話やちょっとした「物語」なのだけれど、立ち位置がね、今までよりずっと村上春樹本体に近く感じる。半分…7割くらいはエッセイ、残りがフィクション…?くらいな。
野球好きの話、音楽が好きな話など前から題材になっていることの間に、お父さんの死のことや、お母さんの記憶が曖昧になっていたことや、10代の頃過呼吸の発作持ちだったことや…
今まで物語の主人公は自分のことではないと言い続けてきたけど、今回だってそうだろうけど、村上春樹の引き出しから出てくるものは、当然、村上春樹なのだ。それを素直に認め始めたというのかなぁ…
品川猿と一人称単数はめちゃくちゃ怖かった。
品川猿は他の短編集にも出てきててその時は何とも思わなかったが、今回ははっきりと「気持ち悪い」と思った。(違う猿かもしれないから、再読しよう)
いい歳こいたおっさん(猿)が、ヒトと一緒に暮らしすぎてヒトの女性を好きになり、欲望を抑えきれなくて…名前を盗む?
法律に抵触しなくても…なんだろうストーカー的な? 下着を盗まれて妄想されてるような不愉快さ。お世話になった教授の夫婦生活について「激しかったですヘヘヘ」とか何情報だよ?追い出された原因だって何か気持ち悪い理由だったんじゃないのか?と勘繰ってしまう。5年後くらいに名前をど忘れする女性に出逢ったことも後味悪〜い。そんな猿が世の中のいると思うとゾッとするが猿どころかニンゲンがたくさんいるのだから始末に負えないね。
一人称単数、最初のほうはちょっとのズレこそあれ、1人時間を過ごすようにのほほんとエッセイのノリで読んでいた。
店で、まーた女性が近づいてくる話かぁと思ったら「そんなことをしていて、なにか愉しい?」
──え?
ちょっと意味がわからなくてショック。
…は?
続く言葉も彼女の意図がわからず、明らかな悪意や敵意を感じても違うと思いたい、ニュートラルな意味で捉えたいと、言葉を返す村上さんが自分のことのようだった。
店を出て、はー、自分かもだけど自分ではないものと、一時的にリンクしたのかな、とんだ目にあったやれやれと思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。
終わらなかった。始まりだった。
戻ってこられなかった。
自分ではない…はずなのにな?
もしかして、自分だったのか?
後ろめたさ?のようなもの?があったのはそのせいなのか?
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村上春樹自身のエッセイとも取れるし、エッセイをふんだんに取り入れつつもノンフィクションを絡めた作品とも取れるような一冊。
この際フィクションかどうかなんてどうでも良くて、ただただ文章にのめり込めて読んでいる時間が幸福で、読み終わるのがなんだか寂しい、と思える作品が久しぶりで、満ち足りた気持ちになれた。
勝手な想像だけれど、大筋はノンフィクションで、そこにあってほしかった話やあるべきだった話、そう伝えれば読者により伝わりやすくなる話、作者本人の中でイメージとしてあった話、のうちの何かを追加したのかな、という印象だった。
関西圏に住む野球ファンとしては、ヤクルトスワローズの話が物凄く面白かった。
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今回のは読みやすくて単純におもしろいものが多かった。小説というかぜんぶ春樹のほんとにあった話みたいに思えた。いつもの小説になるとなんだかよく解らんわと思う事も多いのに毎回定価で買って読んでしまうのはなぜなのだろう。これを買った時にPOPがあって久しぶりの長編たのしみだなーと思っているし。
ヤクルト・スワローズ詩集めちゃくちゃ読みたいぞ。
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~23.03.03
久しぶりに村上作品を読んだ。
なんか、以前と違う気がした。
こんなんだったけ?村上作品って。
そっか、あの頃と年齢が違うんだ。主人公も、私も。
過去の現実を追想して、今の自分と重ねて・・・
でも、それはやはり過去完了だから、現在進行形ではないから、なんとなく違和感を覚えたんだね。
「絶対にあり得ないこと、でも、あったら楽しいよね。いや、困惑するか。」
その感覚は、変わらず、あった。
なんだかんだ言っても、やっぱり凄いです。
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騎士団長殺しから数年ぶりの新作。文學界で掲載された短編7つと描き下ろしの表題作「一人称単数」で構成された短編集だ。村上春樹さんと言えば考察勢がいるので難解さがあってもすぐに調べて解釈の助けになる。ま、四の五の言わずに村上春樹さんを楽しめばいいだけさ。私のオススメは「謝肉祭」と「品川猿の告白」。
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学生時代姉の本棚で見つけた「風の歌を聴け」が村上春樹との出会いだった。
クールだけど親密さも持ち合わせた独特な雰囲気の小説は勿論、軽妙洒脱なエッセイから滲み出る人柄にも魅了され「それがどうした」「だからなんだ」を座右の銘にしたり「中国行きのスロウ・ボート」を携えて家出をしたりと今から思えば黒歴史な日々を過ごしたことも...。
現在は価値観の変化もあって読み逃しているものもぽろぽろある、まあほどほどのファンとして村上作品と付き合っている。
本書は冒頭の作品の余りのnot for meさに愕然としたが二作目で持ち直し結果的には楽しく読んだ最新短編集。
良い意味でも悪い意味でもとても村上春樹らしい一冊なので初心者の人も入門編として是非。
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日常の情感をいろいろな言葉で上手く表現できるのはさすが。チャーリー・パーカー プレイズボサノバは大好き。
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2023.02.18 読了。
面白かった。
感想はブログにて。
https://newblushingviolet.com/ichininsho-tansu-8/
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久しぶりに村上春樹さんの短編集を読んでいます。『ウィズ・ザ・ビートルズ With The Beatles』という4つ目の物語を読んで、こういうのは村上春樹さん特有の雰囲気が出ているなと感じました。
主人公と高校生の女の子が付き合って、何の問題もなく時を過ごして、でも20歳の頃に別れて、35歳になるまでそれ以来一度も会わずにいたら、女の子の兄から「妹はもう死んだ」ときかされるというような展開。女の子は結婚して、子どもが二人いたのに睡眠薬を飲んで自殺したということなのだが、さかのぼって20歳の時に別れた理由が、主人公が東京の他の女の子を好きになったせいであり、「彼女が僕の耳の奥にある特別な鈴を鳴らしてくれなかった」からということが語られる。またその彼女は「自分はとても嫉妬深い」ということを付き合っているときにさりげなく主人公に伝えている。読み手はそれをつなげ合わせて、彼女が自殺した理由をなんとなく推察するものの、決定的に僕との関係が原因だったということについては物語の中では語られず、人生はそのような決定的な原因が曖昧なまま、すれ違いによって織りなされることが真実であるとでもういうように半ば冷たく伝えて物語が閉じられる。
終盤の短編である「品川猿の告白」と「一人称単数」は正直に言って全然面白くありませんでした。
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不思議な感覚だ。面白いとか面白くないとか、ハラハラドキドキするとか驚きがあった訳でもない。でも、読むことによって何かを感じ気持ちが落ち着いている。大袈裟に言えば心が救われる感じがする。村上春樹の文章に触れるとよくそんな感覚になる。
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【「石のまくらに」「品川猿の告白」など全八作からなる短篇小説集】短篇小説は、ひとつの世界のたくさんの切り口だ――各々全く違う設定で書かれながら、八つの世界がまとまったとき立ち上がるものは?
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1作目、2作目、村上春樹を読んでいる感動がない。とうとう、続けて読むのも終わるのだろうか。30年以上全ての作品を読み続けてきたというのに。ところが、一転、3作目からの感動。うーん、どこかで読んだような話かな、と思いつつも、やはり良い。村上春樹だ。ひょっとすると、雑誌で発表時に読んだのか、それとも単行本を図書館ででも借りて読んだのか。それならばすでにレビューがあるはずだ。エッセーで読んだことのあるものか。古レコード屋で見つけたLP。買うのをためらったLP。次の日には当然もうないのだ。売れたわけではない。そんなもの最初からなかったんだ。でも実際に自分の目で見たもの。だからそれは真実だ。そんなことが起こり得る。チャーリー・パーカーは本当にボサノヴァを演奏していたのだ。ウィズ・ザ・ビートルズのLPを胸に抱えていた少女はどこに行ったのだろうか。いまでも校舎の片隅に佇んでいるのか。そして、付き合った少女はビートルズは聞かなかった。その少女の兄は記憶の一部が突然無くなる。その間に何をしていたかが本人もまったく分からない。人殺しをしていても気が付かない。そんなテレビドラマが最近あった。僕はてっきり、両親と妹2人は殺されているものと思った。そう思わされた。しかし、それは単なる勘違いだった。兄の前で朗読した芥川の「歯車」、僕もいつか読んでみよう。それから何十年か経って、雑踏の中、兄と偶然出会う。出会わなければ知り得なかった。しかし、知ってしまった。すると途端にそれは事実となる。付き合っていた女性の自死。ヤクルトの話はまあ箸休めとして。ただ、父の葬式の話、母の話、そのあたりは興味深い。「猫を棄てる」を読んだ後に気になっていたことなので。いよいよ「謝肉祭」である。感動ここに極まる。僕は出勤途中の電車の中で読んだのだが、しばらく現実にもどって来られなかった。ただ、不覚にも、僕はタイトルを最初に見たとき百恵ちゃんの曲を口ずさんでしまった。「ジ~プシー、ジ~プシー」いまレコードを聴いてみようと探すも見つからず。なんということ、アルバムに入っていなかった? それはともかく、この「謝肉祭」はシューマンである。こちらも何度も聴いていたはずなのに、全く思い出せなかった。そして今聴きながらこれを書いている。なかなか良いではないか。誰かと、そんなにも濃厚に、ある程度の期間、何か1つのテーマについて話し合うというような経験はない。「謝肉祭」の聴き比べ。なんともマイナーなテーマなのだ。でもだからこそ、狭く深く潜り込んでいけたのだろう。その短編は強烈な文章で始まる。「彼女は、これまで僕が知り合った中でもっとも醜い女性だった」どこがどうというのでもない。身なりはきれいにしている。たぶん、後ろから見れば美人なのかもしれない。今は皆マスクをしているから目だけを見て判断するとだまされることがある。もっとも、相手はだましているつもりなど毛頭ないわけだが。で、その女性がどういう顔をしていたのか。何となく想像がつく。女優で言うと・・・まあ、やめておこう。そして、その濃密に付き合った女性が犯罪者としてテレビに映っている。そういうことも、ありうることなのだろう。そして、何と言ってもその後に付された短いエピソードがまたいいのだ。これがあるからこそ、この作品はキュッとしまっている。人と話をする猿のお話。そういうこともまた、きっとあるのだろう。あなたがそう感じたのならそれがきっと真実なのだろう。さて、「謝肉祭」も終わってしまった。本当言うと僕は「クライスレリアーナ」の方が好きだ。そこには、当時の自分の心情が大きく重なっているわけだけれど。音楽やにおいの記憶にはそういうところがあるように常々思っている。
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3年前くらいに読んだけど、村上春樹らしさが全面に出つつも、読みやすかったし面白かった記憶あり。さらっと読める。野球関係の話があったような、、読み直そう